2012年の12月、日本からリベラルは死んでしまったのか!
いやいや、そうではない。
私には、リベラルが、抹殺されたのでも、絶望して転換したとも思われない。
ただ、姿が突然消えてしまっただけのような気がする。
眼前から消えてしまっただけだから、
いつかまた突然姿を現してくれると思う。そう信じるしかない。
今夜NHKの紅白で「ヨイトマケの唄」を歌う美輪明宏さんも
自民党の新しい大臣に向かってこう言っている。
「これまで何十年もいろんな(悪い)事をして来た”後始末”を
やっぱり自民党にやらせようと、やり直す機会を神様がくださったのよ」と。
リベラルの灯を決して消してはならない。
さて、今朝の朝刊によれば、
安倍首相は、次期日銀の総裁候補として、
『自分の提唱する経済金融政策に賛同する人』から選ぶとして、
あの竹中平蔵氏が有力だそうである、という記事がおどっている。
この人にだけは、権力をもたせるのは危険だ。
たぶん、行く末、安倍首相は、日銀の機能・権限を逆手にとられて、
日本経済の進路・施策を、竹中氏に牛耳られてしまうだろう。
そして、安倍首相は”恐る恐る”で進めようとしている
日米同盟の一層の深化、そして軍国化、階層分化、自然破壊、への道を
あれよ、あれよという間に、一直線に引っ張られて歩かさせられることになろう。
竹中平蔵氏の近著『国が亡びるということ(中央公論新社刊)』(写真上)で、
私が印象に残った怖い部分を引用してみよう。
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「オバマ大統領が2009年になってから、
突然TPP参加に積極的な姿勢を示すようになったのには理由があります。
それは、米韓のFTAをめぐるゴタゴタに懲りたことです。
韓国で「これは、植民地化だ」と恐慌反対派が出て、
国会にデモ隊が突入するような事態にまで発展してしまった。
この米韓FTAの経験を経て、
米国は「二国間のFTAは大変だから自由貿易を推進させるなら多国間でやるしかない」
と方針転換したんですね。(中略)
そうした米国の戦略が背景にある以上、
日本は米国の同盟国として、TPPに参加するしかありません。(中略)
TPP反対派に聞きたいのはこういうことです。
「ではあなたはTPPに参加せずに、つまり『日米同盟』を放棄して、
中国の軍門に降るという選択がありえるとお考えなんですね」
「努力して乗り越えよう」と訴えるリーダーからのエールを、素直に受け取って努力するのか、
「そんなリーダーはいらない」とポピュリズム型を熱望するのか、大きな違いです。
今さらながらですけども、(中略)自分の力で生きていくという気持ちが、人間を人間たらしめている。
自助自立というのは、社会の基本です。
特に日本人は非常に誇り高く、自立を志向してきたはずなのですが・・・・・・・・。
まさに慶応義塾大学というのは、そういう学校ですからね。(中略)
一個人の独立なくして、一国の独立はありません。
その当たり前のことを、全国民にもう一度思い出してもらいたいです。
自立して、しっかり働く。(中略)
みんなが労働して生産していけば、経済は成長するに決っているんです。
もし、経済を成長させることを諦めて、「分配」の仕方で物事を解決しようとするならば、
これは熾烈な闘争になることを覚悟しなければなりません。
人間という動物が常に成長を希求してきたのは、
殺し合いをせずに生き残っていくための叡智なのです。
ぜひ橋下さんが国政で活躍する政治家に脱皮するのを手伝ってあげてください。
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竹中平蔵さんは、もちろん学者の一人であり、その点では、同じ大学の教授の金子勝さんや、
同志社の浜矩子さんと同じで、どんな学問や研究をするのも自由である。
ですが、竹中さんの前回の大臣在任時の仕事振りからすると、
彼を抑え気味にサポートしてくれる人が絶対必要である。
竹中さんが次期総裁に選ばれない、ことがあっても、
これだけは、安倍首相も是非、常に肝に銘じておいて欲しいと思う。
同じ慶応大学の金子さん、今年も1年中、私達の先頭に立って、吼えて下さってありがとう。
さて、来年は、同じ慶応の、清家さん、竹中さんが、政策決定に大きな影響を与えそうである。
そこで、金子さんにお願いがある。
それは、今年1年間24回の金子さんの朝のお話で、
『この20年間の衰退が、誰も謝罪や責任を負わなかった事に起因していること
電力の送配電分離をして、地方が共生する経済を作らなければいけない。』
ということが毎回必ず語られたので、その点はよく理解できた。
来年は、早口でなくもう少しゆっくりとした口調で、
「それでは、どうしたら良いか」を一つ一つ解りやすく展望して欲しい。
リベラルを思考する国民には、何しろ、もう、時間がない。
次期参議員選挙までには、平和、平等、博愛がみんなの信条になる社会にせねばいけない。
12.16に票を生かせなかった国民も、忍びに忍んで投票した国民も、きっとそう願っていると思う。
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