マッタリ風景

散歩写真と戯れ言のブログ

ジレンマ

2010年11月07日 | 戯言





雲ひとつない、青空が一日広がりました。
「日本晴れ」「小春日和」と言う表現がぴったしの一日でしたね。
今日は、陽ざしが結構強くて、外で少し作業をしたら、汗ばむ陽気でした。

今日は、ジレンマでした。
この天候が、昨日と逆になってくれれば、ベストだったんですが。
この空模様ですから、もみじ狩り撮影には最高の条件です、でも出かけられなかったんです。理由は、午後から、講演会へ行く予定だったからです。
まあ、講演会をすっぽかして、もみじ狩り撮影へ行っても良かったんですが、講演会の魅力には勝てませんでした。

講演会は、豊栄図書館が主催したものです。
講師は「今森光彦」氏、お題は、”新潟市立豊栄図書館開館10周年記念事業「私の見てきた身近な自然」”です。
図書館主催の講演会なのですが、会場は「ビュー福島潟」と言う、少し不思議な感じがする講演会です。

会場は、ビュー福島潟6階展望ホール、募集人員は100名でした。
プログラムは、午後2時から、講演が1時間30分ほど、その後は質疑応答とサイン会(今森さんの著作が展示販売されていました)という内容です。

私にとって、今森光彦さんは里山をモチーフにした、風景写真家という刷り込みがあります。
したがって、里山の風景写真を中心とした話になるのかなと予想したんですが、写真の話はほとんど無しでした。

今森さんは、滋賀県生まれ。生まれ故郷の、琵琶湖を望む田園地帯(棚田が広がる素晴らしい環境でした)へアトリエを構えて、色々な活動をしています。
講演は、小学校時代に採ったニゴロブナ(琵琶湖の固有種)の話から、その後の開発で琵琶湖の生態系がどれだけ破壊されたかで始まりました。
破壊されてゆく生態系の話は、正しく「私の見てきた」を強く感じさせる内容です。
非常に中身の濃い講演会でしたので、私のスキルでは要約することができません。
その中で、「里山」について感銘を受けた部分を書いてみます。

里山=人が作った複雑な生態系である。

里山を守ると言うことは、まずは住んでいる人(農村)を守ることが必要である。住んでいる人を守れば、里山の生態系を守ることになる。

(普通に見ることのできる)当たり前の生態系が、当たり前存在する環境が貴重である。例えば、秋になれば普通にアキアカネを見ることができる環境が貴重だ。

里山を守るためには、里山を利用して収穫される食べ物に高い価値を認めるシステムが必要だ。
棚田で収穫されるコメ、里山の木で栽培されるシイタケなどの農産物に価値を認めて、高い価格で取引するシステムである。
里山の農産物に高い価値を認めるシステムができれば、里山を守っている人が生活できる、その結果として里山を守ることができる。

子供時代に、普通に見ることのできた自然が、過去の歴史になりつつある現在の状況を見るにつけ、考えさせられる講演会でした。


上の画像は、午前中に近所の小学校と公園で撮影した、秋風景です。
真っ青な空に、黄色く色づいたイチョウの組み合わせが素晴らしかったです。
下の画像は、講演会へ行った前後に、福島潟の様子を撮影したものです。
雲ひとつない青空を、鮮やかなオレンジ色に染めて、太陽が沈んでゆきました。

もみじ狩り撮影か講演会かの、ジレンマの一日でしたが、講演会を聴いてよかったと思います。















コメント
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