岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

「星座α30号」より5首

2022年10月08日 23時35分48秒 | 岩田亨の作品紹介
・眩しかる舞台の上のダンサーは憂い漂わせ裾るがえす

 知人のフラメンコの舞台を幾たびも見た。フラメンコは流浪の民の楽曲。そのせいだろうか憂いに満ちた表情をして舞台で踊るのを見た。場所と時刻は「捨象」した。  

・会いたしと汝(なれ)よりメールが届きたり紫陽花の咲く6月の夜に
 「相聞歌」。知り人から「会いたい」とメールが届いた。男女の別、時刻は「捨象」した。

・報道に心の曇る一日(いちじつ)は清楚なるはな夏椿を恋う

 「社会詠」。報道に心穏やかならぬ。昨今。そうしたときは美しきものに癒される。どの様な報道か、媒体は何かは「捨象」した。

・汝(なれ)の顔を思い出すときあわあわしムクゲの花の白き輝き

 「相聞歌」。知り人の顔を思い出してあわあわしい思いがした。ムクゲの白さを思った。男女の別、個別具体的な名前は「捨象」した。

・いそいそと籠に満たせる苺もちわれを訪ねて来る美沙なりき
 「相聞歌」場所、苺の種類、苗字は「捨象」した。



この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 花鎮めの雨の歌:尾崎左永子... | トップ | 星座α30号:作品批評 »
最新の画像もっと見る

岩田亨の作品紹介」カテゴリの最新記事