全員で掴み取った昇格【湘南ベルマーレ戦】

14日に行われた湘南ベルマーレ戦。ヴァンフォーレはこの試合でJ1昇格＆J2優勝＆20戦連続負けなし記録が同時に達成されるとてもプレッシャーのかかるゲームでしたが、懸命に戦い2対2の引き分けに持ち込んでJ1昇格を決定させました。試合終了後にはホームのサポーターと選手＆スタッフやチームに関わるすべての人が昇格決定を喜び、中銀スタジアムは長い時間大いに沸いていました。選手たちはピッチで喜び合い胴上げなどもされていましたが、個人的に印象に残ったのはDFドウグラス選手を中心とする出番に恵まれなかった選手たちのはしゃぎぶり。出番に恵まれず普通は素直に喜べないと思うのですが、ドウグラス選手などはチームを想ってチームのために喜びを爆発させていました。サブの選手も試合に出ていた選手たちと同じように喜べる光景を見て、このチームは本当に一つのチームとしてまとまっていたんだなと実感できましたね。そして城福監督の人心掌握の能力の高さを改めて知ることができ、それと同時に凄い指揮官がヴァ
ンフォーレに来てくれたと感慨深くなってしまいましたね。


…さて湘南戦を振り返ってみましょう。ヴァンフォーレと湘南は通常とほぼ変わらない布陣でスタート。試合を見た相手の湘南の印象はよく動く。とにかく動く。中でもウイングバックのMF高山選手は別格の運動量でしたが、守備の際もヴァンフォーレの選手よりいち早く寄せてボールに触れていましたね。相手へのチェックも激しく、ヴァンフォーレはパスの出しどころに苦労していつもより多く横パスやロングボールを蹴っていたと思います。運動量が落ち着いてきた中盤から終盤にはヴァンフォーレはパスがようやく繋がり始めましたが、若くアスリートのような運動能力と組織的なディフェンスは2位にいるクラブであることを物語っていましたね。

この試合を見た限りだと湘南は先行逃げ切りを狙っていたと思います。その狙い通りヴァンフォーレは相手に先制点を奪われて前半を1点リードされて折り返しますが、後半相手がリードを保つために守備を固める前に挙げたMF井澤選手のボレーシュートゴールは効果的でしたね。そのシーンではゴール前に走り込む井澤選手を相手が全く警戒していませんでした。シュートを打つまで常にフリーでいられたことが落ち着いてフェルナンジーニョ選手のクロスボールを合わせられた要因になっていると思います。この得点により湘南は勝利するために守備の意識から攻めの意識を強めて前に出て行かなければならなくなり、すぐ1点は取られましたがその守備の隙を突いてヴァンフォーレが再び追いつくことができたと思いますね。

ヴァンフォーレの選手ではフェルナンジーニョ選手が良かったですね。この試合では突破して惜しいシュートを放つ場面はほとんどありませんでしたが、ボールを持ってドリブルし突破がダメでも相手に当ててCKを得る機会がたくさんありました。そこから再びチームのチャンスに繋げることができていたので、彼の存在はヴァンフォーレの攻撃にとても貢献していたと思います。FWダヴィ選手も得点こそPKによる1点だけでしたが、後半の個人技による突破が見せられるようになり存在感がグッと高まりました。彼らの圧力も同点に追いつけた要因の一つになったことは間違いないですね。

終盤はDFにドウグラス選手を投入しパワープレー対策をするなど引き分けを意識した戦いで昇格を狙っていましたね。そして最後まで守り抜き、ホームで掴み取ることができた昇格という結果。自分は長くヴァンフォーレのサポーターでいてこれまで2度の昇格に立ち会ってきましたが、やはりこの瞬間は良いものですね。この喜びと昨年味わった降格という苦い経験両方を生かして、来年J1では一戦一戦大切に戦ってほしいと思います。トップリーグでのヴァンフォーレの飛躍に期待しています。




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