聖徳記念絵画館 着工1919 〜 竣工1926。
設計原案は小林正紹、当時コンペで選ばれた。
トルコ・スタイルのようにも思えるが、無国籍な感じが面白い。
不思議なデザインで私は好きだ、美大生のころによくデッサンに訪れた思い出の建物だ。
この聖徳記念絵画館、東京のど真ん中、神宮外苑にあるのだが意外とみなさんには馴染みがない。青山通りからこの建物へ向かうイチョウ並木のアプローチのほうがむしろ有名だ。秋のイチョウの黄色い並木道はテレビドラマの撮影には欠かせないスポットだ。
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今度の東京オリンピック競技場の造られるのもこの神宮外苑。かつての神宮外苑の配置計画の「中心」はこの聖徳記念絵画館だったことは意外と知られていない。航空写真を見るとよくわかる。
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絵画館の内部には、明治天皇にまつわる幕末・明治の政局を描いた80点の壁画(縦3m 横2.5m)が展示されている。どれも同じ大きさで迫力のある素晴らしい内容だ。前半が日本画、後半が洋画となっている。もちろん作品として良いものもあれば悪いものもある、見ていくとそれが伝わってくるのが面白い。
創設からほぼ百年が経ち、見る人たちにいまだ真価を問われ続ける作品たち。制作当時の作者たちの地位や名声や立場を離れ、同じ大きさの絵、文字通り「横並び」の展示である。当時の大御所も大家も駆け出しも「みなさん同じ横並び」それが面白い。絵画の真価とはそのようなもだ。
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私はこの絵画館が好きだ。外国の人や改めて東京を案内する人と必ず訪れる。何よりも、いつ訪れても「誰も人がいないこと」が素晴らしい!
内部の展示(写真:静岡県人会 hp)
いつ訪れても「誰もいない」
イチョウ並木のアプローチ
(写真:ザ・スタジオ クマ)