礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

ラクエル・ウェルチさんと映画『ミクロの決死圏』

2023-02-22 03:00:14 | コラムと名言

◎ラクエル・ウェルチさんと映画『ミクロの決死圏』

 インターネットの時事通信ニュース(一六日配信)で、女優のラクエル・ウェルチさんが、今月の一五日に亡くなったことを知った。同ニュースによれば、『ミクロの決死圏』など三〇本以上の映画に出演し、代表作『恐竜100万年』では「野性的でセクシーな衣装」が話題となったという。
『恐竜100万年』という映画は、まだ観たことがない。しかし、「野性的でセクシーな衣装」のことは知っている。映画『ショーシャンクの空に』(ワーナー ブラザーズ、一九九四)において、その「野性的でセクシーな衣装」をまとったラクエル・ウェルチさんの「ポスター」が、非常に印象的な形で登場していたからである。
『ミクロの決死圏』(20世紀フォックス、一九六六)は、以前、何度か観たことがある。訃報を聞いて、DVD(20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン)を取り出した。以前、観たときは、不自然な部分が気になって、あまり感心しなかった。しかし、今回、改めて鑑賞してみると、なかなかの労作であり、また傑作だと思った。
 困難なミッションを与えられて、潜水艇に乗りこんだ五人のクルー。予期せぬ事態、予期せぬトラブルが、次から次へと発生する。視聴者をハラハラさせながら、最後まで引きつけてゆく。そうした魅力、そうしたサービス精神が、この映画にはある。
 ラクエル・ウェルチさんが演ずるのは、「手術」を担当するデュヴァル博士の助手コーラである。知的にして冷静な助手という役であって、ことさら「肉体美」を強調しているわけではない。クルーの中で唯一の女性として、男性クルーと対等な立場で、命がけで危機的状況に立ち向かっている。最もおいしい役どころを彼女はもらった、と言えるかもしれない。

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