妻と娘が中心になって、家の中の整理・片付けをやっている。
娘は、20年以上前の専門学校生だったときのものから、高校・中学校時代のものまで、いろいろと捨てまくっている。
妻は、大学から帰って以降10数年たってしまった息子のものを、残すか捨てるか、徹底的に整理分類している。
私も、自分のものを少しずつ。
そんなことをしていると、時々家族にとって懐かしいものが出てくる。
子どもたちが小学生で、まだ母が元気だったころ、家族で北海道に行ったことを夏休みの自由研究にしてまとめた、息子の旅行記なんかもあった。
長年の積み重ねで写真がくっついてしまって、よく見られなかったのがあったのは残念だった。
それにしても、息子のものは、何でも取ってあるからいろいろなものが出てきてあきれてしまう。
そういう姿を見ていると、自分も捨てるのが下手で、片付けができない人間だったなあ、と思い出してしまう。
いや、思い出すどころか、今でも片付けは苦手なのだが。
それでも、「終活」を考えて、少しは片付けられるようになってきたが、まだまだ物があふれている。
さて、そんな作業をしながら妻が見つけてきたのが、この古いカード。
母の日用のカード。
中を開けてみた。
おふくろさん:
いつも心配ばかりかけています
全くいつまでも成長しない息子です
もう東京 3年目。
京都から 4年目。
成長しない息子も体だけはおおきくなりすぎ
心と体が一致しません。
それでも少しは大人びてきている…(と思う)
だけど
まだまだ
頼りにしてます お母さん!!
体をこわさないよう、
ますます元気で毎日を!!
21歳になっても
相変わらずのバカ息子より
青いインクで行は右下がり。
内容のつまらんこと。
いやあ、21歳の大学生なのに、この程度しか書けないとは、ホント、バカ息子だわ。
名誉のために言うと、これを書いたのは、ウチの息子ではない。
これを書いたのは、…実は、46年前のワタシなのだ。
いやあ~、その稚拙さに恥ずかしくなった。
こんなカードを書いて母に贈ったことは、さすがに全く覚えていない。
文章から、成人しても、親にまだまだ甘えっぱなしの人間だったのがよく分かる。
でも、この程度の21歳だったのだよな、私。
片付けをしながら、いろいろなものが見付かる。
そのたびに、いろいろ思い出したり思ったり。
自分の人生に関わった人や物、いろいろあったなあと感慨にふけっている。
時は、このカードのように恥ずかしい思いをしながら…。