生徒のOguraさんが手紡ぎの作業中である
ご自分の畑で植えた綿で糸を紡いでいる
「どのぐらいの糸が出来るでしょうか」
「紡ぐ糸番手で糸の長さは変わるが、重さは変わらないから
綿の重さの糸が出来るでしょう」
一心込めた糸紡ぎの作業は心の修行にも似て忍耐と努力の作業だ
そしてより美しい物を作るという修業にも似て
「作業の手順の改良に改良を重ねて理想に近づく作業が続く
綿が糸に変わるところに目も気持ちも集中して、
綿と相談しながら手と車を操作する、
自分の想いだけでは目指す糸は出来ないから
綿と会話しながら引いて下さい。
人間の身勝手な現在のご時世だが、
綿と自分の心の会話が出来たら楽しい、
と想いながら私は糸を紡ぐ
その作業は、ドラマの連続である
完成を夢見て それは終わりのない旅と似ている
竹島クラフトセンターのメンバーで市内小学校の手織教室の講師のメンバーでもあるOguraさんは
自分の畑で採れた三河木綿を糸にするために綿繰りを作業を終えた綿で今日は綿打ち作業に入りました。
「糸作りは綿作りから始まります」
何の為にどんな道具を使って綿を作るか
個人個人がその目的と意味を込めて綿を作ります。
”勿論、古来の弓を使った綿打ちも基礎の常識として熟練していただきます”
「どうせカーダーで綿打ちするなら、こんな事しなくても」
そうじゃないんだな、近代の高速レピア織機の織物より
シャトル織機の織物が尊ばれるようになって来たんだ。
糸の素性は綿から始まり、その綿は紡がれて糸に変わり、
編み物や織物で組織させて物に変え人類は生命を維持して来た。
その意味から言えば今の作業も重要な事なのだ。
「和綿は綿毛が飛び散らないね」
そうだね、良いところに気がついた.
綿にも色々特徴があるんだ。
今日は竹島クラフトセンターのOguraさんの作品マフラーを紹介しよう、
春だというのにマフラーとはと思うでしょうが
織物組織の勉強で一つの技法を習い始めて技を極めるには
基礎から応用までの工程を勉強する必要がある
季節は外れた春なのにマフラーを織るということなのだ。
この作品は平織ベースにカラミ織りのストライプが入っています。
Oguraさんは沢山のからみ織りを織っていますが平織とのテンションが
違うのでビームの調整に苦労した作品です。
私がブログを休んでいる間に教室内には
生徒さんが織り上げた作品が飾られていた。
早速カメラを取り出しOguraさんのマフラーを
撮影したので投稿することが出来た。
Oguraさんのお宅に長年仕舞い忘れていた羊毛の糸を使って
からみ織マフラーを織り上げた作品である
組織は平織りの組織とからみ織を織る技術を学んだのです。
平織とからみ織の部分のテンションの強さに手こずりながらの織りでした。
ビーム操作に慣れたので次の織物作品にはこの技術を取り入れた作品が
誕生するでしょう。
「もうすぐ織り上がります」
生徒のguraさんが織っていたからみ織りの作品が完成に近づきました。
からみ織りの勉強を始めて3作品目で、
今回はからみ織と平織を交えた作品に挑戦した。
自らから織機にからみ織りの装置を作り、
同時に平織も織り込むという困難極まる織物を織ることに挑戦して来たOguraさん、
経糸が捩れて経緯に隙間が出来る形状の織物に
今回は平織のストライプを入れてからみ織の透け感を強調する織物になった。
今まで張られていた織物が織機のビームを緩めると
糸が柔らかな曲線を描き織物全体が揺らぐ
「出来たわ」
作者の張り詰めた気持ちも緩み出来栄えに笑みが溢れる
織物技術と基本原理を後世に少しでも残しておきたいという
思いかからTCC手織教室では各種織物の技術伝達を心がけている
今日もからみ織りを織っているのは市内から通うOguraさん
絡み織りを始めて何作にになったのだろうか
織っては戻し、織っては戻す事、何回何十回あっただろうか
「もう一度挑戦しますから」
「今度は平織を入れて織ります」
一つの物を極めたい
自分のものにしたい
人のやれない事をやってみたい
織物も自分も極めてみたい
彼女は自分に挑戦しているように見えるが
そんな目標がある彼女が羨ましい
前回企画した絡み織は経糸が切れてしまって途中で断念
それでも諦めることなく再度挑戦するOguraさん
今日は織り始めの日となった。
絡み織の原理を見ることができる様にと
密度を落として絡み織を織り始めた
拡大鏡で見ると経糸が捩りながら織れているのが見えます。
これで自信がついたから先輩が織ったことのある
平織のボーダーを入れた絡み織に挑戦だそうです。
手織教室の生徒さんが織っていたショールが出来て今日はそのお披露目
作者は市内から通うOguraさん
自ら作った総カラミ織り装置で見事に織り上げました。
何回もやり返し調節をして自分流の総カラミ装置で織った
絹のショールを肩に掛けてお披露目です
おめでとうございます。
カラミ装置は観音開きの総カラミ織り
素材は絹の合糸
「家で織ってみました」
Oguraさんが企画して家で織って来たショールを見せてくれました。
手織教室で課題として織ったカラミ織りを自分で企画して追ってみたそう
課題では綿で織ったが今度はアルパカの糸を使って織りました。
織物に均等に隙間を開けた絡み織りのシルエットがたまらなく美しい作品です
同じ織り方でも素材を変えると新しい魅力のある作品に変わりますね
平織にカラミ織りを織り込んだ作品の後
「総カラミ織りを織ってみよう」
と、言うことになった。
「えー!織物全部をカラミ織りで織るんですか」
この授業は織物の勉強というよりも織機と装置に関わる勉強なのだ
サイズと筬通しと綜絖通しが企画書通りか確認が続く
メカの動きを徹底的に頭に入れて装置がセットされて
カラミ織りの点検が終わるといよいよ来週から試験織りが始まる