昔、といっても3~40年前くらいまで、雷鳥沢や剣沢など高山帯にあるキャンプ場の残飯目当てにツキノワグマがしばしば現れていました。環境保全意識の高まりのなかゴミ持ち帰り運動の成果もあり、キャンプ場を荒らすツキノワグマのことはあまり聞かなくなりましたが、ときどきは室堂平周辺や稜線付近でも目撃されていました。しかし、ツキノワグマはもともと冷温帯広葉樹林(ブナ林)の生きものです。
立山では、ブナ坂からブナ平のかけてブナ林が広がっています。このあたりのブナやミズナラの高木には、ツキノワグマが座り込んで木の実を食べた熊棚が残されています。
《ブナ坂のブナに残された熊棚 2001/05/07》