フクロウは夕暮れに

接触場面研究の個人備忘録です

教えたいことと伝えられることのあいだ

2010-07-28 22:00:54 | today's seminar
今日は授業実習、最後の反省会。18本、エスキモーのアイスを持っていく。

全員集まって、一人ずつ出来たこと、出来なかったことについて話してもらう。

結局、今回の実習では、とくに後半はニーズ分析から学習者の実践領域を割り出して、授業活動を考え、さらに教材作りをするという作業をやってもらったために、その準備がたいへんで、ゼミでもそこからさらに授業活動案がうまく計画されているかどうか、教室で教師としてのどのように行動すべきか、などほとんど検討出来ないまま、授業に向かうしかなかった。だからそれは十分な練習もないまま戦場に兵士を送る訓練官のように、やや忸怩たる思いがある。

それでも学生達は失敗しながらもいろいろなことに気がつくようになっていて、「学習者と一緒に授業を動かしていく感覚」を少しは感じてくれたようだし、「教えたいことと伝えられることのあいだをどのように埋めて解決していくか」(いずれも学生の言葉)に苦しみながらも醍醐味を見つけてくれていたようだった。最後の授業評価アンケートでは「達成感いっぱい」ということばが何よりも救いである。

僕自身、「真面目な日本語教師養成者」ではないので、細かいことよりは授業を準備するときのポイントや、学生と対するときに忘れてはいけない基本的な姿勢とか、要するに役割を担いながら相互に投射し解釈していくコミュニケーションのリアルさを感じ取ってもらいたいというだけだったのだが、そのへん感じてくれた人がたぶん何人かいたかなと思っている。

そうそう、リアルと言えば。学習者に学生達が作った実習授業評価をしてもらったが、ビジターセッションについて「とてもリアル」と感想を言っていた学習者がいて、やはりこれも苦労した甲斐のある試みだったのかなと思う。

とりあえず(こればかりな気がするけど)、2年ぶりの授業実習、これで終了である。
コメント
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