まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『書店主フィクリーのものがたり』あ~! 本屋さんになりたい!!

2015-12-11 22:35:25 | アメリカの作家
THE STORIED LIFE OF A.J.FIKRY 
2014年 ガブリエル・ゼヴィン

この物語が、良い小説なのかそうでないのかは、私にはわかりません。
ただ、ものすごくよいお話しだったと思っています。

本屋と言うシチュエーション、多彩なキャラクターの愛すべき登場人物たち、
とんとん拍子といってもいい物語のハッピーな展開…
もう、空き時間がくるのが待ちきれなかったですよ。

島にたった一軒しかないアイランド・ブックスに、ナイトリー・プレスの営業
アメリア・ローマンが訪ねていくところから物語が始まります。

店主、A・J・フィクリーは、2年前に妻ニックを自動車事故で亡くしてから
変わり者&頑固者に拍車がかかり、孤独な毎日を送っていました。

大切にしまっていた、高価な希少本、ポーの『タマレーン』が盗まれた数週間後
A・Jが夜のジョギングから帰ると、店の中に小さな女の子が置かれていました。
女の子はマヤと名乗り2歳だと言います。
残されていた手紙から、マヤは捨て子だとわかりました。
翌日、若い女性の死体が海で見つかり、自殺したマヤの母だと判明しました。

で、A・Jはマヤを引き取る決心をして、それからどんどん人生は好転するわけなのね。
もう、こんなにわかりきった展開でよいのでしょうか? というぐらいうまくいきます。

タイトルどおり、A・Jの後半生を描いた物語で、最後には彼に死が訪れるのですが
それさえも、悲しさよりも、爽やかで心地よい読後感をもたらしてくれました。

とにかく、たくさんの作家名と作品名が登場する物語で、知らない物多数でしたが
知っている作家や作品が出てくるとそれだけで心弾んじゃった!
特に、A・Jがマヤに残した手紙なのかメモなのかが、各章のトップにあるのですが
「これを読むといい」とおすすめしてる本の中に自分のお気に入りがあったら
すごくすごく嬉しくなったりして… ちょっとあげてみるね!

ロアルド・ダールの『おとなしい凶器』『古本屋』
アーウィン・ショーの『夏服を着た女たち』
フラナリー・オコナーの『善人はなかなかいない』
マンスフィールドの『人形の家』、それ以外にもたーくさんたくさん…

もちろん、おススメコメントは、私みたいにいいかげんなものでなく
文学的、哲学的にちゃんとしたもんですので安心してね。

最後に、A・Jからアイランド・ブックスを引き継いだ元警察署長ランビアーズが
語った一文を載せときます。
本好きの皆さんは、たぶんこの部分にものすごく共感できると思います。
たとえ好きなジャンルは違ってもね。

「ー前略ー おれは、本のことを話すのが好きな人と本について話すのが好きだ。
おれは紙が好きだ。紙の感触が好きだ。ズボンの尻のポケットに入ってる本の感触も好きだ。
新しい本の匂いも好きなんだ」

本と本屋さんが好きな方に心からおすすめです!
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことK-POPコーナー
A・Jといえば… U-KISSのA・Jはいつアメリカから帰ってくるんでしょう?
U-KISSといえば… イライ~! おどろいたさ!! おめでとうというべきでしょうが、ペンのみなさんの心中を考えると…
コメント
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