僕は、偶然の進化を否定するものではない。特に原始生物に近いほど、偶然性の比率、たまたま良い結果となった、は大きくなる。そこで、良いものほど優先的に残したいのだが、既存説では遺伝子変化ランダムだから、優先度、重要度に関係無く変化してしまう。
いやいや、良くない結果の種は消えてゆくのだから、良い種は自然選択で残るんだよという考えは有り得る。しかし、シミュレーションしてみれば分かる事だが、長期間のゲノム変化を重ねると、良い変化もいつかは必ず消えてしまう。
良い種を残すには、まず、何故、どこが、どのように良かったのかを認知し、良いゲノムを残さなければならない。何故、どこが、どのように良かったかの認知は相当高度な話で、この判断が難しい。次に、この判断が出来たとして、一体どのゲノムのどの部分、あるいは組合せが良かったが分からない。
この問題は、僕が2002年に考えていて、評価システムが等価的に形成されたとする仮説を立てて発表している。ただ、より具体的に何がどの様に評価して、どのように選択するかの具体的モデルが思い浮かばなかった。この、より具体的なモデルを今年の3月に発表することになった。
難しい課題ではあった。