あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

森と湖の国 フィンランド・デザイン展 ・サントリー美術館

2012-12-02 17:02:01 | 美術展
 遠来の友とサントリー美術館のメンバー内覧に行ってきました。

 御伽草子から一転、クールなデザインの展覧です。

 こういった展覧が出来るのはサントリー美ならではの事と思います。

 連れの友はギャラリー関係者なので、
 デザインににもうるさいのですが、
 今まで見ていたガラスってのはどうもうさんくさく思えると
 言っていたのが印象に残りました。

 ガラスコレクションの美品を数々もっているサントリー美。
 見知った、見慣れた、その麗しさとは真逆で
 すっきりし端正な機能美フォルムに改めて降参するのでした。

 会場入るといきなり
 オーロラに揺れるスクリーンが現れて、あ~氷の国へきたんだと思い知ります。



 フィンランドガラスの18世紀から現代への変遷を辿りながら
 生活の用の美を展覧するようになっています。
 日本ではイッタラ社の製品が親しまれていますが、
 バカラとは違った、スマートな色使いや形に
 家にある下手ガラスを捨てたくなる衝動に駆られます。



 そして、夏に見たおもしろびじゅつ展の長いガラス照明ケースも
 現れて、嬉しくなります。

 実は、フィンランドのこと、余り知りません。
 この機会に氷の国、サンタクロースやムーミンだけの
 情報ではなく、もう少し身近に感じたいものです。



 用の美を彷彿するシンプルデザインは
 フィンランドの国の成り立ちにも影響があるようです。
 まだまだ新しい国、フィンランド。
 
 1930年代にようやく世界に知られるようになってきた
 フィンランドの生活用品、家具、陶器、テキスタイル。
 
 イッタラは
 「使い捨て主義に反する永遠のデザインというメッセージを掲げ
  生産を続けています。」
 
 この提言は実に耳が痛い言葉です。
 しかし、日本もようやく質のこだわり世代が生まれてきているように思います。
 安価で便利なものに走ると空しさがやってきます。

 タイムレスな時代を超えるもの、そういったクオリティの高い物に触れる
 目にする、良いチャンスだと感じました。

 ラストには今のフィンランドガラスを紹介していましたが、
 とってもキッチュで可愛いのでした。
 群れをなしたバードたち、沢山のお客さんを待っています。

 会期は来年1月20日まで。
 新春の清々しい気分も味わえそうです。

サントリー美サイトはこちら

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