阿部ブログ

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北朝鮮の核実験と監視&観測

2012年04月12日 | 日記

韓国メディアによると北朝鮮は弾道ミサイル発射と平行して核実験の準備を進めていると報道している。
北朝鮮の核実験については、WC-135W「コンスタントフェニックスで監視する事となる。

WC-135Wによる核実験の測定は、核実験が行われるであろう北朝鮮の地下施設11カ所の気象条件から最適な測定位置を算定し、WC-135Wをその空域に配置する事となる。

北朝鮮の地下施設とは、平安北道の西位里地域、両江道の四洞地域、慈江道の下甲地域、平安南道の永徳洞地域など北朝鮮の北部地域である。それと平安北道の金倉里、咸鏡北道の豊渓里などが重点監視地域である。

さて核爆発を確実に検知するためには、核爆発の検知に有効な半減期が6時間から1000年の核種で、ガンマー線を放出する核分裂生成物46の核種と、放射化生成物42の核種を観測装置で捕捉する。
これら放射性核種のうち、特に不活性ガスの放射性キセノン(131mXe, 133mXe, 133Xe, 135Xe)をフィルター上に捕集し,Ge半導体検出器によるガンマー線スペクトロメトリーによって観測し測定される。

WC-135Wは、大気中の粒子状放射性核種を気象条件を勘案した空域において、フィルター(ポリプロピレン樹脂製等)を通して粒子状放射性核種を集する。捕集フィルターはフィルター面を移動させつつ、常に新しいフィルター面で粒子状放射性核種を捕集する。

新しい面で捕集を行っている間、捕集された粒子状放射性核種に含まれるウラン及びトリウム系列の短寿命の天然放射性核種であるラドンの娘核種の放射能を減衰させるため、速やかに冷却する。これがポイント。
冷却したフィルターを鉛遮蔽体のGe半導体検出器エンドキャップ部に巻きつけて、帰還後を測定するのだ。当該フィルターは,ポリエチレンシートに封入して保管される。

因みに粒子状放射性核種の測定装置は、米国製のRASA6とフィンランド製のCINDERELLAが一般的な観測装置である。

放射性キセノン測定装置としては、SAUNA(スウェーデン製)、SPALAX( フランス製)、 ARIX(ロシア製)など3種類の測定装置があり現在も使用されている。

WC-135Wが実装する粒子状放射性核種を捕捉するフィルターは、前述の半減期が6時間から1000年の核種の核分裂生成物46の核種と、放射化生成物42の核種の全てを測定する事が、機上の分析装置で可能で、その結果は速やかに最高レベルに報告される。

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