◎◎ 日本株は小幅安、経済再開期待やや後退-輸出や銀行安い
牧綾香
2020年5月12日 7:58 JST
更新日時
2020年5月12日 15:42 JST
NY州は制限緩和へ、イタリアは新たな感染者数が2カ月で最少
中国は米との貿易合意破棄を検討も、トヨタ今期営業益計画は8割減
◆◆ 12日の東京株式相場は小幅に下落。欧米で徐々にロックダウン(都市封鎖)が解除され経済活動が再開するとの期待がやや後退、米中貿易協議を巡る緊張も上値の重しになった。自動車や機械などの輸出関連や銀行株が下げを主導した。
TOPIXは前日比3.90ポイント(0.3%)安の1476.72-終値
日経平均株価は24円18銭(0.1%)安の2万0366円48銭
〈きょうのポイント〉
新型コロナ
ニューヨーク州は15日から一部地域で経済活動の再開を開始
イタリアの新規感染例は3月4日以来最少
中国、米との貿易合意破棄を検討も-報道
トヨタ自動車、今期営業利益予想は前期比8割減の5000億円-発表
★★ SBI証券の鈴木英之投資調査部長は、これまで欧米の一部地域で経済再開への動きが好感されて期待先行で日本株も上昇してきていたが、米株先物の下落を横目に「感染者数や死者数の減少が強い傾向として表れていないことから日本株にもいったん調整が入っている」とみている。
※※ 面白い見方をするものです。誰がどう見ても日本は減少どころか増加を続けています。鈴木氏の予想は注目していますが、このコメントにはガッカリしました。
★★ 大和証券投資情報部の石黒英之シニアストラテジストは、米中貿易協議を巡る摩擦がさらに激化すると経済活動が正常化に向かいつつある中国の外需が影響を受け「景気回復期待がそがれてしまうとの警戒感が日本株の上値の重しとなりそう」と述べていた。
石黒氏は一方で、日本株は半値戻しを抜けてきており、日経平均は需給の壁とみられる2万1000円までは節目がないため「売り方の買い戻しが誘発されやすい」とも話していた。
★★ アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは、トヨタ自動車が午後の取引時間中に発表した決算について今期営業利益計画の水準の低さはネガティブサプライズだが、「投資家はこれが最低ラインとみている」として「日本株全体にはニュートラル」との見方を示した。
東証33業種では輸送用機器、銀行、陸運、卸売、不動産が下落
情報・通信、電機、医薬品、その他製品、化学は上昇
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