阿部ブログ

日々思うこと

タピオカとキャッサバ

2019年11月09日 | 雑感
今、女性を中心として人気を博しているタピオカは、熱帯・亜熱帯地域で栽培されているキャッサバ(Manihotesculenta:マニホット・エスクレンタ)が原料である。キャッサバは、世界8億人の主食で栽培に手間もかからず,痩せた土地でも栽培できるため主に熱帯地域で生産されている。タピオカはカロリーが高いのだが、その点はあまり気にせずに食されているようだ。

このキャッサバの生産量は、この30年の間に倍増している。理由の一つは、キャッサバは、他の穀物なら育たない環境でもそれなりの収量があり、仮に肥沃な土地であれば、驚異的な収量を得ることができる商品作物である。国連食糧農業機関FAO によれば、1978~2008 年までの30年間で総生産量を1.23億トンから2.33億トンに増加している。これは、大豆(206%)、サトウキビ(125%)、トウモロコシ(109%)に次ぐもので、コメ(78%)や小麦(55%)を軽く凌駕している状況だ。
それと、キャッサバが重要な理由は、日本で消費されるデンプンの80%はキャッサバが原料であり、この殆どはメコン流域圏からもたらされているのだ。だが、このメコン圏には、キャッサバの天敵が存在し、損害が半端ないのだ。キャッサバの天敵は、外来のキャッサバコナカイガラムシ(Pseudococcidae)である。2009年には、タイにおけるキャッサバ生産量の3割に影響を与え大減産となった。その後、キャッサバの天敵は、ラオス、ベトナム、カンボジアに拡大した。
また、天敵以外でも、キャッサバてんぐ巣病(CassavaWitches’Broom)が蔓延しておりキャッサバの生産に大きな影響を与えている。原因は、メコン圏における経済開発が進み、ヒト・モノが大規模に移動する悪しき地域圏のグローバル化がある。

私見だが、今後は、分散化したブロック経済圏が蔓延ることになると考えている。

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