3104丁目の哀愁と感傷の記録

日々生きてます。自分なりに。感じた事を徒然に書きます。素直に。そんな人間の記録。
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北欧の旅 ―2日目:スオメンリンナ島&ヘルシンキ巡り編―

2012-01-08 17:45:49 | 
2011年12月31日

フィンランドの2日目。今回の北欧旅行中、間違いなくこの日が一番ハードだった。

旅程を思い出すために、デジカメを見直したらぞっとした。
よくもまぁ、こんなに回ったもんだよ。しかもこの日はアレがあるでしょ。そりゃ疲れるって…


とういうことで、朝は普通に6時くらいに起きて、ホテルでリッチな朝食。
外はまだ深夜の如く真っ暗である。

ホテルから少し歩き、ヘルシンキの名物、トラムに乗り込む。
ヘルシンキの町中はバスのようにトラムと呼ばれる路面電車が走っており、このトラムが要所要所を結んでくれているのである。
しかも、ロンドンのオイスターカードに引き続き、今回もトラムを24時間乗り放題のカードを持っていたので、トラムには大変にお世話になった。
無事にお目当ての3Tという路線に乗ることができた。

ただ、当然だが乗り場の名前は全てフィンランド語で表示されるため、読めない…

Ylioppilastaro…

ん? イリオッピラストロ…??

Kauppakorkeak… 

ん? カウッパコーキーク?

で、降りる場所は…  Kauppatori カウッパトリ??

必死に次の降り場の名前が表示される電光掲示板を凝視し続ける。


向かうはヘルシンキの東、マーケット市場。
このマーケット市場からは世界遺産であるスオメンリンナ島へのフェリーが出ているのである。

何とかKauppatoriに到着すると、丁度日の出の時間帯であった。真っ暗なそらが徐々に青くなり、オレンジ色の太陽との絶妙な配色を見せてくれていた。加えて、時間帯が早かったためか、人が全くいない。マーケット市場の港沿いを、独り占めできた気分だった。

残念ながらフェリーは行ってしまった直後であった。丁度フェリー乗り場に到着したところで、フェリーは出向していった。

時間が40分ほど空いてしまったが、朝焼けの空とヘルシンキの港がなんともいえない雰囲気の景観を作り出してくれていて、全く暇することはなかった。散歩するだけでなんとも気分がいい。

近くにあるウスペンスキー大聖堂に足を伸ばして出向の時間に合わせて戻る。


フェリーに乗り込み真っ先にトイレを済ませ、二階のデッキに上がる。あんなに寒い中デッキに出ていたのは俺らだけであった。ちょっとちょろちょろしすぎ。
15分ほどでフェリーはスオメンリンナ島に到着した。

世界遺産スオメンリンナ島。ここはスウェーデン・ロシア戦争、クリミア戦争などで重要な舞台となった要塞群であり、4つの島からなる。
要塞というだけあり、至る所にかつての要塞の面影を残す城壁や大砲が点在する。

2時間くらいかけてゆっくりと世界遺産を散策した。
うーん、朝日がとても目に染みて気持ちがよい。

何よりもよかったのが、人が少なかったということ。帰りのフェリーでは溢れんばかりの人が乗り込んでおり、この時間でなくてよかったなーと胸をなでおろした。

城壁の重厚な歴史感、そして一方でとてものどかな生活観溢れる道。そして島を一望できる高台から望む景色。なんとも歩いていて気持ちがよい場所だった。

帰りにビジターセンターにてココアを飲みながら小休憩。ついでに記念品も購入する。

帰りのフェリーは混んでいた。フィンランド観光は遅い時間に始めるのが一般的なのかもしれない。何て言ったって暗いからね。朝早いと。

そしてマーケット市場を冷やかす、と思ったのだが、ここが思いのほか面白く、お金も時間もここで大分消費した。
やっぱり地元のマーケットって面白い!買い物するとこれぞ異国に来て買い物してるって気分になるんだよな。やっぱり免税店目当ての旅行は絶対できないな…

当たり前だが、朝は露店が一軒も出ていなかったのだが、朝の景色とは打って変わって活気に溢れていた。夏なんかはもっと熱気あるんだろうな。

食品に始まり、お土産屋、そしてフィンランドの伝統工芸品らしきものなど、バリエーションに富んでいるのが面白い。見ているだけでも一向に飽きない。
その中でも何より買い物意欲をそそられるのが、ニットやフェルトなどを使った、いかにもフィンランドらしい帽子、マフラー、バッグ、小物など。これは惹かれた。
しかも売ってるのが人のよさそうなおばあさんで、それがまたいいんだよな。
これいくら?って英語で聞いても英語分からなくて、なんとか筆談で数字を交わしながらたどたどしく会話する感じも面白かった。

昼飯は、ここのマーケットでサーモンプレートというボリューム満点の料理を購入。
これがまたたまらなく旨くて、最高だった。

昼飯も済み、朝行ったウスペンスキー大聖堂へ。中に入ったのだが、残念ながら尿意が襲ってきてそれどころではなかったのが残念であった。

トイレを終えるとこんどはヘルシンキの町のランドマーク的存在である一番有名であろう建物、元老院広場のヘルシンキ大聖堂へと向かう。

元老院広場はあのイベントのためか、特大のルービックキューブが設置してあり、まばゆい光を放っていた。ヘルシンキ大聖堂の前で記念撮影を終え、ショッピングの時間に。
ショッピングでは凄い奇跡が起こったんだけど、ここに書くことではないので割愛。
お互い別れて1時間の自由行動。待ち合わせはルービックキューブの前。

海外で待ち合わせて会うってなんか新鮮で面白いね…

トラムでヘルシンキ中央駅前(この辺がヘルシンキの中心街ね)に戻る。

昨日は真っ暗で何も見えなかったホテル付近の公園を暫し散歩。


そして時間は16時。ヘルシンキの旅でかなり楽しみにしていた場所へ向かう。
現代美術館キアズマ。デジタルアートを始めとして斬新なアートが多数展示されている。外観のデザインもかっこよく、とても楽しみであった。しかもデザインの本場北欧の美術館だからね。

意気揚々と入ってみると、何か違和感が… やたらと子ども、しかもかなりちっちゃい子が溢れんばかりにいる。何でこんなちっちゃい子がこんなにいっぱいいるのだろうか。まさか北欧はこんなちっちゃい時期から現代アートに慣れ親しんでいるのであろうか…

子どもの群れを掻き分け、受付で意気揚々とチケットを買いたいと申し出たところ…


今日は子どものためのエキシビションのため、一般の作品は何も公開していない、とのこと。だから今日はチケットなんて無いと。

一気に絶望感に埋もれた。

ちょっとだけ中を覗いてみたが、すぐに出てきてしまった。あの子どもで溢れかえる空間はちょっと耐えられなかった…へー、こんな展示をやることもあるんだという理解の気持ちを軽くオーバーしてしまい、非常に悔しい…

せっかくなので、ショップに行ってみる。
すると、美術関連の書籍が多数販売されており、見てるだけでますます見てみたかったという気持ちが強くなってしまった。


フィンランドにもう一度来る理由ができた。

キアズマめ、覚えてろよ。


ちょっと気分が下がったが、一旦ホテルに戻る。スーパーで夕飯を購入。昼飯がかなり重かったため、サラダとハムだけ。

ここからの時間がとてつもなくハードだった。
時間はまだ6時にもなっていない。ということはあと少なくとも6時間は起きていなければならないわけだ。

飯を食い、ポストカードを書き上げる。今日のこの時間で書かないとフィンランドでは出せなくなってしまう。疲労が一気に襲ってきて、眠気が半端じゃない…
しかも今日はあれが待っている。せっかくこの日に北欧にいるのだ。あれを見ずして寝てしまうには余りに勿体無い。けど明日は5時起き…眠い…

頭がぐらんぐらんする中、1時間半だけ仮眠をとることに決める。このちょっとの時間でも寝ておかないと体力がもたなかった。もう若くないな…


この寝起きもめちゃくちゃ辛かった。このまま寝ていたい。体が起きることを全力で拒否していた。

この眠気と疲労を一気に覚ますにはあれしかない!


サウナへと向かう。すっかりファンになってしまった。

サウナには人はまばらだった。もうみんなあれに向けて出かけてしまっているのだろう。サウナの窓からも既に花火が打ちあがり、あれが近いことを示唆している。

サウナに入ったら多少は元気になった。あとは燃えカスみたいな最後の体力を振り絞るだけだ。

今回の旅中最高に厚着をして、寒さ対策は万全。トイレも済ましてある。準備は整った。

トラムは比較的空いていたので、中央駅まで移動し、いよいよあの会場であるヘルシンキ大聖堂、元老院広場へと向かう。ここであれが行われる情報は仕入れていた。

大勢の人が一斉に広場へと向かう。広場でも既に大勢の人がいた。人ごみをすり抜けて場所を確保。まるでライブ会場である。11時30分くらいに到着した。丁度いい時間だ。

去年はロンドンのバー、The Swanであった。今年は北欧ヘルシンキであの瞬間を迎える。
楽しみでテンション上がってくる。


待っている時間はそんなに辛くは無かった。会場の熱気というか雰囲気で俺もどんどん興奮してきて、アドレナリンが出てきた。先ほどまでの眠気は吹っ飛ぶ。


そしていよいよ空気がかわった。ラストスパートなのだろう。

なんと真っ白なヘルシンキ大聖堂をスクリーンに、様々な映像が映し出された。
これが何ともかっこいい。あの大聖堂をキャンパスにしてしまうところがハイセンスだと思う。


待ちに待った瞬間が訪れる。

5…、4…、3…、2…、1……

周りのコールは数字のカウントも当然フィンランド語なので、今どこなのか分からなかったが、そんなことはどうでもいい。


花火が打ちあがり、群集の歓声。
その盛り上がりが想像以上に凄かった。
うん、あれだけ疲れてる中待っていた甲斐があった。あれを見ずして寝ていたらかなり後悔していただろうと、見終わってから思う。

周りの群集は国籍も言語も全く異なるが、あの瞬間だけは全員がひとつになる。


ということで去年のロンドンに引き続き、今年のカウントダウン&年明けはヘルシンキの元老院広場にて最高の映像とイベントを味わうことができたよ。

さてと、明日はコペンハーゲンに朝一で飛ぶため、5時おき…

気絶するように寝た。




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