ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

斜面にけなげに咲いたひと株のキクザキイチゲに…

2011-03-14 21:53:21 | 草木花
地震・津波の日から、テンションが上がらない。
あれだけ悲惨な映像を見ていると、自分が巻き込まれたらと思うと生きた心地がしない。
しかし、現実にそういう事態に巻き込まれてしまった人々が何万といたことを思う。
自分がこうして、ここでなんてことない暮らし、相変わらずの暮らしをしていることが幸運というより、申し訳なくさえ思う。
以前と変わらず、食べて寝てが当たり前にできる。
食事をしながら、自分たちがそのことを当たり前にできることに罪深ささえ感じる。

昨日、そんな思いで憂鬱になり、外に出てみた。
外は、晴れていた。
空が青かった。
陽ざしも暖かかった。
少しでも気分を晴らすために、今年初めて外を走りに出た。
いつも走る潟の周辺には、まだ雪が残るところもあった。
雪道や解けかかったぬかるんだ道を走っているうちに、ジョギングシューズから水がしみてきた。
気分はかえって、ぐちゃぐちゃか?
そう思いながら、ふと思いついて横道に入り、昨年の今頃、キクザキイチゲを見つけた辺りをうろついた。
あった。
斜面に、ねじれながらも倒れながらも花を咲かそうとしているキクザキイチゲが。
去年見つけた斜面の周辺には雪も残っていたけれど、そこだけ日当たりが良かった。
ひと株だけキクザキイチゲが、花びらを開きかけていた。
万歩計代わりに使っていた携帯電話を取り出し、カメラにして撮影した。

春の花が咲き始めた。
春が来る。
つらいことがあっても、春はいつもと変わらずそこまで来ている。
生きている人には、誰にでも、春が来るはずだ。
少しだけ、心にも日が差し込んだ。
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