金榮山徳正寺住職のトラ・バスの香り

阿弥陀さまとクルマとSTARDUST REVUEをこよなく愛する住職がつぶやく日常

よろこぶ顔が見たいから

2021年02月20日 21時05分16秒 | 日々あれこれ

そんな心をいただいて・・・


コイツが参るというと
必ずお供えされていた牡丹餅。

先にしますか、後にしますか
そんなお声がけをいただいて
それでは先にいただきま~す!
っていうと
大きな牡丹餅とコーヒーセットが出て来ていました。

ご院さんが来るとなると
もう早朝より起き出して作り始めるんだからって
きょうだいも笑っておられました。

大好きなものですから
遠慮なくいただくのです。

「オバチャン、相変わらず絶品ね!」って。

最高にいい顔してるんでしょうね、
自分で言うのも何なのですが・・・

そんなコイツを見る顔は正しく親のよう。

そんな頃が懐かしい・・・

お身体をお弱くなされ
もうあの美味しい牡丹餅も食べれなくなりました。

でも、やっぱり親ごころなのでしょうか
会うとなれば
箱いっぱいのケーキをお供え下さるのです。

好きでしょう・・・って。

ケーキ大好きです。
それと同じ程
こんなコイツを思って下さる親心が有り難くて。


むかし、義父がご法話で話して下さった。

坊守の里の方ではご門徒のお家でも
お取り越しには手打ちのソバが振舞われるという。

しかし、年老いた夫婦にはもうそばを打つ体力がありません。

もう今年は無理、
それでもご院家さんにはおそばを出したい。

そこでご夫婦で出掛けたスーパー。
一生懸命慣れないお店でおそばを探す。

何か違うような気もせんでもないが
似たようなものを手に持ち
まっ、これだろうと買い求めた。

さて、お取り越しの日。
ご院家さんがお勤めを終えるのを待ちそばを出す。

「ご院家さん、もうこの歳でソバが打てなくなりました。
 スーパーで買ったもので申し訳ないのですが
 そばを用意しておりますので」

振舞って下さったおそばはなんとスパゲティーの麵だった!

「お婆ちゃん、これはなぁスパゲティーいうもんよ」
「スパゲティーってどんなものですかいな」
「どんなものってこんなものよ、
 まぁ、お婆さん!そば風スパゲティーと思うて頂きゃええがね」

そんな話をされていました。

それが案外美味しかったのだとうれしそうに笑っておられた。

そりゃ、そうですよね
私のためにってご苦労されたんだと味わうのですから・・・


ありがたい、本当に・・・

有り難い。


精一杯、
この寺を守っていかなくてはって思います。


春の色した海を見つつ
こんなコイツでも優しくなれてて・・・
コメント
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