岩田亨の短歌工房 -短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎-

短歌、日本語、斎藤茂吉、佐藤佐太郎について考える

齊藤茂吉32歳の幻想:「あらたま」の巻頭歌

2009年11月30日 | 斎藤茂吉の短歌を読む
齊藤茂吉の第2歌集「あらたま」は茂吉32歳から36歳までの作品が収められています。「赤光」の後期に「写生歌になってきた」(塩原行)と書き残した茂吉ですが、「赤光」的世界はまだまだ続いたようでした。これを塚本邦雄は「幻想」と呼ぶのですが・・・。 . . . 本文を読む

明治という時代のはざまに生きた人ぼろの袋と聖書残しぬ

2009年11月29日 | 岩田亨の短歌自註
田中正造。足尾銅山の鉱毒事件の企業・政府の責任と、被害者の救済に走りまわったことはよく知られています。ある時、たまたま立ち寄った寺の境内に大きな墓石がありました。それが田中正造の墓だったので・・・。 . . . 本文を読む

角川現代短歌集成・出詠5首(00年から08年の僕の作品から)

2009年11月28日 | 最近の作品(年次別)
「100年先に残る短歌を詠みなさい」。尾崎左永子著「現代短歌入門」のなかの、「いい短歌とは何か」という問いに対する一文です。作歌を始めた頃は、夢の夢でしたが、2009年11月に刊行された「角川現代短歌集成」に縁あって出詠しました。長く読み続けられるものと思いますので、ご紹介します。・・・ . . . 本文を読む

齊藤茂吉の「幻想詩」:鶴の歌

2009年11月27日 | 斎藤茂吉の短歌を読む
伊藤左千夫は「斎藤(茂吉)は空想派だな」と言ったそうですが、そういう傾向は「赤光」に顕著です。アララギの歌人としては珍しかったようです。・・・ . . . 本文を読む

一人居の部屋に帰りてあてどなく夜の林檎を音たてて食む

2009年11月24日 | 岩田亨の短歌自註
2005年に僕は第一歌集「夜の林檎」を出版しました。歌集名の由来になった作品ですが、ある思い出と深く結びついているのですが、今日はそのあたりのお話を・・・ . . . 本文を読む

壮年の悲しみ:佐藤佐太郎「帰潮」の巻頭歌

2009年11月22日 | 佐藤佐太郎の短歌を読む
「帰潮」は佐藤佐太郎の第五歌集。1952年(昭和27年)刊行ですが、1947年(昭和22年)から、1950年(昭和25年)までの作品が収録されています。38歳から41歳までの作品です。壮年期、「象徴的写実歌」と言われる歌風を確立したと言われているものです。・・・ . . . 本文を読む

出棺の時刻となりて頃合いをはかるごとくに蝉鳴き始む

2009年11月19日 | 岩田亨の短歌自註
真夏のある日、葬儀に臨席しました。暑い日で上着は着れずワイシャツにネクタイ姿。やがて出棺の時刻となりましたが、そこで・・・ . . . 本文を読む

20代の孤独:佐藤佐太郎「歩道」の巻頭歌

2009年11月18日 | 佐藤佐太郎の短歌を読む
歌集「夜の林檎」を出した時、お世話になった歌人のところまで持参しました。そこで聞いた言葉は「第一歌集は必死」「第二歌集は夢中」「第三歌集でその人の味が出る」と言われました。佐藤佐太郎も第三歌集「しろたへ」までが「覚醒期」といわれ、「立房」「帰潮」で歌風が確立したと言われます。(「佐藤佐太郎集第一巻・解説」による)第三歌集までで「核が決まる」とでも言いましょうか。しかし佐太郎の場合、「歩道」(事実上の第二歌集)は特別な意味があったようです。・・・ . . . 本文を読む

< 高さの揃わぬ埴輪 >:現代万葉集「日常」より

2009年11月14日 | 岩田亨の短歌自註
日本歌人クラブでは毎年「現代万葉集」を刊行しています。他の記事と重複しないように、僕の出詠歌をご紹介します。・・・ . . . 本文を読む

湧き出ずる秋の泉の輝くは青き水藻の揺れいるかたち

2009年11月09日 | 岩田亨の短歌自註
「運河」誌上の作品批評ではじめてとりあげられた一首です。僕にとっては記念すべき作品でした。・・・ . . . 本文を読む

アフリカが目覚める歌:寺山修司の短歌

2009年11月08日 | 私が選んだ近現代短歌の一首
短歌を詠み始めて間もない頃、寺山修司の歌集を探し回ったことがあります。それは、短歌作者や短歌愛好家にとどまらず広く読まれていたからです。何故かくも多くの人に読まれたのか。これを知りたかったからでした。 . . . 本文を読む

佐藤佐太郎の「難解歌」:那智の滝の歌

2009年11月07日 | 佐藤佐太郎の短歌を読む
 佐藤佐太郎の短歌の特徴のひとつは、「難解な言葉を使わない」ということです。ところが、「難解歌」とされるものがあります。「ものを見ること」「感じること」「表現すること」の関係を考える材料になるかも知れません。・・・ . . . 本文を読む

佐藤佐太郎自選歌集「海雲」:60歳代以降のこころ

2009年11月06日 | 佐藤佐太郎の短歌を読む
歌人の歌境や心境は年齢とともに変化します。若いころシャープな都市詠・心理詠を詠んでいた佐藤佐太郎も60歳を目前に歌風が変わってきます。病気入院などが原因でしょうか。円熟味を増すというか老成してきます。・・・ . . . 本文を読む

戦時には防空壕になるべしと思いてわれは地下駅に立つ

2009年11月03日 | 岩田亨の短歌自註
日常生活のなかのちょっとした連想。これが短歌の素材になることがあります。地下鉄に乗って通学通勤していたときに、ふと感じたことを一首にまとめました。・・・ . . . 本文を読む

第一歌集の巻頭歌:佐藤佐太郎「軽風」(35歳)

2009年11月01日 | 佐藤佐太郎の短歌を読む
佐藤佐太郎は1940年(昭和15年)に「歩道」を出版し、1942年(昭和17年)に「軽風」を出版しました。それゆえ普通「歩道」が佐藤佐太郎の第一歌集といわれますが、作品の制作時期は「軽風」の方が先んじています。ですからここでは「軽風」を第一歌集としました。・・・ . . . 本文を読む