「仕事を失った派遣労働者などを対象に、NPO法人が、就職活動の支援やアドバイスを行う相談窓口が山梨県中央市に設けられました。」との記事をNHK山梨のニュース 2009.01.04 で読みました。
特定非営利活動法人山梨キャリアコンサルティング協会-「ニュース」に最新情報があります。
山梨NPO情報ネットによると、2004年05月13日認証の特定非営利活動法人で活動目的は、『この法人は、就業し社会生活を営むことを目的とする全ての人に対して、キャリアコンサルタントに関する事業を行い、個人の職業選択やキャリア形成の支援を通して、豊かで実りある人生を設計することに寄与することを目的とする。』 下にNHKの記事から引用しておきます。尚、NPO日本キャリア・コンサルサント協会というのが内閣府認証で全国展開をしています、リンク集には山梨YCCAも入っています。
相談は専門知識がある5人が担当し、就職活動の進め方について相談に応じるほか、面接の受け方や履歴書の書き方など、就職に関する実践的な指導を行います。窓口では当面、今月中の土曜日と日曜日、それに祝日の午前10時から午後6時まで相談に応じるということで、まず最初に055-274-7722に電話をしてほしいということです。NPO法人の藤原行雄事務局長は、「県内でも雇用問題は深刻になってきているので、今回の取り組みを始めることにした。気軽に相談してほしい」と話しています。
2008年12月25日にデジカメはキャノンでよいかという記事を書いてから正社員と非正社員の格差の問題や企業の存続などのことに触れた記事を読んで来ました。日比谷で年末年始を生き抜く。 - 年越し派遣村という公式ブログまで出来ている、特定非営利活動法人自立生活サポートセンター もやいという活動もある、そんなことを知りながら憂鬱な気分で過ごした年末年始でした。同じようになる状況を何度も乗り越えて来た私としては他人事(ひとごと)とは思えないのです。
追記-「年越し派遣村」に関連して共同通信は500人の宿泊スペース確保 学校跡地など都内4カ所に(2009/01/04 23:38 )を配信しています。 年越し派遣村ブログ記事
元旦の各紙社説では東京新聞や朝日新聞が「新自由主義」、「市場原理主義」などの言葉を使いながら小泉改革以後を論じているように思えました。私には日本経済新聞が書いた、『市場を信頼し自由競争を重んじるこの保守主義の政策が金融危機を招いたとする見方もあるが、必ずしも正しくない。保守主義は「何でもご自由に」ではないからだ。』という部分にうなずきたい気持ちがあります。金融問題だけではなく経済活動には「自由競争、市場原理」があるべきだと思うからです。しかしなぜ雇用に起因する格差社会が生れてきたのかという事がいまひとつ腑に落ちませんでした。でも雇用システムの作り方によっては格差を生むと見せてくれたのがキャノン問題です。
格差社会の元凶とされているように思える「市場原理主義」が実は雇用される側と雇用する側との間では機能していないのだということが、少しずつ分かってきました。雇用制度に対等な市場原理が機能するようにはシステムから作られていない、そのシステムを構築したのが「倒産しない日本国の正社員」である官僚だったからでしょうか。辻広雅文さんがお書きになった記事を読んで、それを変えようという動きがある事も知りました。
◇ ワーキングプア 「努力すれば抜け出せますか?」 2007年05月22日 山梨キャリアコンサルティング協会
◇ 正社員のクビを切りやすくする改革は受け入れられるか 辻広雅文(ダイヤモンド社論説委員) 2008年02月05日
◇ 再度問う。正社員のクビを切れる改革は本当にタブーなのか? 同上、2008年02月20日
◇ 雇用環境も福祉も欧米以下!
日本は「世界で一番冷たい」格差社会 米国の著名社会政治学者が大警鐘 ダイヤモンド・オンライン 2008年06月30日
◇ 奴隷制の効率性 池田信夫 blog 2009-01-03
◇ 人権という迷信 同上、2009-01-04
今の経済状況から回復するために財政出動が必要なら、その行き先は中央官庁や企業による「市場原理主義」の被害者に対する社会の安全ネット強化に向ける事が一番よいでしょうし、今はそれしか無いと思います。住まいや雇用保険、医療保険そして年金を万人が確保できるようにしながら、同時に真の意味での市場原理でシステムの再設計をしていくべきでしょう。おそらく公務員労働市場こそが市場原理主義を組み込まねばならない最大の市場かもしれません。それに踏み切れる政治が可能かどうかです。
そして派遣切りなどする企業には誰も就職しなくても「スモールイズビューティフル」で生きていかれるような仕事の群れ(NPOなど)をどんどん作り上げる事です。
東京新聞が書いたようなスウェーデン型社会が可能なのかどうかわかりませんが、日本経済新聞が書いたように、『小泉政権の下で郵政事業の民営化などに踏み出したものの、医療、農業、教育、運輸など成長につながる多くの分野で、民間の力をいかすための改革が足踏みしている。』という事に注意して、もう二度と「官僚の便乗を許さない」、国民の代理人としての政治(家)主導のシステムにするべきでしょう、組織の代理人ばかりのさばって来たから、こんな状況になったのではないですか。
さて、地デジ移行問題に真の市場原理主義が適用されていたらどうなっていたか、2011年7月地デジ移行まであと930日。デジタル格差(情報利活用格差)の拡大かそれとも解消か。
日比谷公園は東京都の東部公園緑地事務所が管理しています。年越し派遣村については管理課に口頭で申請があり、集会など一般利用は認められているが宿泊や火気の使用はできないことを伝えたとのことです。その後は年末年始の休みになったわけですが新聞、テレビでも大きく報じられていたので石原知事も当然ご存じだったでしょう。1月5日朝に閉村式が行なわれた事が報じられました。他人事では無いと派遣村を温かく静かに見守った人々の心を感じます。大蔵経寺山の山火事では年末年始返上で活動された消防・自衛隊の方々がおられました。この二つのニュースから感じる共同体の意味をきちんと受け止めたいと思います。「年越し派遣村」ブログを今後もウォッチしていくつもりです。
2ちゃんねる?の投稿をログしてあるブログ-「痛いニュース」などのような意見もあります、Google 年越し派遣村検索で多数の記事がヒットします。本文に書いたような「自由競争、市場原理」について「自己責任」という言葉と並べて考える時には「結果」ではなく「機会」について社会制度がどのように構築されているかも考察せねばなりません。もっと根本にはそういう制度を作り上げた社会のあり方を歴史的な視野も踏まえて考察せねばならないと私は思っています。世の中も人生も複雑怪奇だからおもしろい、生涯学習と言われる由縁でしょうか。