とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

8月のラボ便り その1

2023年08月21日 | ラボ便り
8月のラボ便り その1

皆様、こんにちは。
少し外に出ただけでも、体力を奪われるような暑さですね。
皆様、くれぐれも熱中症にはお気をつけ下さい。

今回のラボ便りでは、「精子の形態」についてお話します。

ヒトの精子は、おおよそ縦3μm横5μmの楕円形の頭部に約40〜50μmの尾部が付いており、
頭部と尾部の間には運動の為の機関である中片部が存在します。
いわゆるおたまじゃくしのような形をしています。
他の動物の精子も頭部・中片部・尾部から成るところは同じですが、
頭部の形は動物の種類によって異なります。
ヒトのように楕円形ではなく、鎌状の頭部を持つような動物もいます。

ヒトは、他の動物と比べて様々な形の精子を持つ=奇形精子の割合が高いとされています。
同じ方が同じ時に射精した精液の中でも、
楕円形ではない頭部を持つ精子や尾部が折れているような精子が多く存在するのです。

精液検査を行う際は、
WHO(世界保健機関)によるマニュアルで定められた正常形態精子以外の形のものを、
奇形精子として判断しています。
そのマニュアルによると、
検査下限値(一年以内にパートナーが自然妊娠に至った男性の精液所見から定められています)は、
正常形態率4%以上、つまり奇形精子率は96%以下です。
また、年々奇形精子率は増加傾向にあり、
1996年には85%だったものが2010年には96%になっています。

次回は規制静止が増えてしまう原因をご説明させて頂きますね。

コメント
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