3104丁目の哀愁と感傷の記録

日々生きてます。自分なりに。感じた事を徒然に書きます。素直に。そんな人間の記録。
since 2008.4.4

I was in the UK 5 ~二年ぶりの再会編~

2011-01-12 20:27:36 | 
いよいよ仕事が始まった。
意外と朝起きること自体は大して苦痛ではない。
しかし暫くすると、午前中に猛烈な眠気が襲ってくる。
まだ時差ぼけは継続中なのだろうか。
まあ、今週は普通にまっとうな生活を送ることになるのでなんとか社会復帰できたと言っていいと思う。

で、イギリス紀行も大詰めの5回目。
細かく書き過ぎて、はじめはどうなることかと思ったが、長かったこの旅行記も終わりが近づいてきた。

前回の続き。

異国で、それも英国Londonでのカウントダウンをし、新年を迎えた。
そしてこの日、毎朝のコンチネンタル朝食を終えて昨日送ったメールをチェックしてみる。

しかし、彼からの返信はまだなかった。まあ、昨日は大晦日でカウントダウンだ。PCを開いてる時間なんてなかったのかもしれない。

それは構わないのだが、さてどうしたものか。こちらも出かけなくてはならない。
という事で、“午後の3時に電話する。それで細かい待合場所等を決めよう”とメールをした。

そしてこの日はLondon近郊でとても有名な都市、Greenwich(グリニッジ)へ出かけることにした。
Greenwichは前回にイギリスに来た時も訪れたので、これが2回目。
Greenwichはご存知世界遺産に登録されている。
そしてその中でもGreenwichと言えばかの有名なOld Royal Observatory(旧天文台)であろう。あのGreenwich標準時刻。世界で最も正確な時間の前に立つことが出来る。
そして経度0°はこの天文台を中心に定められているのだ。つまりこの天文台に0°のポイントに立てば、体の半分は西半球、もう半分は東半球という珍しい状況になる。

前回訪れたときは夜だった。旧天文台に入ることが出来なく、経度0度の子午線を跨ぐことも出来なかった。まあその分、というか夜しか見れないそれを上回るほどの凄いものを見れたからよかったのだけれど。

ということで是非とももう一度訪れ、今度は子午線を跨いでみたいと思っていた。

London中心部から少し離れているGreenwichだが、tubeを駆使すれば比較的簡単に行くことができる、はずだった。

これは別にGreenwichに限った話ではないが、一本の線が運行休止になるだけでこちらは本当に多大な時間ロスになり、何より精神的疲労が大きい。
そう、振り替え運送だ。これが本当に曲者。日本でも面倒くさいのに、旅先ではきつい。しかも今回の旅行中結構頻発した。

たかだかGreenwichに行くだけなのにてんてこ舞いになった。その慌てふためく様子も併せて記しておく。

順調に行けば、GreenwichはDistrict lineのMonumentという駅に行き、そこでDocklands Light Railwayというモノレールに乗り換える。
このDocklands Light Railwayに乗ればPoplarという駅で一回の乗り換えるだけで着く。

けど順調に行かず、Docklands Light Railwayに乗って3駅くらい過ぎたところで、乗客が俺らを残して一気に全員降りていった。この段階で絶対怪しいなと思ったが、案の定、乗りたいGreenwich方面に向かうモノレールはストップしていた。

そのこの先が無い駅で、駅員のおっちゃんに尋ねると、“まずはWestferryという駅に行け。そしてそこから振り替え運行のバスに乗り換えろ。そしてそのバスでIsland Gardensという駅に行け”とのこと。凄く面倒くさい。
まずはそのWestferryに行き、バスを探す。どのバスに乗っていいのか分からず、尋ね、乗り込み、ダメだと言われたり、よく分からなかったが、何とかIsland Gardensに行くバスに乗り込むことが出来た。“Island Gardensに行きたい!”と運転手に伝えると、“OK”という素振りででタダで通してくれた。これが探していた振り替え運行だろう。というかもしかしてさっきのバスもGreenwichに行きたいと言わずに、最初からIsland Gardensに行きたいと言っていれば、乗れたのかもしれない…

バスに乗ってからも行き先が表示される訳でもなく、不安が募るばかりだ…
通り過ぎてしまったらどうしよう…
“Island Gardensに着いたら教えてくれ”と伝えようと試みるが、先頭に乗っている子供連れが停車するたびに運ちゃんと話し、タイミングが非常に難しい。
けど目的地は終点だった。

こうして何とかIsland Gardens駅に到着。一安心…
Greenwich駅行きのモノレールも出ている。到着まで17分も時間があったので一服した。
見渡してみると、そこはかなり高級そうな住宅街。日本で言うとお台場に雰囲気が酷似していた。駅近くのパークではハイソなマダムがドッグをウォーキングさせていた。

Greenwichに到着すると、非常に見たことのある景色が広がった。2年前に来たにしてはよく覚えているものだ。印象が強かった土地だからだろうか。
俺の記憶によると、まずは左に折れ、ずっと道なりに歩く。
ここまではいいのだが、途中で右に曲がる。

これどこで右だったっけな…

多分、景色を見れば思い出すとは思うのだが、何せ2年前だ。
大人しく地図を確認すればよいのだが、結構景色は覚えていて、何とか記憶だけを辿って行けそうなのだ。地図を出すのが悔しい。
確か、右に曲がる道は左側に飲食店、特に中華料理店が立ち並ぶ比較的広い道だった。それは鮮明に覚えている。そしてその店の最後は高級なパスタ屋だ。2年前に訪れたとき、ここでパスタを食った。それは間違いない。

と記憶を引っ張り出しながら歩いていると、凄くそれっぽい道を見つけた。
俺は確信した。ここだよ、絶対。

そして右に折れてみると…

中華レストランが。そしてそのブロックの最後にはまさに2年前にいったパスタのレストランが。

この2年前の記憶と現実で見ている映像がぴったりと一致していく感覚。最高にテンションが上がる。
もうここまで来たら大丈夫だ。迷わずいける。

公園に向かう途中、バス停を発見。帰りはまたあの面倒くさいバスとモノレールを駆使して帰らなければならないのかとうんざりしていたので、もしかしたらこのバスでもっとよいルートがあるかも…と軽い期待とともに路線図を見てみたら、なんとこのバスNew Crossという駅まで通っていることが判明。このNew Cross駅はLondon Overgroundという地上を走る列車が通っており、これでLOndon中心部まで帰ることも可能。まぁもちろん順調に運行していればの話だが。
帰りはこちらのルートで帰ることを決めた。バスの番号だけ確認。

そしていざGreenwichの散策。これまた有名な国立海洋博物館を突っ切り、公園内に進入。博物館も旧王立海軍学校も時間があれば覗いてみたかったが、ここにくるまでにとてつもなく時間を使ってしまったため、まずは天文台を目指す。けどさすがイギリスは海軍の国。海軍を誇っていることがあちらこちらで伝わってくる。建物もローマの神殿のような構え。

並木道を通り過ぎるとすぐにあの心臓破りの坂が。

上りきると、2年前にすぐ下で記念写真を撮ったグリニッジ標準時間を表す時計が。

天文台はちょっとした高台になっており、ここから街が一望できるのだが、景色は曇りのためか建物のためか分からないが、いまいちピンと来なかった。夜景の方が数倍きれいだろう。

早速天文台の中に入る。なんと無料!

一通り回り、あの子午線がある庭へ。線を跨いだ写真を撮るための観光客で、案の定長蛇の列が!と思いきや並んでるのは10人程度。案外少なかった。
程なくして順番が回ってきて、無事に撮影終了。
お土産も購入し、一度腹を満たす為に外へ。近くの露店でホットドックを購入。
何でこういう所で食べるホットドックってこんなにうまく感じるんだろう…正直なところ、絶対日本で食べたら普通だろうな。そう感じさせてくれたさすが、The Honest Dog(商品名です)。

再度、入場(タダだからね)。ここは思っていたよりも案外広く、プラネタリウムやロシアのクレムリンを髣髴とさせる建物があり、中は天体の博物館になっていた。入場時に本日のイベントということでプラネタリウムが上映されるようだった。これはかなり見てみたい!と思ったが、時間を考えるとそうゆっくりはしていられない。

先ほどのバス停に急ぐ。
バスは直ぐに来た。Oyster cardでの支払いが可能だったので、タッチしてみるとなんと残金£0.20!日本円で27円くらいか。そんなんでバスに乗れるはずが無い。やむなく£3を支払いSingleを購入。
バスの中でこんな残金が少ないはずは無いのでよく考えてみると、そういえばモノレール使用時に慌てていてちゃんと出入り口でタッチをした覚えが無い。何がどうなったのかよく分からないが、とにかく大損してしまったことは確かだ。けど被害額はたかが知れている。かわいいもんで本当によかった。

New Cross駅に到着。Oyster cardを£10分top upする。はじめちょっと迷ったが駅員に尋ね、何とかLondon Overgroundに搭乗。順調に動いているみたいだ。
Liverpool Street駅に到着。そしてCircle lineに乗り換え。
やっとのことでMansion House駅に到着。St.Paul's Cathedral(セントポール大聖堂)を見に行く。

今回は概観を眺めるだけ。入場は明日のお楽しみだ。

そしてMillennium Bridgeを渡り、Tate Modernへ!
このThames側をはさんでSt.Paul's CathedralとTate Modernが向き合っている景色が最高に好きだ。前もこの道は幾度と無く通った。Londonを代表するスポットだと思う。

そして渡りきったところで時間は3時に。いよいよ約束の時間だ。
Tate ModernのエントランスでWillに電話をかける。

……やっぱり英語で電話は非常に難しい。面と向かって話すときの20倍は難しい。

俺が今、Tate Modernにいると伝えた。
すると彼は今、London Bridhe駅周辺にいるとのこと。
彼はここまで来てくれるらしい。準備して電車に乗って2駅分。時間はおよそ45分程度かかると言っていた。
この電話での会話が今回の旅で最も緊張した会話。
失敗してどっかとんでもない所に行かせてしまったりして、会えなかったなんてことになったら取り返しがつかない。申し訳なさ過ぎる。

その45分間はTate Modernのショップで時間を潰す。あそこのショップは非常に面白い。
45分なんてあっという間に過ぎる。けどまだ美術館自体は入っていないけどね。

45分後くらいに、また電話が…
“今、歩いてる。あと2分…、いや10分かな…”とのこと。

随分幅があったが、OK、エントランスにいると伝え、待つ。


この待っている時は本当に緊張した。来る人来る人皆Willに見えてしまう始末。Tate Modernに入場する人を凝視する怪しい人になってしまった。
時間が長く感じられる…
本当に来るよな…、顔が変わっていたらどうしよう…、てか俺の顔覚えてくれているのだろうか…なんて余計な心配をしつつ待っていると…

2年前に見たそのまんまの彼がニコニコしながら俺らめがけて一直線に迷い無く近づいてきた。本当にすべて余計な心配となって心からほっとした。

本当に懐かしい。2年前に出会って、お世話になった。
定型句のように、“本当にありがとう、また絶対イギリスに来るよ。また会おう”と言うやつがいる。俺も同じようなことを言った。
しかしそれは決まりきった挨拶ではなく、本当のことになった。
本当にまたイギリスで会うということが実現してしまったのだ。
これは結構、奇跡的というかドラマチックというか、いい言葉が思い浮かばないので“とても凄いこと”で許してくれ。とても凄いことなんじゃないかと思う。

そしてこの再会がこんなに早い段階で実現するとは思わなかった。
いや、むしろ早い段階だったからこそ、実現したのかもしれない。時間を置けば置くほどやはり疎遠になるのも現実だからだ。

行こうと思えばいつでも行けるイギリスだが、そこで“会う人”がいるってのは普通の観光地とはちょっと違った印象をもたらす。
それだけを目的にしたっていいってことなのかもしれない。

彼は凄く優しかった。
再会を果たし、カフェに移動。ココアを奢ってくれた。日本にきたら絶対俺にも奢らせていただきたいものである。

カフェでの時間は1時間にも満たなかったように思う。
会っている時間はそれほど長くなかったが、そこでは取りとめも無く色々な話をした。
ほぼずーーーと話しっぱなしだった。

来る前に買っておいた日本のプレゼントを渡す。
嬉しく思ってくれたようで、こちらが嬉しい。

Londonで何かお勧めの場所はあるか?と尋ねた。やはりネイティヴに聞くと、ガイドブック等に載っていない、真のいい場所を教えてくれるのではないかと思ったのだ。

すると、一心不乱に俺の『地球の歩き方 イギリス編』の地図ページを凝視し超真剣にある場所を探し始めた。何かこういう行動がいちいち優しい。

そしてBorough Market(バラマーケット)という市場を超リコメンドしてくれた。
そこまで言うなら行くしかないでしょ。明日の目的地がひとつ決定した。

おまけに、俺たちが泊まっているHammersmith駅周辺のお勧めスポットまで教えてくれた。ちょっと離れたところに橋がある。ここが非常に閑静で綺麗でいい場所だとのこと。
そこまで言うなら行くしかないでしょ。明日の目的地がふたつ決定した。

楽しい時間は直ぐに過ぎ、お別れ。本当にありがとう。
この再会は一生忘れられないようないい思い出になったよ。

でその後はThames川沿いを夜景を臨みながらずーっと散歩。途中カフェで一服入れたりしながら、気づいたらTower Hillの方まで来てしまっていた。辺りはもう真っ暗。
そしてそこに浮かび上がるのは…

そうこれまたLondonの象徴的存在、Tower Bridge!
漆黒の闇に浮かび上がる壮大な姿。この景色がLondonだ。
昼間はどんよりしていまいち迫力に欠けたTower Bridgeも夜景の美しさは半端じゃなかった。

帰路は尿意との戦いで死ぬかと思った。
帰りはLondon Bridge駅から帰ったのだが、まずはLondon Bridge駅でトイレを探す。駅員に聞いてみるとtubeではなく鉄道の方にあるとのこと。かなり歩かされて着いたトイレは壊れており、20ペンス入れても何も起こらない。

急いで戻り、Jubilee lineに乗ってWestminster駅へ。ここでDistrict lineに乗り換えるのだが、我慢できずに途中下車。トイレはいずこに…
俺はこの駅にはトイレがあることを確認していた。なぜなら2年前にこの駅でトイレを使った、という記憶があったからだ。
そしてたどり着いたトイレの男性用の入り口には何十もの分厚いチェーンが巻き付けられていた。“ここは使用できません”と伝えるのには十分すぎるほどのインパクトだ。

女性は空いてるのに…、女性用のトイレで清掃をしていた人に聞いてみても、“駅の者じゃないから知らん”とのこと。

もうここまで来たらホテルまで入っちゃった方が早いと踏んだ。
いちいちトイレ探してこのような絶望感を味わうのはうんざりだ。

Hammersmith間でのtubeではずっと立っていた。座席は空いていたが、座るとあのtube特有の振動が膀胱に優しくない。

駅に着くと競歩の如く急いでホテルへ。何とか事なきを得た。

夕食は駅のマック。イギリス3回目のマック。ここでは2回目のマック。
クォーターパウンダー、チップス、コーラ。
店員はなぜか俺の顔を知っていたようだった。前に来たとき(初日)もこの人だったっぽい。

トイレも済まし、飯も食ったらちょっとアルコールが飲みたくなる。
流石にThe Swanは連日過ぎるなと思い、せっかくホテルにバーがあるんだからということでホテルのバーで飲んだ。毎度のギネス。

Willに今日のお礼メールを入れようとしたが、毎度の如く子供たちが占拠していた。
本当に心からどいて欲しかった。

今日ほとんどLondonの行きたいところに行けなかったので、明日はLondonを回ることに決めた。当然、Borough Marketにも行くし、Londonに行く前にはWillが言っていた橋を見に行くつもりだ。

この辺になると体もイギリスの時間に慣れ、爆睡できるようになっていた。