ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

走って汗をかき花を見て、ほんの少しだけ癒された思い

2024-04-22 21:36:20 | RUN

どうにも、もやもやした思いが吹っ切れない。

自分が努力して吹っ切れるものなら、吹っ切れるように努めるのだが、そのたぐいのもやもやではない。

少しでも払拭したくて、走りに出ることにした。

走りといっても、今はジョギングでしかないのだが。

 

そして、気を紛らわすには、自分の場合、やっぱ花見が最適なのだ。

そこで自然の中で咲いている花たちに会いながら走る、という方法を選んだ。

 

気が重いと、体も重く、足取りも重い。

ひいこらするほどの速さではないのに、最初の2kmほどは、なんでこんなに進まないんだ!?…という思いで、グダグダだった。

 

最初に見かけたのは、ツツジの花。

陽当たりがそんなにいいとは言えない場所なのに、がんばって咲いていた。

そうか、もうツツジが咲く季節を迎えているのだなあ。

 

もう少し行くと、オオイワカガミの花がこちらを見つめていた。

もう自分たちの季節だよ、と言っているようだった。

 

だけど、見たかった花のイワナシは、もう花期を過ぎていた。

花が茶色く枯れていたり、もう実になっていたりで、花を見つけられなかった。

 

時間が過ぎる、季節はめぐる。

人の都合なんか全く関係なく、植物のありようは変わっていく。

 

ここでは、桜の花がまだ咲いていた。

ソメイヨシノではなく、山桜に近い種類の桜なのだろう。

葉もあるが、花はまだまだきれいだった。

 

桜の花を見ると、亡くなる前の年に入院していたときの母を思い出す。

「きれいな桜を見せてもらったよ。」

看護師さんの押す車椅子で、病院のそばの満開の桜を見せてもらいに行って帰ってきたときの穏やかな笑みは今も忘れることができない。

あれから、もう20年になるのか。

その母を見送ったわれわれが、「られる」方になる時も近づいているのかもしれない、などとも考えた。

 

そんなことを考えたせいか、白菊ならぬ「白オオイワカガミ」が見つかった。

まったく…。

 

母のことや人生を思いながら、山野に咲く花を見ながらの走り。

人の命には限りがあるし、植物も花を咲かせ実をつけてやがて枯れていく。

しかし、植物は、その種類によっては、その場を動かずにまた次の年に美しい花を咲かせて生きていく。

考えようによっては、野草は、人より強いのかもしれない。

そんなふうに、命のことまで考えながらの7kmジョグRUNになった。

 

もやもやした気持ちが吹っ切れはしなかったが、汗をかき花を見て、ほんの少しだけ癒された思いがした。

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「いつか君が運命の人 THE CH... | トップ | 特別な山野草たちの花見に、... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

RUN」カテゴリの最新記事