WALKER’S 

歩く男の日日

24日目 5月17日

2009-07-24 | 09年四国の旅

 5:53
24日目の始まり、今日の行程は36.4kmで平地ばかり、しかも札所はなし。7時以降に出発するのは12日ぶりのことになる。今のところは晴れ間も覗いているけれど予報は曇りのち雨、平地だから苦にならない。


 6:58
7時前に玄関に下りていくと、ちょうど同宿のお遍路さんが出かけるところだった。3年前はお遍路さんがここまで来ることはあまりないと言っていたけれど、昨日お風呂を待っているときに訊いたら、前日にも二人のお遍路が泊まったと言うから、ずいぶん事情は変わってきているのかもしれない。少しへんろ道から外れるけれど安く泊まれる宿があることは大分浸透してきたのかもしれない。
 10月の西条まつりのポスターが今頃から・・・、とよく見たら昨年のポスターでした。オペラ歌手の秋川雅史さんは何事があってもこの祭りには帰ってくる、ローマにいても帰ってきたという。


 7:12
12分で国道11号に復帰してくる、本当はここはへんろ道ではないけれど。


 7:18
国道11号は片側にしか歩道がないところが多く、それもすごく狭くて歩きにくい。だからへんろ道を行く方が絶対いい、でも、にぎたつに泊まれば国道を行くしかない。こういう新しい歩道がずっと続けば言うことはないのだけれど。


 7:26
本日の昼食用のパン1個だけ買う。夕食と明日の分はもっと宿に近いコンビニで買うことにする。


 7:54
へんろ道が国道に合流してくるところ。ここからしばらくは国道がへんろ道になる。


 7:56
西条とはここでお別れ、新居浜市に入る。西条市に入ったのは二日前の15時半くらいだったから40時間くらいこの市に滞在したことになる。


 8:09
ここから長い脇道(旧街道)に入る。しかしこの脇道は今までの脇道と違って油断できない。狭い割に車の通りが激しいし、車は我が物顔で全くスピードを落とさない。国道より遙かに危険だといってもいい。


 8:52 喜光地商店街
脇道に入ってからここまでが長い、もう何度も歩いているから、長いことは承知のうえだし、どれくらい歩けば着くことも判っているけれど、最初の頃はいくら歩いても着かないのではないかと思えるくらい長かった。今回は宿から12kmくらいだけれど、いつもは前神寺からここまで15kmは休めなかったから余計そんな感じがするのかもしれない。


 8:53
ステージがある商店街の広場で朝市が行われている。ここにはベンチもトイレもあるので一休みする。ここまでは適当な休み所がない。今日は札所がないので自分で休み所を決められるけれど、休めるところは多くはない。結局12km地点のこの場所と、24km地点の別格12番の2ヶ所だけで休むことになる。最初の頃から変わらないし、変えようがない。


 9:46
喜光地商店街では37分たっぷり休む。休憩が2回しかないので、それくらい休まないと早く着きすぎてしまう。9時30分に出発、歩き始めて16分、民家の前に立っているおじさんが手招きしてぼくを呼び止める、にこにこしながら「お接待しようと思って待ってたの」と、この袋を渡してくれる。中には百円玉が5枚入っていた。お金を頂くのは6年前以来2回目のことだった。とてももったいなくて使えないけれど、ご厚意を生かすのは使うことでしかないから大切に使わせて貰うことにする。


 9:56
市民運動会が行われている小学校から、銀河鉄道999の軽快なメロディが流れてくる。完全な吹奏楽アレンジ、各楽器の特性が生かされたぼく好みのアレンジになっている。しばらくは音楽に合わせてうきうきしながら歩くことができる。


 9:59
2時間ぶりに国道を歩くことになる。


 10:00
国道に合流したところにスーパーがあって、その前に電話ボックスがある。2日後、坂出のみき旅館、3日後、高松のビジネス旅館三鈴、4日後、さぬきの民宿八十窪に予約を入れる。3軒とも無事終了、これですべての宿の予約が終わった。旅の終わりが本当に近いことを実感する。


 10:14
合流地点から7分、ちょっとした峠を越えて、また脇道に入る。


 10:21
700mで国道に合流する。


 10:22
合流してすぐの所にコンビニがある。今まではいつもここで夕食を仕入れたけれど、もっと宿に近いところに新しいコンビニができたので、そちらで買うことにする。


 10:32
今日のゴールまで18km、ということはあと3時間。ということは1時間半くらい休憩しなければならない。


 10:41
新居浜市から四国中央市に入る。合併前は土居町。土居町、伊予三島市、川之江市が合併して四国中央市になった。とっても歩き甲斐のある大きな市。


 10:43
いろんなシールが付いてる脇道の入り口。ここから宿までもう国道を歩くことはない。ほとんど車の通らない歩きやすいへんろ道を行く。


 10:55
6年前にお金を頂いたのがこのあたりだった。偶然にも同じ区間だった。ほとんどのことは忘れてしまったけれど、決して忘れられないこともいっぱいある。


 11:20
国道を横断すればもう延命寺は近い。


 11:35 延命寺
喜光地商店街から12.1kmを117分、例年より2分遅れで到着した。ここが2回目にして最後の休憩地になる。ここから宿まで12km、2時間ほどで着いてしまうから、相当休まねばならない。このお寺のシンボルになっている「いざり松」を初めてゆっくり見物する。


 12:44 松屋旅館
延命寺で休んでいると雨が降り始めた。あと全部降られたところで2時間だから、大したことはない。1時間ちょうどの休みで12時35分に出発する。3時までに着いてしまうけれど、これ以上休む気にもなれない。1時間休んでいたけれど、この前を通るお遍路は一人もいなかった。今日はここまで一人のお遍路にも会っていない。宝寿寺や前神寺の近くの宿に泊まった人のほとんどは、この別格の近くの二つの宿に泊まるから、この前を通るのは4時前後になるし、西条の駅の近くに泊まって伊予三島まで行く人はここを通るのは1時間以上後になる。ぼくは一番人に会いにくい時間を歩いている。


 12:56
へんろ道はここから国道の南側を行く。ほとんど平地だし車もあまり通らないので最高に歩きやすいへんろ道らしいへんろ道。


 13:53
新しくできたコンビニ、国道とへんろ道の間にあって、どちらからでも入れるようになっている。4年ぐらい前にこの近くにできたローソンは1年後につぶれていた。それは国道の反対側だったから、同じ運命を辿る可能性は少ないと思いたい。


 14:29
昨年まで影も形もなかったものすごい道がへんろ道を横断している。国道11号のバイパスみたいですね。


 14:38
当初ここで納経料の百円玉をおろすつもりだったけれど、明日の分は確保できているので入らない。


 14:40 伊予三島駅
延命寺から12.1kmを116分、例年より1分遅れで踏切まで来た。誤差の範囲で満足。今日は大体例年並みの歩きができたようだ。ここから宿まで5分くらい、踏切の手前にベンチがあったので時間合わせに少し休むことにする。


 14:49 ビジネス旅館高雄
踏切のところで6分休んで、ちょうどいい時間に着いた。ビジネス旅館高雄は3年連続3回目の投宿。素泊まり3000円だから、ほかのところは考えられない。しかもご主人の笑顔の出迎えが何とも言えない。迎え方一つで1日の疲れが本当に吹き飛んでいく。コスタブランカといっしょで風呂は自分で入れる。ぼくの部屋は2年前と同じでお風呂の隣の部屋。お湯の勢いがすごいので10分くらいですぐ入れるようになる。
 風呂からあがり、夕食も摂って、ゆっくりしていたら夫婦の歩き遍路がやってきた。もう6時少し前、飛び込みなのか、夕食は外で摂るようでご主人に店の場所を教えて貰っている。それにしても、ぼくなどからすれば無計画なやや無謀な感じがした。飛び込みなのはいいとして、それなら食事は用意しておくべきだろうし、外で食事を摂るならもっと早い時間に宿に着くべきだろう。もっと余裕を持って宿に着けるようにすべきだし、予約も早めにしておけば外で食事を摂ることもないし、もっとゆっくり休めて明日の歩きに備えることもできるのに。食事を終えて風呂に入ったのは8時を過ぎていた。