根抵当権変更:債権の範囲の変更☆不動産登記
被担保債権の範囲の変更登記は、「根抵当権者が権利者、設定者が義務者」となって申請する。
BUT 被担保債権の範囲が縮減されることが形式的に明らかな場合は権利者義務者が逆転するので要注意!!
これによって、義務者に準備してもらう添付書類の「印鑑証明書&識別情報(権利証)」が変わってくるので間違えないように!!!
【縮減が形式的に明らかな場合の申請人】
設定者 が 権利者
根抵当権者 が 義務者
【縮減が形式的に明らかな場合の例】
「変更前」 → 「変更後」
証書貸付取引 当座貸越取引 → 証書貸付取引
銀行取引 → 手形貸付取引
売買取引 → 電化製品売買取引
相互銀行取引 手形債権 小切手債権 → 銀行取引 手形債権 小切手債権
*登記研究432P128、497P141
【縮減が形式的に明らかではない場合】
通常通り「根抵当権者が権利者、設定者が義務者」で申請(^^;)
銀行取引 手形債権 小切手債権 → 信用金庫取引 手形債権 小切手債権
信用金庫取引 手形債権 小切手債権 → 銀行取引 手形債権 小切手債権
銀行取引 手形債権 小切手債権 → 信用組合取引 手形債権 小切手債権
証書貸付取引 当座貸越取引 → 銀行取引
今回のケース
平成16年月日に「わんわん相互銀行(消滅会社)」が「にゃんにゃん銀行(存続会社)」に吸収合併されている。
H24年月日に「犬山商事株式会社(消滅会社)」が「猫山商事株式会社(存続会社)」に吸収合併されている
登記簿には、1番根抵当権があり、次の記載あり
所有者「犬山商事株式会社」
根抵当権者「わんわん相互銀行」
債務者「犬山商事株式会社」
債権の範囲「相互銀行取引 手形債権 小切手債権」
登記は4連件
↓
4-1 所有権移転
*合併による犬山商事株式会社から猫山商事株式会社への所有権移転
4-2 1番根抵当権移転
*合併によるわんわん相互銀行からにゃんにゃん銀行へ根抵当権移転
4-3 1番根抵当権変更
*合併による犬山商事株式会社から猫山商事株式会社へ債務者変更
4-4 1番根抵当権変更
*債権の範囲の変更
範囲は、次の記載に変更することに
「銀行取引 手形債権 小切手債権
平成16年月日合併によりわんわん相互銀行から承継した債権
平成24年月日合併前の存続会社猫山商事株式会社に対する債権」
よって
今回は「相互銀行取引 → 銀行取引」 に変更されているが、その他にも変更点があるので、
縮減が形式的に明らかとはいえず
通常通り「根抵当権者(にゃんにゃん銀行)が権利者、設定者(猫山商事株式会社)が義務者」で申請