『塗り変わる世界のエネルギー地図』
12/5 NHKラジオ 十市 勉さんのお話の要約です。
国際エネルギー機関(IEA)が、11月はじめに、
『世界のエネルギー見通しに関する報告書(年次報告書)』を公表した。
この中で、シェールガス・シェールオイルの開発を背景に、
米国が2020年頃までにサウジアラビアを抜き、
世界最大の産油国に復活するとの見方を示している。
従来のIEA報告書では、
2035年までサウジが最大産油国の地位にとどまる、と言っていたので、
今回の報告書で、世界のエネルギー予測は、大きな方向転換を示したことになる。
さらにIEAは、米国は現在はエネルギー需要の約20%を輸入に依存しているが、
2030年頃までには、米国が純石油輸出国になるとも予想している。
このように、米国のエネルギー開発は目覚しく、
これが、電力・ガス価格の下落をもたらして、産業界の競争力が強化されるなど、
米国の経済活動を活発化しているとも言っている。
これで、米国が中東産の原油やガスに依存することが、なくなって来る。
IEAは、2035年までには、中東産原油の約90%がアジア向けとなると予測し、
そして、今後数年で、中国が米国を抜いて世界最大の石油輸入国となる、としている。
さて、このような石油貿易の大きな変化は、エネルギー問題にどのような影響があるだろうか。
まず、中東における米国の役割に変化が出て来る、と言える。
これまで、米国は、中東からの石油の安定供給のため、
ホルムズ海峡をはじめとする輸送ルートの安全確保に関与し、警察官役を担ってきた。
しかし、今後は、多大なお金や犠牲を負担しての役割を、段々減らして行くであろう。
今後は、中東産の石油は、殆どがアジア向けとなる。
アジア諸国としては、中東産の石油を、安定的に、安価に買えるようにする事が重要になる。
同時に、中東の石油にあまり依存しないようなエネルギー戦略を進める事も大切である。
例えば、アジア地域のエネルギー・ネットワークの構築が必要になろう。
日本について考えられる事は、例えば、
日韓両国間で送電線を繋げる、日露間で天然ガスのパイプラインを通す、等々である。
日本は、エネルギー関連分野で高い技術をもっている。
次世代の省エネ型自動車、ITで電力を賢く使うスマートグリッド、効率的な火力発電、
原発の技術、再生可能エネルギーの技術、等々である。
こういうものをアジアに広めて行くことが、アジアの、そして、日本経済の繁栄に繋がって行く。
★★★ お読み頂きましてありがとうございます ★★★
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## この文章は私の覚えとして放送を要約したものです ##
今週金曜午後から、NHKホームページで放送が聴けます。
右上のブックマークから入って下さい.
##この要約文章と画像の無断転載は一切お断りします ##
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米国が2020年頃までにサウジアラビアを抜き、
世界最大の産油国に復活するとの見方を示している。
従来のIEA報告書では、
2035年までサウジが最大産油国の地位にとどまる、と言っていたので、
今回の報告書で、世界のエネルギー予測は、大きな方向転換を示したことになる。
さらにIEAは、米国は現在はエネルギー需要の約20%を輸入に依存しているが、
2030年頃までには、米国が純石油輸出国になるとも予想している。
このように、米国のエネルギー開発は目覚しく、
これが、電力・ガス価格の下落をもたらして、産業界の競争力が強化されるなど、
米国の経済活動を活発化しているとも言っている。
これで、米国が中東産の原油やガスに依存することが、なくなって来る。
IEAは、2035年までには、中東産原油の約90%がアジア向けとなると予測し、
そして、今後数年で、中国が米国を抜いて世界最大の石油輸入国となる、としている。
さて、このような石油貿易の大きな変化は、エネルギー問題にどのような影響があるだろうか。
まず、中東における米国の役割に変化が出て来る、と言える。
これまで、米国は、中東からの石油の安定供給のため、
ホルムズ海峡をはじめとする輸送ルートの安全確保に関与し、警察官役を担ってきた。
しかし、今後は、多大なお金や犠牲を負担しての役割を、段々減らして行くであろう。
今後は、中東産の石油は、殆どがアジア向けとなる。
アジア諸国としては、中東産の石油を、安定的に、安価に買えるようにする事が重要になる。
同時に、中東の石油にあまり依存しないようなエネルギー戦略を進める事も大切である。
例えば、アジア地域のエネルギー・ネットワークの構築が必要になろう。
日本について考えられる事は、例えば、
日韓両国間で送電線を繋げる、日露間で天然ガスのパイプラインを通す、等々である。
日本は、エネルギー関連分野で高い技術をもっている。
次世代の省エネ型自動車、ITで電力を賢く使うスマートグリッド、効率的な火力発電、
原発の技術、再生可能エネルギーの技術、等々である。
こういうものをアジアに広めて行くことが、アジアの、そして、日本経済の繁栄に繋がって行く。
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