判決による登記の名変の省略不可☆不動産登記
原告 犬山犬尾
被告 猫田猫子
「被告は原告に対し別紙目録不動産につき所有権移転登記手続をせよ」
猫田猫子の
登記簿上の住所は「鹿児島市○○○○」
現在の住所は「福岡市早良区○○○○」
判決に基づく所有権移転登記の前提として、猫田猫子の住所の名変登記は省略できるか??
登記名義人表示変更登記の省略は不可!!!
よって、原告犬山犬尾が、被告猫田猫子に代位して、所有権移転登記の前提として、名変登記をすることが必要(>_<)
登記名義人表示変更登記の省略の可否(登研611号)
要旨 判決による所有権移転の登記を申請する場合において、申請書に添付された判決正本に登記義務者である被告の住所として、登記簿上の住所と現住所が併記されているときであっても、その前提として登記名義人表示変更(更正)の登記を省略することはできない。
問 判決による所有権移転登記を申請する場合において、原因証書である判決正本に、登記義務者である被告の住所として、登記簿上の住所と現住所が併記されているときであっても、その前提として登記名義人表示変更(更正)の登記を省略することはできないと考えますが、申請書に登記義務者の登記簿上の住所を記載すれば、これをする必要がないとする見解(質疑応答登研427号102頁)もあることから、いかがでしょうか。
答 登記名義人表示変更(更正)の登記は省略することができないものと考えます。
登記名義人表示変更登記の省略の可否(登研429号)
要旨 判決による所有権移転の登記を申請する場合において、登記義務者の住所の表示が登記簿の表示と相違しているが、申請書に添付の判決正本に登記簿上の住所が併記しているときであっても、右登記の前提として住所変更(更正)の登記を省略することはできない。
問 判決によって所有権移転の登記を申請する場合において、登記義務者の住所の表示が登記簿に記載されている住所と相違しているが、判決書の正本には、登記簿上の住所も併記されているので、このような場合には、便宜、判決による登記の前提としての登記名義人の表示変更(更正)の登記を省略しても差し支えないと考えますが、いかがでしょうか。
答 前提登記を省略することはできないものと考えます。
ついでに%(T_T)
*登研611号171頁質疑応答〔7671〕により回答変更。
判決による登記の登記義務者の表示(登研427号)
要旨 判決による登記を申請する場合において、当該判決に登記義務者である被告の住所と登記簿上の住所が併記されている場合には、申請書に登記義務者の登記簿上の住所を表示すれば足りる。
問 (一) 判 決
当事者 ○市○町○番地 原告甲
(注1) (登記簿上の住所)△市△町△番地
被告乙
(注2) 現在の住所 ×市×町×番地
主 文
被告は原告に対し別紙目録不動産につき所有権移転登記手続をせよ。(以下省略)
右のような判決を原因証書として、甲から所有権移転登記を申請するとき、申請書の登記義務者の住所を(注1)のとおりとすれば、前提として乙の住所変更(更正)による所有権登記名義人表示更正(変更)の代位登記をする必要はないと思うがどうでしょうか。
(二) また、当事者は右と同じで
主 文
被告は原告に対し別紙目録不動産につき○○法務局昭和○年○月○日受付第○○号の抵当権登記の抹消登記手続をせよ。(以下省略)
とある判決を原因証書として、甲から抵当権抹消登記を申請するとき、申請書の登記義務者の住所を(注1)のとおり記載すれば、乙の住所変更(更正)証明書を添付する必要がないと思うがどうでしょうか。
答 (一)、(二)ともに御意見のとおりと考えます(参考―登研350号33頁)。