「日本型ファシズム」。聞きなれない言葉だが、1970年代にはよく聞いた言葉だった。定義は次の通り。
「議会制民主主義の形式だけを残して一党独裁の軍国主義の国家体制」。議会制民主主義が形式的に残されるのは、第二次世界大戦の「ファシズム陣営」との違い。「一党独裁の軍国主義」が「日本国憲法体制」との違い。歴史上かつてなかったので「日本型」となる。
自民党の「憲法草案」と「改憲案」に「日本型ファシズム」の国の形の青写真がある。
先ず、自民党の「改憲案」。神奈川新聞の渡辺記者によれば「個人の尊厳の上に国家を置いている。こんな憲法をもつのは、北朝鮮と中国だけだ。」
事実日本会議系の「創生」という団体の東京研修会には、安倍晋三元首相、下村博文元文科相、衛藤晟一衆議院議員、稲田朋美衆議院議員などが参加して憲法改正の本音を言っている。(「自民党憲法改正誓いの儀式」で検索すれば動画で確認できる。)
また自民党「改憲案」の問題点はすでに記事にしたが、
1,憲法9条に自衛隊を書き込むこと。
これは国防軍を書きこむのと同じ効果があり、集団的自衛権をフルに行使できるようになり、海外の戦場に自衛隊の派遣の根拠となる。自衛隊が米軍の補助部隊となり、沖縄や南西諸島、本土の米軍基地、自衛隊基地が標的となり、その周辺の都市も戦禍にされされることにもなるだろう。
2,憲法に緊急事態条項を創設すること。
内閣総理大臣が判断しさえすれば、「緊急事態」を宣言し、議会と法律を無効化し、内閣の独裁が可能になる。これはかつてナチス・ヒットラーが合法的に独裁政権を確立したのと同じ手法だ。
そして参議院議員選挙直前の、安倍晋三元首相の銃撃による殺害。これは許さざるべきことだが、全国各地の記帳所が設けられ、人が殺到している。安倍晋三元首相の国葬も行われる。一連の「軍国主義化」を進めてきた政治家が、まるで受難者、殉教者のように扱われている。
参議院議員選挙では、自公維のほか参政党、N党などの改憲勢力が、「憲法改正」の発議のできる3分の2をこえた。
「日本型ファシズム」が現実的になって来た。「9条改憲NO市民アクション」と全国の「九条の会」が「stop改憲発議」の署名を集めている。これを軸に「改憲」を食い止める必要があるだろう。