いくやの斬鉄日記

オープンソースからハイスクールフリート、The Beatlesまで何でもありの自称エンターテインメント日記。

日経 Linux (リナックス) 2014年 12月号

2014年11月09日 20時54分47秒 | Ubuntu
日経 Linux (リナックス) 2014年 12月号
クリエーター情報なし
日経BP社


今回は第1特集を2ページほど書かせていただきました。どれかはご想像にお任せします。
39ページのタイトルがVNCにするところをVLCになっていてアレですね……。Ubuntuの方でUbuntu Japanese Teamで書いた部分は目を通していたのですが、それ以外は初めてだったのでちょっとびっくりしました。

LinuxレポートではUbuntu 14.10が取り上げられていますが、Ubuntu ウェブブラウザーは14.04にもあります。そもそも、これは単体のアプリケーションとして使用するものではなく、Webappとして呼び出されるときに使用されるWebブラウザーです。/usr/share/applications/webbrowser-app.desktopを見たら一発でわかりますが。

コミュニティ訪問には、我らが(?)リーダー、小林さんが出てきてました。どうでもいいけど、どうして「小林氏」「あわしろいくや氏」なんでしょう。「いくや氏」でいいのに。

特集3は……。こんなデスクトップ環境の解説は初めて読みましたが……。この解説だと単なるライブラリ、ってことになりませんかね。下の方から上の方までいろいろ統合されているのがデスクトップ環境だと思うのですが……。
『日本語入力環境を整える』は、どうしてAnthyなんでしょうか……。ここはMozcじゃないですかね……。
MATEの説明の「最近ではGNOME 3と同等のライブラリが開発され、MATE上でGNOME 3のアプリケーションも動作するようになっています。」は最高に意味不明です。MATEは独自ライブラリを捨てる方向で開発が進められているので。
LXDEのファイルマネージャーはPCManFMですね。
ただ、Unity 8はよく動かしたなと思います。

水野さんの連載はVirtualBoxを取り上げていて、私のPPAも紹介されているわけですが、Oracleのバイナリを使う理由はよくわかりません。
一番いいのはUbuntuのリポジトリにあるパッケージですが、これはリリース後よりも新しいOSは使用できません。そこで、整合性を取りつつ新しいバージョンを私がPPAで提供しているわけですが、確かにこれを常用するのはリスクがあるわけです。具体的には、私が新しいバージョンを使用したくない場合とかですね。でも、メリットもあります。例えばVirtualBoxに特大の地雷が埋め込まれていた場合。ちょっと前にWindows版でやらかしましたけど、こういうのは防げます。たぶん私はみなさんが思うよりもこまめにVirtualBoxの情報を収集しています。
あと何よりいいのは、Guest Additionsをパッケージからインストールできることです。いちいちisoイメージをマウントして云々とかやらなくても、PPAを追加してapt-getでインストールすればハイおしまい。これはメリットだと思いますが、まぁ仮想マシンをたくさんインストールしない場合はあまりメリットではないかもしれません。
ちなみにisoイメージからGuest Additionsをインストールする場合は事前にdkmsをインストールしておくといいです。でないとカーネルをアップデートするたびにGuest Additionsをインストールする必要があって不便です。これに言及しないのはマイナスですね。
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Ubuntu Weekly Recipe 第348回 新フレーバー,Ubuntu MATE入門

2014年11月06日 00時11分44秒 | Ubuntu
Ubuntu Weekly Recipe 第348回 新フレーバー,Ubuntu MATE入門

実のところ原稿自体は先週のUbuntu GNOMEのと同じタイミングで書けていて、最初はこちらを先にしようかと思ったのですが、FAQに14.10をリリースしてから程なくして14.04のisoイメージを配布するよんと書いてあったので、1週間待ったら出てくるかなーと思ったのですが、見事に出てこなかったので1週間遅れただけでした。
正直なところどこまで書くか迷ったのですが、入門としてはまぁこんなところかなと思います。
どのぐらいの人がGNOME 2.xを触ったことがあるのかわからないんですよね……Ubuntuだと本文にも書いたとおり10.10まで、ということは4年前……うっ頭が……でもVineだと現役ですし。

もうすでに多くの方にご覧いただけたようで、よかったです。
インターネット上にはさまざまな情報があり、正確なものもあればそうでもないものもあり、読者が混乱するかもしれませんが、このように正確なことが書かれた記事が多くの人の目に触れることによってますます価値(えげつない言い方をすれば検索した時に出てくる順番)が向上するのであれば、より多くの方により正確な情報が届けられる、ということです。
たくさんの方に読んでいただき、自分も触ってみたい、インストールしたい、と思っていただけることが、何よりの報酬だと思っています。いつもありがとうございます。
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ユーザーインターフェースの翻訳の勘所

2014年11月01日 21時19分23秒 | OpenSource Software
最近、でもないか、ちょっと前にMATEの翻訳者になりまして、気に入らないところとか直してました。
その一環としてEngrampa(file-rollerのフォーク)の翻訳を見てると、こんなのがありました。

"作成・アーカイブ展開有効"
お、おう……。
英語をひらがな・カタカナ・漢字混じりの文にすることを翻訳というわけではないのですが、どうしてこうなった……。

というわけで、これを例にどのように翻訳したらいいのかを考えてみましょう。まずは原文です。
"Allows to create and extract archives"
私の場合は最初に単語に分割するのですが(たいていそうだと思いますけど)、どう訳すかは他でどのように訳されているかを参考にします。すると、
create…作成
extract…展開
archives…書庫
となります。これは翻訳ファイル(poファイル)を上から下までひととおり読むと掴めますし、もし揺れがあったらついでに修正しましょう。同じ語で別の語に翻訳しなければいけないケースというのは、ユーザーインターフェースの翻訳に限るとさほど多くありません。単純なミスか、前後を読んでいないかを疑いましょう。

あとは"Allows"をどう訳すかですが、辞書を引いてみます。「有効」という訳はありません。
どの訳にするか迷うところですが、その場合はpoファイルを見ます。
#: ../caja/libcaja-engrampa.caja-extension.in.h:2
msgid "Allows to create and extract archives"
なるほど、Caja(ファイルマネージャー)の拡張機能で使われそうな文に見えます。ロードマップにも
caja: Extension management system (GSOC 2014)
とあるので、拡張機能の管理であれば普通に「許可」でよさそうです。

そこで修正したのがこちら。

"書庫の作成と展開を許可する"

誰が翻訳したのか名指しで批判するようなことはしませんし、誤訳をするなというのも無理ですが(私もいっぱいしますし、誤訳を恐れないのも時には必要です)、それにしてもこれはひどすぎるので(せめて日本語と呼べるものにして欲しい……)、猛省していただきたいところです。
コメント (4)
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