彼女の話はこうだ・・・。
今日は、友人数人と食事会だった。
お酒も入り、楽しく会話も弾んでいたのだけれど、その中の一人が、最近、自分の身に起こった話を切り出してきた。
彼女は霊感も全く無いと自分では思っていた。
幽霊も見た事ないし、怖い話は嫌いだけど、どこか自分とは係わりの無い世界のような気がしていた。
ところが・・・。
話をしている友人の顔が、みるみるうちに変化し、恐ろしい形相になっていく。
その席にいた、他の友人も、誰もが
「なんかヤバイんじゃないか?」
と思ったそうだ。
話の内容は、仕事上での事なのだが、とにかく空気も違ってくるし、肝心の友達の顔つきも変わってしまう。
あまり気持ちの良い話ではなかったので、そこにいた友人が口々に
「ええ~、怖いからもういいよぉ~」
と言うのだが、彼女は一向に話を止めない。
何気なく、他の話にもっていこうとしても、彼女が話を戻してしまい、結局、その話を最後まで聞いてしまった・・・。
その席にいた友人誰もが彼女の顔つきの変化を目の当たりにし、空気が変わる感じも体験したのだった・・・。
その後も、何だか解らないけど、恐ろしい気は残ったままで、その場は解散になったのだけど、問題は帰り道。
電話をくれた彼女は、途中から一人で歩かなくてはいけない。
何だか嫌な気が自分の周りにも漂ってるのが解る。
これは何とかしなくては!!
そう思い、私に電話をしたそうだ。
とにかく、すぐに生霊だという事はわかったので、とりあえず、こちらに引き取り、結界を張った。
「大丈夫かな?」
今にも泣き出しそうな声だった。
「大丈夫だよ、もう変な気はかんじないでしょ?」
確かめると
「ウン、ありがとう。詳しい話は明日するね。ホント、夜中にごめんなさい」
そのまま電話を切った・・・。
生霊は、全く関係無い相手の場所には居つかない。
居たって意味がないから。
とりあえず、この気の持ち主に返す事にした。
こんな恨みの様な念は、恨んでいる相手に行った所で、結局その念を送っている自分の所に帰ってくる。呪い返しのような感じと言えばわかり易いだろうか?
「人を呪わば 穴二つ」
人を呪う時は、自分の墓穴も用意しろという事だ。
とにかく詳しい話を聞かないと、手の打ち様が無い。
翌日。
私と昨日電話をくれた彼女と二人だけの勤務だった。
「昨日は、ホントすみませんでした」
「これ、ほんの気持ちです・・・」
そういうと、彼女は「越の寒梅」のボトルを差し出した。
こんなものまで頂いては、きちんと話を聞かなくては・・・。
幸い、本日は休診日。
私たちは留守番要員。
荷物が届いたりするので、その受付をしたりするだけなのだ。
着替えて1階に降り、掃除を済ませ、やるべき事をやり終えてから、彼女はゆっくり話し始めた・・・。
つづく
今日は、友人数人と食事会だった。
お酒も入り、楽しく会話も弾んでいたのだけれど、その中の一人が、最近、自分の身に起こった話を切り出してきた。
彼女は霊感も全く無いと自分では思っていた。
幽霊も見た事ないし、怖い話は嫌いだけど、どこか自分とは係わりの無い世界のような気がしていた。
ところが・・・。
話をしている友人の顔が、みるみるうちに変化し、恐ろしい形相になっていく。
その席にいた、他の友人も、誰もが
「なんかヤバイんじゃないか?」
と思ったそうだ。
話の内容は、仕事上での事なのだが、とにかく空気も違ってくるし、肝心の友達の顔つきも変わってしまう。
あまり気持ちの良い話ではなかったので、そこにいた友人が口々に
「ええ~、怖いからもういいよぉ~」
と言うのだが、彼女は一向に話を止めない。
何気なく、他の話にもっていこうとしても、彼女が話を戻してしまい、結局、その話を最後まで聞いてしまった・・・。
その席にいた友人誰もが彼女の顔つきの変化を目の当たりにし、空気が変わる感じも体験したのだった・・・。
その後も、何だか解らないけど、恐ろしい気は残ったままで、その場は解散になったのだけど、問題は帰り道。
電話をくれた彼女は、途中から一人で歩かなくてはいけない。
何だか嫌な気が自分の周りにも漂ってるのが解る。
これは何とかしなくては!!
そう思い、私に電話をしたそうだ。
とにかく、すぐに生霊だという事はわかったので、とりあえず、こちらに引き取り、結界を張った。
「大丈夫かな?」
今にも泣き出しそうな声だった。
「大丈夫だよ、もう変な気はかんじないでしょ?」
確かめると
「ウン、ありがとう。詳しい話は明日するね。ホント、夜中にごめんなさい」
そのまま電話を切った・・・。
生霊は、全く関係無い相手の場所には居つかない。
居たって意味がないから。
とりあえず、この気の持ち主に返す事にした。
こんな恨みの様な念は、恨んでいる相手に行った所で、結局その念を送っている自分の所に帰ってくる。呪い返しのような感じと言えばわかり易いだろうか?
「人を呪わば 穴二つ」
人を呪う時は、自分の墓穴も用意しろという事だ。
とにかく詳しい話を聞かないと、手の打ち様が無い。
翌日。
私と昨日電話をくれた彼女と二人だけの勤務だった。
「昨日は、ホントすみませんでした」
「これ、ほんの気持ちです・・・」
そういうと、彼女は「越の寒梅」のボトルを差し出した。
こんなものまで頂いては、きちんと話を聞かなくては・・・。
幸い、本日は休診日。
私たちは留守番要員。
荷物が届いたりするので、その受付をしたりするだけなのだ。
着替えて1階に降り、掃除を済ませ、やるべき事をやり終えてから、彼女はゆっくり話し始めた・・・。
つづく