似非ケインジアンに告ぐⅢ

　もちろん金融政策だけが手段であると言うつもりはありません。
リチャードクーの最初の批判は「リフレ派は財政政策の効果を見ない人達である」としていましたが、
その後彼自身が精査することでリフレ派に対する理解をしてくれたようだ。
「リフレ派は財政政策を無視している」という批判をよく見かけます。
確かに財政政策しか効かないと言う人達から見ればリフレ派は財政政策を軽視しているように見えるのでしょう。
しかし現実社会では全く同じ教義を信じないヤツは敵だなどと言っても始まりません。
むしろ彼らの「財政政策しか効かない」と言っている理屈はいったいどんな仕組みなのでしょうか。一体何を根拠にしているのでしょうか。
彼らはケインズ経済学を根拠にしていると言っています。しかしケインズ自身はそんなことは言っていないのです。
戦前日本の経済学の歴史は「貨幣のないケインズ」なのです。それが戦後もずっと続いているのです。
ケインズは戦前から日本で重用されてきましたが、戦前のケインズ解釈の主流は金融政策が中心のスタンダードなケインズで、
鬼頭仁三郎、青山秀夫などが上げられ、彼らの共通点は「期待」とか「予想」とか言う物を非常に重視します。これが戦後になるとがらりと変わるのです。

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