●距離と実績がモノをいう至高の番組
いよいよである。タフで、力のある馬でなければ勝つことができない天皇賞・春。定量戦58キロで行なわれる。かつては一番人気が軸として存在することができたが、昨年、一昨年とリンカーンが一番人気に推されながらも6着、13着と敗退を続け、三年前はダイタクバートラムが3着と惜敗したために一番人気の勝率が大きく下がっているのが昨今のこの番組事情である。58キロという斤量は半端な斤量ではない。そのため、スピードは求めないが、淀みのない速さが必要とされる。しかも、最後の直線では34秒台の終いの脚での勝負ということが傾向として出ている。長い距離で乳酸が溜まってもなお切れる脚を求められる番組なのである。これがタフでなければならない理由。距離実績では必要条件として2400m以上での連対実績が必要で、2000m戦までの経験馬がこの番組で勝ち負けになることは希である。但し、前走が産経大阪杯の場合は別だ。それでも2400m以上での連対実績を求められることは変わらない。京都コースは向こう正面で坂が始まり3角が下り始める特殊なコース。そのために国際レースが行なわれないほど癖がある。即ち、京都コースでの連対実績があった方が良い。それも近走であることが望ましい。しかも、それがG1戦であれば殊更だ。過酷とも思える条件が負荷されて、その上で時計を求められる番組。それだからこそ、至高の番組と呼ばれるのである。その点を考慮して予想を組み立てる。 . . . 本文を読む
●基本は上位人気陣による堅い競馬だが、伏兵も出現
一番人気は6連対、二番、三番人気を加えて15連対。上位人気陣の連対率は15/23と好調。しかし、六年前から青葉賞も皐月賞から中1週で行なわれるようになったために、今回もそうだが、皐月賞参戦組が出て来なくなった。フローラSの時にも書いたが、JRAとしては「走破傾向の違い」を明確化して、短距離、中距離、長距離とグループ化し、そこでそれぞれに強い馬を輩出したいという考え方であることが明白となった。そのため、特出した強さがない限り、三冠達成は夢のまた夢となる。逆に考えると、皐月賞の前哨戦で好走しながらも3着以内に入れず、獲得賞金が少なく、皐月賞に参戦ができなかったものの、ダービーへの足掛かりを残しているという馬が勝ち負けになる可能性もある。それが「伏兵」となる可能性を孕んでいるということだ。また、基本的には2000m戦で勝ち負けになっている馬でないと、この番組での勝ち負けは難しい。同時に東京コースということもあり、最後の坂を登り切ってからの250mで、どのように末脚を使えるかが鍵となる。「追われて伸びる二の足」を持っているかが鍵だ。そこを見分けるには上がり時計が34秒台であること。馬柱に書かれている以上の内容を読み取らなければならないのが東京競馬場の番組予想となる。 . . . 本文を読む
東京コースは二の足が使える馬が勝ち負けになる
桜花賞、皐月賞、この番組。つまりは中1週で行なわれることになった。JRAとしては桜花賞というマイラー系とオークスを睨んだフローラ組とを振り分けたいのだろうと思えてならない。そのため、桜花賞組は極端なほど不信。逆にフラワーC好走組が勝ち負けになりやすい。ただ、馬自体に力があれば、昨年、この番組で勝ったディアデラノビアのようなフィリーズレビュー(1400m戦)からの参戦馬が勝ち負けになる可能性もあるため、脚質に左右される番組と言うことができるだろう。このことから東京コースを既に走っている馬が有利であることは間違いなく、近走の中山で好走しても、ここで好走できるとは限らない。このことは頭に入れておく必要があるだろう。その点を考えると桜花賞組が有利なように思えるのだが、結果が結びついていないということはコース特性の影響が少なからずもあるということになる。馬連平均が3610円という荒れ目模様。春の嵐となる可能性も孕んでいる番組として考えた方が良いだろう。 . . . 本文を読む
●二回とも万馬券決着となった牝馬の戦い
統計は最低でも三回のデータがないことには傾向値は出せない。三度目の正直という諺は拡大解釈をすると判らなくもない、という程度。尤も使い方が違うし、本来の意味も違う。馬齢的には四歳が4連対、五歳が2連対、六歳が1連対と初年度に3着が同着であったために、このような結果となっている。ここに何を見出すことができるか。馬齢的には四歳馬が好調ということだけ。前走がどうだったかを見ると、この番組で勝ち負けになっている馬は、前走でも勝ち負けになっている。休み明けでもない。傾向としてはこのぐらいしか出せない。そのため、福島競馬場のコース特性を考えてみたい。結論から言えば、小回りなため前々の競馬ができる馬が有利。スパイラルカーブを採用しているため、スムースイン、スムースアウトが可能となり、前が止まりにくくなってきた。そのこともあり、前々の競馬ができる馬が有利と言うことになる。連係する番組としては中山牝馬S。距離適正も侮れないところ。この程度で組み立てなければならないこともまた荒れる原因かも知れない。 . . . 本文を読む
●皐月賞を勝つことができる馬の条件
G1競走は一年間に23番組ある。今年から古馬牝馬のG1が新設されて、更なる充実を図りたいJRA。日本の競馬界も明日こそ諸外国に勝つぞと勢いは追い風だ。その一方、馬産地問題は棚上げ。根深い問題が山積していることは否めない。皐月賞に話題を変える。皐月賞を勝つ馬は皐月賞ならではの勝ち方ができる馬でなければならない。マイル戦の切れ味と2000m戦を戦える息継ぎの巧さを兼ね備えた馬であることが必要条件となる。マイル戦で好戦績を残して、2000m戦でも勝つことができる馬だ。単なる競馬ファンにはそこまで判りづらいのだが、ひとつはマイル戦での上がり時計と持ち時計、同様に2000m戦での上がり時計と持ち時計。これを比較すると判る。マイル戦では好走しているのだが、2000m戦になると沈む傾向がある馬。逆に2000m戦では好走しているのだが、マイル戦では切れ味が無く勝てないという馬。時間があればこの傾向値を出したいのは山々だが、時間がないのでご容赦いただく。
番組自体の話にする。弥生賞組が8連対、若葉SとスプリングSが5連対ずつ、アーリントンC、毎日杯からは1連対ずつ。確かにコースと距離が同じ弥生賞組は有利である。が、必ずしも勝てるというわけではない。一番人気は6連対、二番、三番人気を入れた上位人気陣は13連対と思った以上に奮わない。不測の馬が飛び込んでいることが窺える。二桁人気同士で決まったこともあるし、一昨年のダイワメジャーは十番人気、昨年のシックスセンスは十人番人気であった。ここに一つの傾向が繋がったことが判るだろうか。マイル巧者が飛び込んでいる。つまり、2000m戦が上手くても切れ味がないと勝てない番組なのである。このことを考えて予想を組み立てたい。 . . . 本文を読む
●実績がモノを言う至高の障害戦
中央四場で行なわれる障害戦の頂点として位置付けされるこの番組。中山大障害を越えるも劣らない位置付けとなっている。4250mというのは大障害と僅差で鼻あるものの、この番組だけ。須くこの距離経験がある馬と無い馬とでは差が出てしまう。いわゆる、筋肉には遅筋と速筋があり、使われ方が違う。乳酸の溜まり方も違う。これによって気持ちというエネルギーが脚にどのように伝わるかも変わってくるのである。そのため、大障害コース経験馬がその強さの真価を発揮するのである。その点、外国馬が如何に障害戦に強いかが窺える。このコースを経験していなくても勝ち負けに絡んでくる強さは、諸外国における障害戦が軽んじられていないことの証明でもある。そのような素養を育ませて参戦してきたという馬が国内馬の場合には希有である。だから、諸外国への障害戦の挑戦というのは未だにできない状態。テイエムドラゴンが中山大障害に続き、ここも勝てば、その夢も実現できる可能性はある。平地が駄目だから障害戦に参戦させるという考え方では、あと100年は太刀打ちできないだろう。これもまた「実績」に他ならない。一期一会となる今年の中山GJ。至高の番組としての魅力を堪能したい。 . . . 本文を読む
●素質がキャリアに勝り、早熟性が問われる番組
勢いがある馬でないと勝ち負けにならない。加えて絶対的なスピードを持っていることが求められる。少なくとも良い脚を長く使えることではない。鋭い光を放つ、研ぎ上げられたナイフのような切れ味を求められるのである。経験不足が影響し、どうしても流れが速くなる。加えてフルゲートの18頭立てということもあり、揉まれて沈む馬も少なくない。昨年の覇者ラインクラフトは阪神JF3着からフィリーズレビュー(1400m戦)1着と経験を重ね、この番組で勝った。辛酸を嘗める結果となった日米オークス馬シーザリオは寒竹賞(500万条件2000m戦)3着からフラワーC1着(1800m戦)という経路で距離短縮組として参戦した。この素質の違いが、現在の結果の違いに現れている。その点では昨年の桜花賞は、今年の桜花賞を考える上では傾向値を導き出していない。しかし、十年という事実から傾向をも一匹出すと、前述の通り、素質と早熟性を求められ、それにスピードが求められる番組であることが顕著となる。注目するべき前哨戦はチューリップ賞、フィリーズレビューなのである。マイル戦も1400m戦もそのスピードが問われる。それに応えた馬が勢いを更に持つことでこの番組で勝ち負けになるのである。 . . . 本文を読む
●世代替わりが起きる予感、四歳が擡頭
昨年までは暮れに行なわれていた番組が桜の時期に変更となった。何が変わるのか。下り始めた馬の力と上り調子になる馬の力が逆転をするのである。殊更牝馬は牡馬よりもその時期が早い筈だ。となると、これまでの考え方が大きく変わり、四歳馬が擡頭し、五歳馬が危うくなるということが言える。阪神コースということも手伝って、仕掛けどころを間違うと勝ち負けにならないこともあり、騎手の巧拙も問われることとなる。コース自体は変わらなくとも、開催時期がこれだけ変わると、これまでのデータなどは殆ど役に立たない。鍵となるのは、このところの上り調子の馬を見極めるしかないだろう。加えて1400m戦ということもあり、スピードの絶対値を求められることとなる。その点を考慮して予想を組み立ててみたい。 . . . 本文を読む
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