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四国電力の原子力関連所長が1,860万円をカラ出張で着服

2013年11月01日 22時37分26秒 | 社会・経済

 四国電力の原子力研修所の所長がカラ出張で1,860万円の着服とは驚き。ざる管理に加えて、巨額の執拗なPR作戦で原子力は安全と世間を騙し刷り込ませた「いかさま体質」は変わっていない。同所長は今月20日まで在任していた。

 281回の出張申請で1,860万円は1回あたり66,192円だから、1日15,000円の手当てが出たとして、新幹線を使い東京に1泊2日で行った事にしたか。(写真をクリックすると拡大)

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 深刻な犯罪行為だが、氏名は公表せず解雇、柿木一高原子力本部長が訓戒処分を受けただけ。千葉社長ほか、かつての原子力部門トップの責任が一切不問となっている。東電福島発電所の処理(具体的な責任が全く分からない)とも似ている。

 福島原発事故で電力の信用がガタ落ち。沖縄を除く電力9社は新鋭の原発さえも再稼働の保証無く、発電原価は跳ね上がっている。現役世代はさぞかし大変と思いきや、魔法の杖である総括原価方式により、原価が上がるほど報酬が増えるため、笑いが止まらなくなる状況が生まれている。

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 原子力部の管理が甘いのには理由が有る。予算も優先度も破格。稼ぎ頭として特別扱いで、下手な情報が流れると連続運転に支障が有ると見てか、社内で原子力の安全性に関する議論さえできない状況。言わばアンタッチャブル。

 福島原発の例でも、発電所責任者でさえ安全性を確認できていなかった事が分かっており、それは各電力共通である。原子力は安全だとの神話を作り上げ、中身は誰も十分把握せず、社内の議論さえできなかった。つまり、原子力=安全のお化けだけが独り歩きしていた。

 そんな甘い甘い原子力体制の中で今回のカラ出張着服事件は起きている。所長は特別管理職で自分の出張の決済が許されているので、何とでもできる。部下は薄々気づいていたはずだが告発しない。それが出世の掟。

 電力会社の最高のいかさまは人事なんですよ。実力とか実績は結果的にマイナスになる場合が多い。人事に最も影響力の強いのが自民党国会議員。電力は設備産業ですから、原発立地から始まり、火力、ダム、電信柱を立てるのでさえ政治力頼み。政治依存度が高く、密着している。

 自民党国会議員が一人は推薦できるルールが有り(非公開、殆どの社員は知らない)、衆院議員が推薦した場合、常務以上にはなっていました。県議、市議も相応の影響力有。元幹部の父親が動いた場合も結構強烈(関西電力は課長以上の子弟が入社出来ない)。電力会社の学閥は東大、京大、地元国立大学(一期)。

《父親が後藤田元官房長官の後援会長していた「バックだけ大物」の場合は常務まで上がった。課長時代には実績データ粉飾、毎晩課の全員を引き連れ女性社員を含めて飲めや歌えのどんちゃん騒ぎ、2次会・3次会は会議費・交際費、部長時代の忘年会は若手社員が裸行列練り歩き。彼が潰した人間は二桁?》

 運よく課長になったら(今は課長になるのも難しい)仕事のふりをして、ひたすら上との人脈作り。アフターファイブ&土日のプライベートサービスにまい進する。特に事務系は元々技術系より遥かに昇進では恵まれているが、仲間内で情報を入手し、極端なメリハリをつける。

 今回の所長(技術屋のはず)は、恵まれたポストに就き、収入も多いのに、やることがせこいし、世の中をなめている。これが、原子力幹部の現状だ。

 多分、小手先で一件落着になるが、過去を含めて徹底的に洗い直し、責任を明確にし、管理体制を根本的に改革しないと原子力安管理にも不安が残る。

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