医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

あえて

2016-10-22 05:53:49 | 薬局
調剤権の放棄か。

日本薬剤師会は20日の定例会見で、先日お伝えした中医協の中川委員と幸野委員との「処方権と調剤権の格差」に関する論争に対して「あらためて処方権、調剤権の議論をする必要もない」とバッサリ切り捨てた感がある。
これでいいのだろうか。

もし薬剤師に「調剤権」がないなら、基本的に薬剤師は医師の処方せん通りに調剤と言う作業をするだけになる。
「調剤権」がないとは言わないが…。
会見では「患者を診断し、適正で妥当と思われる医薬品を選択するという意味での処方権は医師の職能であり、処方せんに疑義があるかどうか、問題があるかどうかをチェックし、調剤するのが薬剤師の役目だ」とした。
こうなると後発医薬品への切り替えや残薬調整もすべて医師の判断にゆだねるってことなのか。
さらに、長期処方に対する服薬状況の管理も「調剤権」に含まれると思うが…やちゃダメ!
もし薬剤師に「調剤権」など議論する余地がないなら、「調剤料」が無くなっても文句は言えないような気がする。
医師の処方せんに対して疑義や問題をチェックするな「監査料」になる。

また、薬剤師法第19条には「薬剤師でない者は、販売又は授与の目的で調剤してはならない」となっている。
調剤は薬剤師の特権事項だ。
その中に特例が認められているが、薬剤師がいない診療所での調剤は認められていない。
まさに薬剤師の「調剤権」を主張すべきタイミングじゃないだろうか。

昨年から院内と院外の患者負担の格差が問われている。
先日も中川委員が中医協ではない会議で、薬局の「調剤料」に対して問題提起をしていた。
要は、調剤医療費の「調剤料」が高いと言っている。
今回の幸野委員の「処方権と調剤権の格差」の議論は、まさに薬剤師の「調剤料」をある程度擁護する発言と思っている。
ここで当事者の薬剤師会が「議論することはない」としてしまうと、幸野委員からの援護射撃は無くなる。

幸野委員は支払い側の立場である。
支払い側は医療費が抑制出来ればいいので、極端な話は院内と院外の格差を是正するためには、薬局の「調剤料」を大幅に引き下げる案が出てこないとも限らない。
何だか逃げているような感じがする。

「調剤権」に関することを、なぜ「薬剤師会が言う事ではない」と言えるのか。
誰が「調剤権」とは何かを明確にすべきなのか。
それとも「調剤権」など存在しなかったのか。

以上は、あくまでも私見である。
それぞれの頭の中で考えて欲しい。
あえてコメントは要りません。

明日の「HSE・ネクスト全国大会」では、幸野委員が登場する。
この「処方権と調剤権の格差」はスルーしないはずだ。
さて、どうなるのか?






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2 コメント

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Unknown (権利)
2016-10-22 10:14:54
調剤権とか処方権といいますが

診療権とか診断権とは言わないです

外国では処方する義務という考えかたみたいです
薬剤師も調剤する義務

医師会が権利を主張しすぎです
薬剤師会も いいなり
弱すぎ (駒形和哉)
2016-10-23 04:38:09
ゆがんだ医薬分業ですね。
薬剤師の役割をもっとはっきりさせるべきです。

医療は医師だけで賄っているわけではありません。
それぞれの専門性を生かす仕組みが欲しいです。

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