快気分析

何か快適な気分になれるような記事にしたいです。

自然災害 仕組みとアプローチ -  みなし仮設住宅 と みなし公営住宅

2017-03-27 21:04:03 | 地震 津波
 今年3/19の記事、サブタイトル「災害公営住宅と空家対策」とも関連するのですが、今回は既に東日本大震災でもかなり導入されていた「みなし仮設住宅」とその周辺について考えてみました。
 「みなし仮設住宅」が有効なケースが多い事は次の記事でもよくわかります。

引用開始(一部抜粋)

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG04038_U2A001C1CC1000/
みなし仮設費、現金支給を 検査院が厚労省に改善要求
 大地震など災害時に、自治体が民間賃貸住宅を借り上げて被災者に提供する「みなし仮設住宅」について、会計検査院は4日、家主と自治体が契約を結ぶ運用を改め、被災者に家賃などの入居費用を現金支給するよう、厚生労働省に検討を求めた。検査院は、みなし仮設の費用はプレハブ仮設住宅の建設費を大幅に下回ると試算。みなし仮設の活用で「被災者ができるだけ早く家を確保できるようにすべきだ」としている。
(中略)
 もともとは各県が確保した物件を被災者にあっせんすることが想定されているが、実際には92%の被災者が自分で見つけた物件に入居していた。
 検査院は、目標とした約5万戸のプレハブ完成に半年かかった一方、みなし仮設は被災直後から入居が始まったことも踏まえ「みなし仮設にはコミュニティーの維持などの課題はあるが、避難所の早期解消に効果がある」と判断。
 より迅速な入居を可能にするため「家賃を被災者に直接支給することも有力な選択肢の一つで、弾力的に運用すべきだ」として、「知事が必要と認める場合は被災者に金銭を支給できる」とする災害救助法の規定に立ち返って検討するよう、所管する厚労省に求めた。
 検査院によると、7県で建設されたプレハブ仮設の建設費用は1戸当たり628万円だったのに対し、みなし仮設の費用は2年間で183万円で済む。国はプレハブ建設費の上限を1戸当たり238万円としているが、土地造成費や寒冷地仕様やバリアフリー化の追加費用がかさんだためだ。
 仮設建設には昨年度末までに計約3323億円が使われており、今後、撤去費用もかかる。検査院は「みなし仮設は、費用低減の面でも効果がある」とみている。
 これに対し厚労省は「検査院の検査結果を精査し、今後どのように対応するか検討する」としている。今回の検査院の指摘が、被災者への現金支給を抑制してきた災害復旧のあり方の見直しにつながる可能性もある。

引用終了

 既に既設住宅をみなし仮設住宅として利用するシステムは有りました。
 それにしてもプレハブ仮設の建設費用は1戸当たり628万円という金額ですが、これだけあればかなり古い戸建て住宅でも耐震補強だけでなく、バリアフリーも含めた全体のリフォームも有る程度は出来るのではないかと思われます。
 これは「仮設住宅」に対する「みなし仮設住宅」だけでなく、筆者は「公営住宅」に対して「みなし公営住宅」なる制度が有れば住民が所有する不動産価値が維持されやすいと考えています。
 「みなし公営住宅」とはわかりやすく言えば、住民の所有する住宅を借りた場合には、自治体が「仮想公営住宅の新設や維持費に相当する金額を補助する」、と言うものです。
 例えば民間住宅を借りる場合、自治体が5万円を補助する、と言う制度があれば、その分よりやや少なく家賃を上乗せでき、その代わり耐震などのリフォームに使え、その自治体にある住宅は質の高い状態をキープできます。
 確かに公営住宅が無くなった分、民間で新規の住宅が建ってしまえば意味は無くなってしまうのですが、それは「新規の住宅建設は制限、或いは凍結する」とか、「新規の住宅を建設する場合は、その分、或いは場合によってはそれ以上の延べ床面積の既設の住宅を撤去して更地などにする代わりに、固定資産税をその分減免する」と言うような制度などでクリアできるかと思われます。
 こうして自然災害リスクの高いエリアからリスクの低いエリアへ住宅がシフトして行く様になればベストかと思います。
 3/20の記事でも書きましたが、「空家が増える見通しだから人口が減る、と言うロジック」も考えて対策しないと、人口減少スパイラルは止まりにくい、と言う考え方は軽視できないと思われます。