時は19世紀末、フランスでジャポニズムの時代にルーブル美術館勤務の熱烈東洋ファンの学芸員によりアジア美術部門が設立されたのだが、
そこはやはりフランスだ。
アジアという地域の部門をこのルーブルに置くことに対し、反対の意見が合ったこともあって、1889年にパリに開館した、ギメ東洋美術館に移管することとなったのだ。
ギメは、1836年生まれ、1876年に訪日し、各地を回り、河鍋暁斎とも出会う。
アジア文化に心酔した彼は、帰国してから、この東洋美術館設立に心血を注いだ。
その中でも浮世絵コレクションは、5000点にも上る。
日本ではまったく価値の低い浮世絵であったが、
パリには日本人の浮世絵商なる人がいて、彼を窓口として、収集したものも多数あるらしい。
その充実ぶりにはただ驚く。
浮世絵の歴史をほとんど網羅しているのだ。
去年パリで、太田記念美術館所蔵の浮世絵展があった。
その時、偶然紹介された一幅の龍図に太田美術館副館長が驚いた。
館蔵の虎図と同じ表装の布が使われていることに気がついたのだ。
はたしてこの二幅絵は対の物とわかり、
なんと百年ぶりのご対面をこの日本、
表参道の太田記念美術館で果たすことができたというわけだ。
さて、その辺までの講義の内容を頭の隅っこに入れつつ、現場を訪れた。
去年、渓斎栄泉の浮世絵の時とまったく様子が変わり、
入り口では記念撮影しているおばさん達がいるし、
館内は、沢山の人影がうごめいている。
それでも、なんとか一つ一つ丁寧に見ることが出来た。
2階は床が抜けるのではないかと心配してしまった。
今回の感動は、
まずは、歌麿の絵がとてもすばらしいと思えた。
彼の作は、やはり美人画につきるのだが、
他の人の絵とは何とも醸し出す空気が違って見えた。
しっとり、優美で、しなやかで、あでやかなのだ。
また、無線空摺のすばらしさがよくわかった。
「三保の松原道中」のなんともいえぬ優雅な道中。見惚れました。
鳥橋斎栄里の「江戸花京橋名取り(山東京伝)」もよかった。
山東京伝って、案外いい男だったんだなぁと。
そして、写楽の役者絵をとんでもなくきれいな状態で見られた。
雲英摺りのなんとも美しい状態。
ぼうっと明かりが灯っているようだ。
とても丁寧な仕事をしているようだった。
どれもいい表情をしている。
広重の空摺りのすばらしい絵と出会う。
「花菖蒲に白鷺」菖蒲の色と、白鷺はすっかり空摺りで、線書きもない。
ただくちばしに色がさしてあるだけ。広重、花鳥画上手いのだった。
というか、私好み。
後は、もう北斎御大。
龍虎の百年目のご対面もめでたく拝見。
他にも、重厚なごってり怪しげな空気が溢れていた。
他、版本があって、それが面白かった。
2月に入れ替えがあって、そこにも英泉や、写楽、歌麿、北斎、色んな優品が出るのだから、行かなくてはしょうがない。
B1に行けば、今回のギメ美術館のビデオが10分程度紹介されて、
それも興味のある物だった。
ショップでは、楽しいグッズが勢揃い。
ガマンして、そうとう凄いポチ袋になった役者絵を見つけて購入。
ん~~~そうとう熱気溢れる展覧会だ。
次回、2月にも来なければならない。
大阪にも行きたくなる。
まったくもって、浮世絵の魅力たるや、
庶民の娯楽の壺にまんまと百年ぶりにひっかかっちまったのかもしれない。
それと、もう少し浮世絵のこと勉強しなければ。
こういう楽しいお勉強はもっと頭が元気なうちにやっときゃよかったなぁ~
ということで、ギメ体験でした。次回もあるかもせれませんが、とりあえず。
画像は、片岡珠子女史の画集より。北斎の絵です。
そこはやはりフランスだ。
アジアという地域の部門をこのルーブルに置くことに対し、反対の意見が合ったこともあって、1889年にパリに開館した、ギメ東洋美術館に移管することとなったのだ。
ギメは、1836年生まれ、1876年に訪日し、各地を回り、河鍋暁斎とも出会う。
アジア文化に心酔した彼は、帰国してから、この東洋美術館設立に心血を注いだ。
その中でも浮世絵コレクションは、5000点にも上る。
日本ではまったく価値の低い浮世絵であったが、
パリには日本人の浮世絵商なる人がいて、彼を窓口として、収集したものも多数あるらしい。
その充実ぶりにはただ驚く。
浮世絵の歴史をほとんど網羅しているのだ。
去年パリで、太田記念美術館所蔵の浮世絵展があった。
その時、偶然紹介された一幅の龍図に太田美術館副館長が驚いた。
館蔵の虎図と同じ表装の布が使われていることに気がついたのだ。
はたしてこの二幅絵は対の物とわかり、
なんと百年ぶりのご対面をこの日本、
表参道の太田記念美術館で果たすことができたというわけだ。
さて、その辺までの講義の内容を頭の隅っこに入れつつ、現場を訪れた。
去年、渓斎栄泉の浮世絵の時とまったく様子が変わり、
入り口では記念撮影しているおばさん達がいるし、
館内は、沢山の人影がうごめいている。
それでも、なんとか一つ一つ丁寧に見ることが出来た。
2階は床が抜けるのではないかと心配してしまった。
今回の感動は、
まずは、歌麿の絵がとてもすばらしいと思えた。
彼の作は、やはり美人画につきるのだが、
他の人の絵とは何とも醸し出す空気が違って見えた。
しっとり、優美で、しなやかで、あでやかなのだ。
また、無線空摺のすばらしさがよくわかった。
「三保の松原道中」のなんともいえぬ優雅な道中。見惚れました。
鳥橋斎栄里の「江戸花京橋名取り(山東京伝)」もよかった。
山東京伝って、案外いい男だったんだなぁと。
そして、写楽の役者絵をとんでもなくきれいな状態で見られた。
雲英摺りのなんとも美しい状態。
ぼうっと明かりが灯っているようだ。
とても丁寧な仕事をしているようだった。
どれもいい表情をしている。
広重の空摺りのすばらしい絵と出会う。
「花菖蒲に白鷺」菖蒲の色と、白鷺はすっかり空摺りで、線書きもない。
ただくちばしに色がさしてあるだけ。広重、花鳥画上手いのだった。
というか、私好み。
後は、もう北斎御大。
龍虎の百年目のご対面もめでたく拝見。
他にも、重厚なごってり怪しげな空気が溢れていた。
他、版本があって、それが面白かった。
2月に入れ替えがあって、そこにも英泉や、写楽、歌麿、北斎、色んな優品が出るのだから、行かなくてはしょうがない。
B1に行けば、今回のギメ美術館のビデオが10分程度紹介されて、
それも興味のある物だった。
ショップでは、楽しいグッズが勢揃い。
ガマンして、そうとう凄いポチ袋になった役者絵を見つけて購入。
ん~~~そうとう熱気溢れる展覧会だ。
次回、2月にも来なければならない。
大阪にも行きたくなる。
まったくもって、浮世絵の魅力たるや、
庶民の娯楽の壺にまんまと百年ぶりにひっかかっちまったのかもしれない。
それと、もう少し浮世絵のこと勉強しなければ。
こういう楽しいお勉強はもっと頭が元気なうちにやっときゃよかったなぁ~
ということで、ギメ体験でした。次回もあるかもせれませんが、とりあえず。
画像は、片岡珠子女史の画集より。北斎の絵です。
痛切に思いました。
絵とは関係ありませんが、あそこの地下のてぬぐい
屋さん。大好きです。
全国の観光地で土産のように売っていますが、実は
東京が本店だったのですね。
手ぬぐいと、ぽち袋に目がないのです。
・・・ということで、明日は、上野あたり行って、
浮世絵のコーナーをしっかり見てこようと思います。
ついでにいろいろあるし、全部廻ると大変だなぁ・・とは思うんですが、疲れない程度に行ってきます。
コメントとTBをありがとうございました。
展覧会も素晴らしかったのですが、
地下のてぬぐい屋も良かったですよね。
(そちらの方にじっくりと時間を費やしたかもしれません…。)
4回の展示替えの全てを拝見するのは難しそうですが、
後期もまた行ければ良いなと思います。
はろるどさまも、てぬぐいお好きなんですね。
浅草仲見世のてぬぐいやさん、行かれましたか?
我が家では、相国寺で買った、若冲の龍図てぬぐいを飾っています。
デザインがかっこいいと、つい、なびいてしまいます。
大田美術館、今年は気合入ってますね。
白鷺の羽の繊細な白線はこの世のものとは思えませんでした。
ありがとうございました。
白鷺、きれいでしたでしょ???
空摺と言えば、窪俊満という絵師の花鳥図を東京博物館で見ました。
とらさまのブログをようやくブックマークにリンクさせて頂きました。
これからもヨロシクお願い致します。
熱心で、丁寧なブログにいつも敬服しつつ、
勉強させて頂いております。
浮世絵が楽しめた時代にも行ってみたいです。
太田記念はそろそろ混雑してきましたかね。
履物いれがマンパイになるほどですか?
なかなかよい空気が醸し出ているので、行きたいなぁと思っていたところでした。
タイミングのよいコメントに驚いています。
太田記念は、私が行った時は既に土足可になっていました。今どうなっているでしょう?
美術鑑賞も水物だなぁと思ってしまいますね。
でも、旬ってのもありますしね。悩ましいです。