岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

報告『日本近代文学館』「夏の文学教室」20222年8月

2022年07月31日 17時58分00秒 | 短歌の周辺
 『日本近代文学館』「夏の文学教室」7月29日@読売ホール。 コロナ禍で近年開催されなかった。『日本近代文学館』「夏の文学教室」に4年ぶりに参加した。通常ならば6日間の開催だったが、今年は1日だけ。 1日なのでテーマと講演者を絞っていたようだ。日本近代文学館會館55周年、57回目の催しである。1時間目:平野啓一郎「イデオロギーと個人~森鷗外没後100年」。生誕160年でもある。 現代はコロナのパン . . . 本文を読む

あおばだい平和ニュース2022年4月号(ロシアとウクライナ・プーチン暴発の裏にあるもの)

2022年07月28日 18時03分33秒 | 歴史論・資料
【モスクワ駐在経験のある元朝日新聞記者が語った】  「愛憎半ば、ロシアとウクライナプーチン暴発の裏にあるもの」【ロシアは負けるだろう】 今回の暴挙は全く意外、想定外であった。プーチンは今年で政権担当22年。最初の10年で辞めていれば名君だ。エルツイン時代に落ち込んだロシア経済・社会を再建した名君で終わる筈だった。しかし今回のことをみると、彼の本質はやはりKGBの将校であり、ソ連時代のノスタルジーが . . . 本文を読む

亡き父を思う歌

2022年07月24日 19時48分37秒 | 岩田亨の作品紹介
わが父のなし得ざりしを今われがなすは楽しき行為と言わん                          「星座α」 幼いころから、父は大きな存在だった。だが今考えると、家父長的でもあり、横暴な面もあった。父は65歳で亡くなったが、僕もその年齢に近づいた。 あれぼど大きく、こえられないと思った父が出来なかったことを今僕が行っている。それも様々な分野で。これは楽しい。それを率直の詠んだの . . . 本文を読む

赤茄子を詠う:斎藤茂吉の短歌

2022年07月18日 09時54分43秒 | 斎藤茂吉の短歌を読む
・赤茄子の腐れてゐたるところより幾程もなき歩みなりけり 「赤光」所収。 「赤茄子」はトマトの旧称。作者は道を歩いている。おそらくは道端に腐ったトマトが転がっていた。潰れていたかも知れぬ。 そこを通り過ぎて、程なく、作者は何らかの感慨を受けた。どのような感慨か。それは作者にも判然としなかったらしい。  斎藤茂吉の「作家40年」のなかでも「何らかの」と述べるにとどめている。 だがこの不思議な . . . 本文を読む

薄明の意識を詠う:佐藤佐太郎の短歌

2022年07月18日 09時54分43秒 | 佐藤佐太郎の短歌を読む
・薄明のわが意識にてきこえくる青杉を焚く音と思いき  「歩道」所収。 「薄明」は薄明り。この場合は夜明けであろう。目が覚めるか覚めないか微妙な瞬間だ。この瞬間に作者は音を聞いた。聞いた気がしたのかも知れない。「青杉を焚く」とあるから、枯葉ではなくてまだ青々とした杉の葉だろう。 どのように聞こえたのか。乾燥した「チリチリ」という音だろう。 この一首を読んで感じるのは。感覚の鋭さだ。薄明で意識が鮮明で . . . 本文を読む

現実化してきた「日本型ファシズム」危険な兆候

2022年07月15日 15時51分53秒 | 政治経済論・メモ
 「日本型ファシズム」。聞きなれない言葉だが、1970年代にはよく聞いた言葉だった。定義は次の通り。 「議会制民主主義の形式だけを残して一党独裁の軍国主義の国家体制」。議会制民主主義が形式的に残されるのは、第二次世界大戦の「ファシズム陣営」との違い。「一党独裁の軍国主義」が「日本国憲法体制」との違い。歴史上かつてなかったので「日本型」となる。 自民党の「憲法草案」と「改憲案」に「日本型ファシズム」 . . . 本文を読む

第26回参議院選挙に関する声明by市民連合(いのちと暮らしを守る政治の実現のために)

2022年07月13日 15時23分45秒 | 歴史論・資料
第26回参議院に関する声明 7月10日に行われた参議院選挙は、大方の予想通り、自由民主党や日本維新の会が議席を大幅に増やし、衆議院に続いて参議院でも改憲勢力が議席の3分の2を超える結果となった。かたや立憲野党は、社会民主党が1議席を死守する一方で、立憲民主党も日本共産党も選挙前に比べて議席減となってしまった。 より詳細に見ると、自由民主党が議席を増やしたのは1人区を含む選挙区に限られており、比例区 . . . 本文を読む

かまくら歌会:2022年7月

2022年07月12日 03時58分59秒 | 歌会の記録(かまくら歌会・星座・星座α・運河)
かまくら歌会:2022年7月8日 @生涯学習センター この歌会は毎月第一金曜だが今回は会場の予約の関係で、第二金曜に変更した。出詠歌13首、出席10人。僕の批評。「リフレインが効いているが結句の止め方に工夫が必要」「実感のある作品」「詩情がある」「着眼点は良いが下の句に工夫が必要」「結句に工夫が必要」「大袈裟に言い過ぎではないか」「初句が捨象できる語句」「場面が浮かばない」「実感がある」「意味が通 . . . 本文を読む

星座α29号・作品批評:茂吉と佐太郎の歌論に学んで

2022年07月11日 11時08分03秒 | 作品批評:茂吉と佐太郎の歌論に学んで
叙情の深さと感覚の鋭さ  戦争が始まった。私などショックが大きく、新作がほとんど詠めなくなってしまったのだが、会員諸氏の健詠ぶりに驚かされた。・(思いを文字に書きゆく歌)・(小舟のような心の歌) 境涯詠をまず2首。生きて来れば、忸怩たる思いのいくつかはあるだろう。それを愚痴でなく作品化したがよい。1首目の下の句の言い切りと、2首目の上の句の比喩が効いている。・(風に気配を感じる歌)・(梅の実がかす . . . 本文を読む

星座α29号:新作5首

2022年07月06日 23時30分02秒 | 岩田亨の作品紹介
・戦争のありさまつぶさに見る時に意外な人より電話かかり来 ウクライナ戦争が始まった直後に詠んだ作品。僕は戦後世代だが、戦争をこれほど身近に感じたの、未だかつてない。・自らを僕と呼びたる女性歌手男の心を歌いあげたり FBを始めて友人が増えた。詩人、歌人、俳人、作家、ピアニスト、歌手、音楽家、政治家、労働運動・市民運動に関わる人。様々だがその中のひとり。・朝刊の一面に開戦の記事のありくまなく読みて丁寧 . . . 本文を読む

改憲勢力・と極右政党の動き:選挙公報を読む。#stop改憲発議

2022年07月03日 23時39分37秒 | 政治経済論・メモ
選挙公報を読んだ。 改憲勢力は自民党、公明党、維新の会、国民民主党だ。先の国会でかつてない異例のスピードで「憲法審査会」を開催し、「憲法に自衛隊を書き込む」「憲法に緊急事態条項を創設する」と議論を進めてきた。 憲法に自衛隊を書き込むことは「国防軍を持つのと同じ」「集団的自衛権が全面的に行使できる」「海外へ自衛隊を派遣しやすくなる」様々な問題があるが、巧妙なのは、公明党だ。憲法審査会では突如「憲法9 . . . 本文を読む