阿部ブログ

日々思うこと

富士川義之の「ある文人学者の肖像~評伝・富士川英郎」

2015年02月28日 | 雑感
富士川義之の「ある文人学者の肖像」を読了。いや、面白かった。
読んで感じたことは、要するに「父とわたし」と「晩年の父の記」を書き残したかったのだ。それと父英郎が終生敬慕の念を持ち続けた祖父富士川游について、そして曾祖父の習(すすぐ)を含めた富士川三代記がこの「ある文人学者の肖像」なのだ。
実は、富士川英郎の著作は結構持って愛読している。
                  
富士川英郎のリルケなどドイツ文学者としての研究には一切関心がない。あるのは、後半生の漢詩文と江戸期の詩人に関する業績だ。中村真一郎の三部作『頼山陽とその時代』、『蛎崎波響の生涯』、『木村蒹葭堂のサロン』の著作群に比肩する偉業だと思う。今でも上下二巻本の『菅茶山』は自分を圧倒する。
話は変わるがリルケと佐久間象山は似ていると思うがどうだろう?