◎『社会新辞典』の中の難訓語
一昨日のコラムで、カワウソについて書いたところ、その日に限って、アクセスが多かった。
同日のコラムでは、『社会新辞典』(一九〇六、郁文館)という明治後期の辞典に言及した。この辞典は、今日の私たちから見ると、「難語難訓語」の宝庫である。たとえば、次のような語句がある。ためしに、お読みになれるかどうか、挑戦していただきたい。
1 十六島
2 小凝菜
3 仮漆
4 枸櫞油
5 苦土
6 鉄丹
7 鳳梨
8 鸚哥
9 川粘
10 魚狗
11 白鑞
12 石黄
13 爆裂丸
14 扁桃
15 衝角
正解は以下の通り。
1 うっぷるい
2 いぎす
3 わにす
4 れもんゆ
5 まぐねしあ
6 べんがら
7 あななす
8 いんこ
9 かわねば
10 かわせみ
11 しろめ
12 しおう
13 かんしゃくだま
14 あめんどー
15 らむ
こういう問題は、いくらでも作れるのだが、あまりに「難字」が多く、このブログでは、入力に限界があるのが残念である。同辞典については、機会を改めて、また紹介させていただきたいと思う。
今日の名言 2012・8・31
◎天然記念物にしただけではダメ
ニホンカワウソを20年以上追い続けてきた高知大学名誉教授・町田吉彦さんの言葉。本日の東京新聞「こちら特報部」欄より。町田さんによれば、ニホンカワウソは、1964年に国の特別天然記念物に指定されたという。しかし、「指定後も保護は進まなかった」という。養魚場で魚を狙うカワウソを殺すのは、公然の秘密だったという。カワウソは、国の不作為によって絶滅したという面は否定できないだろう。なお、同欄記事によれば、カワウソは、1928年に捕獲禁止になったとある。インターネット上にもそういう記述があるが、根拠が示されていない。まさか、インターネット情報をそのまま記事にしたのではないとは思うが、できれば、どの役所がどのような禁令を出したのかという説明がほしかった。