仕事しながらBS放送をかけていると、とっかえひっかえ、メジャーリーグの実況を流してくれる。その放送の中でも、イチローが年間200安打達成できるかというのが結構大きな注目点であった。松井は今一つ、松坂は手術という中で最も安定した評価を得ていた。しかも、過去には無理と言われながら、終わってみると達成してしまったこともあり、解説者も太鼓判を押していた。
しかし、残り8試合で24安打(累積176安打)というところで、これはほぼ不可能だなと感じた。私は痛々しくて、イチローの試合(シアトルマリナーズ)は見ないことにした。最終的には184安打ですか?僅かだけど残念でした。
イチローはメジャーリーグのバッターの中でも、特別な存在だった。と言うのは、メジャーリーグの選手はヘラクレスのようなバッターが当たり前で、ピッチャーの中にはプロレスラーのような横太もいる。怪獣の集まりにも見える。兎に角、バットをものすごい勢いで振り回す。下位打者でも当たれば軽くホームランと言うありさま。松井も顔無し。
一方イチローと言えば、なよなよした内またで、あれはレベルスイングと言うのですか?実にきれいに振り抜いて打ち返す。野手の間をクリーンに、球が飛んでゆく。ゴロでも、左打者の速い足でセーフになる。まれにホームランになる。
イチローは私より若いが打撃の神様で、素人の私が言うには僭越すぎるが、強いて今年のイチローについて語るとしたら、ちょっとバットを振る際の力が弱かったかな。今年は余りにもイチローの打球が美しすぎる。
私はバッティングが好きで、特にここ2か月は毎日夜、商工センターの打劇王(広島市西区)に行っては140km/hの球75球をフルスイングしている。そこで分かるのは、力を入れるほど芯をとらえにくくなり、変なあたりが増えること。実は、イチローの安打の中に、当たり損ねのゴロでセーフになったケースが多かった。今年は少ないように思う。
多分メジャーリーグバッタ-はホームランの意識が強く、強く振り抜こうとしている。イチローは多分、大振りせず芯を捉えたいのではないか。私は逆にイチローぐらいのレベルであれば、ホームラン狙いでも良いかと感じた。と言うのも今年はきれいなフライが多くて、力が無いから外野手の餌食になっていた。
また、神様に対して素人から失礼なアドバイスだけど、声も届かないが、お勧めは、少し異なるバッティングフォームを持つこと。私は、3種類ぐらい異なるバッティングスタイルを持っている。いつものバッティングスタイルが良くない時は変えてみると当たりだす場合がある。色々変えてみる。
イチローは超一流のバッティング職人だろうと思うが、人間は精密機械ではない。とりわけ、今までどうりのイメージで球が飛んでゆかなくなったら、自分自身が何か変わっているかもしれない。
僅かなことで最も変化の大きいのがバット先端の位置だろう。真上に持ってくる、背中に担ぐ、後ろに寝かす、腕をより後ろに持て行く、などでバッティングのスタイルは全く変わってくる。実はバッティングはものすごくデリケートで、その時の環境、精神状態などの微妙な差が大きく影響する。プロであってもバッティングを極めることは難しいだろう。
何故バッティングが難しいかと言うと、まず球はあなた任せで、直球だけのバッティングマシンでさえ、同じ球は2度と来ないと言っていいぐらい、同じような所へ来てもコースや飛び方や速度が異なる。それにプロが打つ球は速い。相手が変わりまくるのだから、こちらも、少しづつ変えながら試してみるのは現実的。
素人のささやきではありました。