静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

≪ 今 朝 の 2 題 ≫  非炭素燃料発電を阻む既存設備従事者の転職   国際ビジネス&人材確保の両面で支障が出始めても続く反LGBTQ

2023-05-19 08:27:32 | 時評
* 大きな変化を恐れ、目の前にある危機すら取り組もうとせず” 様子見 ”で何とか流れに乗ろうという日本社会の典型的危機シナリオ、ふたつ。

【1】「EV少なすぎる日本に不安」 元アイルランド大統領メアリー・ロビンソン氏(78)が語る気候変動の危機意識欠如
・ 欧州自動車工業会(ACEA)によると、欧州連合(EU)で2022年に販売された新車のうち、EVが占める割合は12・1%。これに対し、日本ではわずか1・4%(日本自動車販売協会連合会調べ)。
  「(日本の)自動車メーカーはなぜEVに乗り気ではないのでしょうか」とロビンソン氏は首をかしげる。← ガソリンエンジン式駆動部材体系に携わる就業者の転職を誰も進める気がない?

・ 国際エネルギー機関(IEA)が19年に公表したアイルランドのエネルギー政策評価によると、17年時点で同国は全発電量の約25%を風力で賄い、この比率はIEA加盟30カ国中で3番目に高い。
  さらに、22年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻はエネルギー安全保障への関心を高めた。
  ロビンソン氏は「ロシアのガスに依存しすぎていたことを多くの人々が認識するようになり、クリーンエネルギーへの移行が加速しました」と話す。← 日本がサハリン油田にしがみつく利権に展望は?

  日本は温室効果ガスの排出削減策として、化石燃料とアンモニアを混焼(混ぜて燃やすこと)する技術の開発を進めているが、ロビンソン氏はその効果にも疑問を呈する。
  「この新しい技術(アンモニア混焼)は既存の火力発電を維持するもので、我々にはそのような余裕はありません。気候変動の危機を正しく理解している人なら同意しない技術をなぜ使うのか。
  日本の人々は問い直す必要があります」 ← 政府及び「原子力ムラ」と一体の大手電力会社は、再生エネ転換した欧州諸国の就業転換施策の先例に学ぶ気概がない?

・ 脱炭素社会では化石燃料は淘汰(とうた)され、クリーンエネルギーが主役になる。こうした世界の潮流から取り残されるリスクを、日本に住む私たちはどれだけ理解しているだろうか。
  ロビンソン氏はインタビューをこう締めくくった。「クリーンエネルギーは未来の経済です。日本の人たちが正しい投資をすることを願っています」

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【2】日本のLGBT法づくりの遅れを批判 グローバル企業の切実な事情
・ G7サミットを目前に控えた5月17日、パナソニックホールディングスや日本コカ・コーラ、会計監査大手・EYジャパン、LGBTQの当事者団体の幹部らが議員会館のある東京・永田町に参集した。
  サミットでの議論や速やかな法整備などを岸田文雄首相に求める要望書を森雅子首相補佐官に提出。要望は金融、IT、製薬、航空、不動産など多様な業種にまたがる大手・中小70社以上が賛同した。
 「社員の労働環境や私生活が法的に安定しないことは、職場における能力発揮を妨げるだけでなく、法制度が整備された国への人材流出も既に現実化している」。

・ 世界で事業を展開する企業にとって、LGBTQなどへの取り組みの遅れは、取引などにも影響が出ることにつながると懸念されている。サントリーホールディングスの社長でもある新浪氏は、自らのグループが
  消費者向けの事業を行っていることに触れながら「海外事業をやっていく上で、日本の企業として、大変ご理解が得づらいということにつながってくる」と述べた。

・ LGBTQなどを対象にした求人サイトを運営する「JobRainbow」(本社・東京都)の星賢人CEO(最高経営責任者)は「当事者が職場で差別的扱いを受けたという訴えは多い」と話す。
  差別的な職場環境が許容されている企業では、当事者はもちろん、対応を疑問視する当事者でない社員も相次いで離職し、対応が進んだ競合他社に移籍するケースが増えているという。
  学生が企業の採用担当者にカミングアウトした途端に選考の応募自体を断られたなどといった事例はごく最近でも報告があるという。


  20年6月に施行された通称「パワハラ防止法」では、性的指向や性自認に関するハラスメントもパワハラの対象とし、事業主に防止措置を義務づけている。
  しかし、義務化の対象はあくまで職場におけるパワハラの防止で、取引先から自社従業員が受ける差別的扱いや求職者への対応などは含まれていない。
   ← 「日本社会が崩れてしまう」「別の差別を生みかねない」などの理屈で多様性の受容そのものに反対・抵抗する人は、貿易せずには生きてゆけない日本の国際ビジネスで、現にマイナスが発生しはじめて
     いても尚「そのうちホトボリが覚めて何とかなるさ」「所詮、彼らは少数者なんだから除外しても日本は負けやしない」などと高を括っているのだろう。 救いようのないおめでたさだ!
コメント
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