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奴隷制の効率性
年末年始のNHKニュースは、「派遣切り」などの雇用企画で埋まっていた。「朝まで生テレビ」でも雇用規制強化の大合唱で、民主党の枝野幸男氏が「労働者派遣法の改悪に賛成したのは間違いだった」と反省したそうだ。かつてこういう日本的情緒を否定したはずの小沢一郎氏も、「ニコニコ動画」に出演して「われわれが政権を取ったら派遣法を見直す」と語った。こういうパターナリズムは、彼らの意図とは逆に失業率を高め、「ワーキングプア」を「プア」にするだろう。
こういうとき、よく出てくるのが「労働者を商品として扱うな」という話だが、労働者は商品ではない。近代社会では奴隷は禁止されているので、労働者(人的資本)を売買することはできない。商品として取引されるのは労働サービスである。もし人的資本の売買が認められていれば、労働者は自分を企業に売り切り、企業は経営が苦しくなったら彼を解雇する必要はなく、他の企業に転売すればよい。人的資本を物的資本と同じように市場で取引できる奴隷制のほうが、近代の雇用契約より効率的だというのが、フォーゲルの有名な研究である(彼はノーベル賞を受賞した)。
ただ近代社会には、すべての個人はひとしく「譲渡不可能な基本的人権」をもっているという(根拠のない)信念があるので、労働者を売買することは許されない。企業という組織は、こうした非対称な制度のもとで労働者を実質的に奴隷化するしくみだ。資本家は労働者の人的資本を所有できないが、物的資本は所有できるので、雇用契約によって資本と労働を結合し、労働者を資本から切り離す権利によって間接的にコントロールする、というのがHartの契約理論のエッセンスである。
労働者をコントロールする上で重要なのは、資本の所有権を資本家が独占することだ。市民社会の原則では資本家と労働者は対等だが、資本家は物的資本を支配することによって、それなしで価値をもたない人的資本を間接的に支配するのだ(このメカニズムを最初に明らかにしたのはマルクスだったとHartは認めている)。もう一つの条件は、労働市場の不完全性だ。もし労働者が解雇されてもまったく同じ条件で他の企業に移れる(他の資本と結合できる)外部オプションがあると、労働者は資本家と対等になるので、雇用契約によってコントロールできない。
だから理論的には、雇用問題を解決する最善の方法は、人的資本の売買を合法化することだ。奴隷のように一生コントロールする契約ではなく、たとえば1年間は人的資本の所有権を資本家に売り、転売を認めるという雇用契約でもよい。企業が労働者を解雇する代わりに転売できれば、失業は原理的になくなる。野球選手の契約はこれに近いが、最終的に雇用契約を離脱する権利が担保されていれば人権侵害にはならない。
しかし人身売買を自由化することは政治的に不可能なので、次善の解は雇用規制を撤廃して競争的な労働市場を作り出すことだ。技術がモジュール化されて資本と労働の補完性(資産特殊性)がなくなり、労働者の外部オプションが内部労働市場と同じになれば、労働者の交渉力は資本家と同じになり、彼らを企業組織で拘束する必要もなくなる。シリコンバレーのように自由に企業間を移動できると、巨大な企業組織も労働組合も必要なくなり、すべての労働サービスは契約で提供できるのだ。
以上は所得分配の問題は除外しているので、あとは負の所得税で再分配すればよい。失業をなくすために重要なのは労働サービスの配分の効率性で、これは分配の公平性とは独立の問題である。
こういうとき、よく出てくるのが「労働者を商品として扱うな」という話だが、労働者は商品ではない。近代社会では奴隷は禁止されているので、労働者(人的資本)を売買することはできない。商品として取引されるのは労働サービスである。もし人的資本の売買が認められていれば、労働者は自分を企業に売り切り、企業は経営が苦しくなったら彼を解雇する必要はなく、他の企業に転売すればよい。人的資本を物的資本と同じように市場で取引できる奴隷制のほうが、近代の雇用契約より効率的だというのが、フォーゲルの有名な研究である(彼はノーベル賞を受賞した)。
ただ近代社会には、すべての個人はひとしく「譲渡不可能な基本的人権」をもっているという(根拠のない)信念があるので、労働者を売買することは許されない。企業という組織は、こうした非対称な制度のもとで労働者を実質的に奴隷化するしくみだ。資本家は労働者の人的資本を所有できないが、物的資本は所有できるので、雇用契約によって資本と労働を結合し、労働者を資本から切り離す権利によって間接的にコントロールする、というのがHartの契約理論のエッセンスである。
労働者をコントロールする上で重要なのは、資本の所有権を資本家が独占することだ。市民社会の原則では資本家と労働者は対等だが、資本家は物的資本を支配することによって、それなしで価値をもたない人的資本を間接的に支配するのだ(このメカニズムを最初に明らかにしたのはマルクスだったとHartは認めている)。もう一つの条件は、労働市場の不完全性だ。もし労働者が解雇されてもまったく同じ条件で他の企業に移れる(他の資本と結合できる)外部オプションがあると、労働者は資本家と対等になるので、雇用契約によってコントロールできない。
だから理論的には、雇用問題を解決する最善の方法は、人的資本の売買を合法化することだ。奴隷のように一生コントロールする契約ではなく、たとえば1年間は人的資本の所有権を資本家に売り、転売を認めるという雇用契約でもよい。企業が労働者を解雇する代わりに転売できれば、失業は原理的になくなる。野球選手の契約はこれに近いが、最終的に雇用契約を離脱する権利が担保されていれば人権侵害にはならない。
しかし人身売買を自由化することは政治的に不可能なので、次善の解は雇用規制を撤廃して競争的な労働市場を作り出すことだ。技術がモジュール化されて資本と労働の補完性(資産特殊性)がなくなり、労働者の外部オプションが内部労働市場と同じになれば、労働者の交渉力は資本家と同じになり、彼らを企業組織で拘束する必要もなくなる。シリコンバレーのように自由に企業間を移動できると、巨大な企業組織も労働組合も必要なくなり、すべての労働サービスは契約で提供できるのだ。
以上は所得分配の問題は除外しているので、あとは負の所得税で再分配すればよい。失業をなくすために重要なのは労働サービスの配分の効率性で、これは分配の公平性とは独立の問題である。
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中山信弘:著作権法



内容が酷すぎて。
経済学者が1人も出ていなかったのは
よくわかりませんでした。
雇用規制強化に対する反論も出なかったので
討論番組として成立っていなかったような
気がします。
朝生を観て、影響を受ける国民が増えたら
どうするんだろうと思いました。
番組制作者は責任感がないのかとも思いました。
プロスポーツの世界では、フリーエージェントやトレードなどで、人的資本をクラブが直接売買していると考えられませんか。その場合、活躍の場を失い、業界を去るプレーヤーの資本価値は皆無とみなされるのでしょうか。
普通の業界と対比しても、プロスポーツでの雇用形態がより良いものとは感じられないのですが・・・。
このブログは経済学を学んでいない私には歯ごたえがありすぎなのですが、勉強のため拝見しております。
雇用規制を強化すれば、雇用が日本から流出するだけという点は、その通りだろうと思います。
ただ、モジュール化の意味がわかっていないのかもしれませんが、、、
単純な事務作業やコールセンター業務だけの派遣社員、工事現場の日雇い労働者、南米プランテーションの農場労働者などの労働力は、モジュール化されていると言えるでしょうか?
このグループこそ雇用主に対して最も立場が弱く、交渉力を持たないのではないでしょうか?
また、(学歴・資格・年齢等が同じでも)個々の労働者の能力ややる気の差は無くせないと思います。
となると、雇用する側は「運悪くダメな労働者を雇ったとしても割りが合う」賃金しか提示せず、そうなれば意欲のある労働者は、自分の能力を知っている(今まで働いていた)企業を離れると、不利になるでしょう。
結局、流動的な労働力市場は、所謂レモン市場になってしまわないでしょうか?
ただ、これは人間にはきつい世界です。信用を持てないアメリカ貧困層の現状を見れば分かる。最終的には、殺伐として強奪や略奪の横行する社会に行き着くのは間違いないだろうと予想します。
実際には、言葉を話して理解するという行為だけでも時間を要することであり、そのために信用がどうしても必要になります。もっと言うと、言語と信用(時間)が相互に影響を与えながら膨張して経済が豊かになり、相対的に平等も達成されるというのが本当の世界観などだと思います。
しかし、このようなところは、すでに労働集約的な職場ではないので、はたして、競争的な市場ができたからといって、一定の経済情勢の下で、需要が増えるかには疑問が残ります。
もっとも、ロボットのコストと競争できるくらい賃金を下げれば別でしょうが。
貧困対策として共産党の穀田さんや社民党の辻元さんが、内需拡大を叫んでいたのには驚いた。
輸出と輸入のそれぞれのGDP比率は、米国と日本はいずれも乱暴に言えば一割前後。
英独仏やカナダなどは3割とか4割。
これ以上日本が介護・医療を成長産業だといって、内需拡大になり、累進課税して将来があるというのか?
農業の開国政策など小さなことできず、少子高齢化する国内にしぼって、お互いにラーメンをゆであい、介護しあって、低い生活水準に成り果てる道を進むべきだといっているようである。
東アジアの労働力が自由に国境を越えて動き、しまいには共通通貨圏を築くなどは、おぞましい生活水準というかもしれない。
しかし私は面と向かって反論できるほどの自信がないことを自白せざるを得ませんが、最近周囲の人々は「開国」より「鎖国」思考のような気がするのは思い過ごしでしょうか。
アジア外交について話が及ぶと、なぜかアメリカの話にすり替わり、政府は「アメリカに対して言いたいことを言っていない」ので、民主党が政権をとったら「言いたいことを言う外交をする」といった感じに結論しました。
民主党はいつもそうです。1/1での放送は見ていませんが、「民主党が参議院選で勝ったから最近ガソリンが下がった」と言ったそうです。(但し、要確認)
政府批判と「民主党が政権を取ったらすべてがよくなる」(中身はよくわからない)しか言っていないのです。唯一わかったのが、官僚機関にイギリスのように100人レベルで政治家を送り込むことです。100人というと、旧社会党勢も入るのでしょうけれども。
12/31では鳩山兄も登場しましたが、その途端に小沢氏は受け答えを鳩山氏に任せ、下を向いて黙り込んでしまいました。党首討論での受け答えでもそうですが、用意した答えしか言えないんじゃないでしょうか。あらかじめ話す内容を予習しているような気がします。
いまは個人事業主をやっています。
契約の中で、正社員の雇用契約が一番ルーズな気がします。
どのくらい頑張れば、いくらくらい給料がアップするのかも
わからないし、「終身雇用制を採用しています」なんて
文書で明言している企業もないでしょう。
「正社員=契約社員の長いタイプ」という形で、きっちり
契約書を交わすようになれば、企業も従業員もハッピーだと
思います。企業にとっては手間かもしれませんが。
日本のサラリーマンは契約とか税制とかに鈍感だと思います。
技術がモジュール化される、というのは記事にもあるように”補完性を無くす”ってことだと理解しました。つまり、(私は製造業ですが)実際の開発の現場における個々の技術間のすり合わせが減っていく、ということで、実際にソフト・ハードの開発現場で起きていることだと思います。あくまで、個人的な経験の範囲ですが。
それと追記みたいですが、あけましておめでとうございます。
現代における人身売買に類似した例を探してみました。表の世界では、マグロ漁船の船員などはけっこう近いかもしれません。乗せられたら最後、寄港するまで半年くらい船に缶詰状態でしょうか。海上油田で働く技術者もそれに近いかもしれません。
一方で裏の世界では、サラ金に返済できなくなった女性や、家出少女などがヤクザ屋さんから売春宿へ売られる事がいまでもまだあるようですね。
>、無能な労働者はディスカウントされ、失業は原理的になくなる。
現在のように広範囲で不況が進行している時には、ディスカウントしても転売できない状況が起こり得ます。しかし労働者は労働させなくても衣食住の経費(固定費)がかかり続けます。そこで企業としてはどうにかして処分したい。この状況において労働者を売買可能な世界では、企業と労働者にどういう事が起こるのでしょう。
中国では昨年1月に労働法が大きく変更されました。契約社員は1年契約で(たしか)3回更新すると正社員にしなければいけない、とか。正社員の雇用契約をきちんと作成しなければいけない、とか。退職時には雇用年数に応じた退職金を払う、とか。ほとんどの外資系メーカーが低賃金ゆえに中国進出しています。それで、この労働法改悪を嫌い、一昨年秋から昨年はじめにかけて、相当数の韓国と台湾の製造業がギブアップして母国へ去っていったそうです。また、去っていった多くの韓国企業が、工員給料や地元銀行の借金を踏み倒していったとも聞いています。状況に合わない、不適切な雇用規制を行うと、どのような事が起こるかを示す良い例ではないでしょうか。
>以上は所得分配の問題は除外しているので、あとは負の所得税で再分配すればよい。
組合が無くなるのはうれしいことなんですが、その代りに”温情主義を求める世論”が労働分配率に対して不当なバイアスを加えてしまいそうですね。特に税負担の問題もあるんで。
逆に企業側(特に日本の大企業)は利益を留保したがる傾向が強いと思いますんで、労働分配率の下方硬直性が強そうです。
ロバート・ライシュ(元ネタはフリードマン)が提案した”法人税廃止”の様な不当なバイアスを排除する措置を実施しないと制度設計・運用が難しそうに感じました。
これはパラダイム・シフトになるでしょう。政治と行政の大変革が可能になります。負の所得税が潜在的に可能にする、社会福祉・医療等および行政サービスと税制の徹底した一元化・効率化。これは、行政改革を徹底する決めてになるはず(行政はムダな事を一切できなくなり、行政機構を最小化できる)。
負の所得税と「外部オプション」の充実にかかる社会的コストとその効率化による効果のバランスが合えば、具体的には、飛躍的な失業率の低減、(引き替えに累進税の廃止?)、社会不安の解消が実現可能に。
社会主義ではないので、賃金や失業率、行政サービスの量と質も含め、すべてダイナミックに変動することは避けられませんが、今よりは、はるかにやる気の出てくる社会になるのではないでしょうか。労資双方に良いインセンティブを与えることができる革新的な考え方と思いました。
ぜひ、いつか未来の政策担当者(民主党でも自民党でも新しい未来の政党でも)に、細部を詰めた上で、経済学者の先生方からご提案いただきたい内容です。一時のバラマキよりずっとバラ色の構想かと。
これを読み落とすと池田先生が社会性を一切無視して奴隷制を奨励していることになってしまいます。人的資本の売買が合法化されるような社会体制は、間違いなく体制打倒の(暴力的)運動やテロの対象になるでしょう。
OECDの勧告を例に出すまでもなく、日本の労働市場の問題は「正社員」(特に大企業正社員や公務員・準公務員)の雇用保護が強すぎることです。高給取りほど解雇圧力が強いのが筋ですが、日本はそうなっていません。「正社員」を前提にした日本の社会システムが機能不全に近づいています。
http://www.oecd.org/dataoecd/47/36/38088741.pdf
フリーターになり始めてすぐに思ったことが、なぜ自分よりも働いていない、いわゆる正社員が厚遇されるのかという矛盾です。
そして、経済学の教科書なんか読まずとも、1カ月ぐらい考えて、なんとなく池田先生が書いた今回の記事のような理由だと思い始めました。
もちろん奴隷になることを強制するのは非人道的ですが、本人が自発的に人的資本を売ることを禁止する理由はありません。これは売春禁止と同じで、売春が悪いのではなく、かつて(貧しさのゆえに)事実上それを強制されたことが悲惨なのです。
だいたい日本の企業は一生、会社に閉じ込められる「終身奴隷」なんだから、一定期間スポーツ選手のような雇用契約をするほうがましでしょう。企業買収は、実は合法的な人身売買です。また現にスポーツでそういう契約が行なわれているように、人的資本の転売可能な契約を結ぶことはテクニカルには違法ではない。
個人事業主の形態で、大手企業の孫受けで開発現場に入っているものです。
池田さんの提案で思ったのですが....
合法化された人的資本の売買って派遣業じゃないのかな?
派遣業や、業務委託とか、人出し業とかなんて、経験知や暗黙知を持たない人を転売して合法的に利益を得ている。
いやだったらいつだって辞めればいいんだよという雇用契約なので人権侵害にはあたらないしね。
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雇用の主体が派遣形式に移りつつある段階での歪や痛みはしかたがないので諦めなさいというのでしょうか
仕事はできる人間に集中し、できない人間には仕事がなくなる事は変わらないのではないでしょうか
負の所得税でセーフティーネットを張れば生きていくことはできるでしょうけど、負の所得税を運用している社会が持続的なものになるのかどうかはわからない。
骨抜きにならないで新しい社会を構築するのも大仕事ですね。
「企業は経営が苦しくなったら彼を解雇する必要はなく、他の企業に転売すればよい」
「もし労働者が解雇されてもまったく同じ条件で他の企業に移れる(他の資本と結合できる)外部オプションがあると」
〜これはまさにシリコンバレー的な世界ですね。
でもそもそも、シリコンバレー的な世界では、現在の雇用形態でも別に困らない。解雇されてもまったく同じ条件で他の企業が雇ってくれるようなら、労働者は困りません。
「企業が労働者を解雇する代わりに転売できれば、失業は原理的になくなる」
〜これはプロ野球的な世界だと思います。
でも、選手の質の問題で転売出来ない場合は珍しくない。プロ野球選手にとって「自由契約」というのは、実質的には失業ではないでしょうか?
「あとは負の所得税で再分配すればよい」
〜社会には必ず所得ゼロの人がいます。怪我や病気で「選手」として使い物にならなくなる、ということは誰の身の上にも起こり得ます。
東京で考えた場合、健康で文化的な最低限の生活を送るために必要な年収は幾らくらいでしょうか? 仮に年250万円として、(たとえば)50%の負の消費税を導入して保障するとしたら、課税最低所得は500万円になります。
直感的には、年収500万円以上の人々への税率はかなり高くしないと成り立たない気がするのですが?
仕事の実力というのは実にしばしば現場の実作業担当者に宿りますが、正社員は実作業に手を染めず出向や研修などで体験せよ、自分は「奴隷」を使役するジェネラリストたれ、と言われたりしますが、この場合のジェネラリストとは社内の人脈を知っているということとほぼイコールで、まさしく一歩社外に出ると通用しない、ポータブルではない技能です。
このような制度は自分の実力と労働によって認められたいと考える良質な「正社員」達にとっても不幸だと、某企業で「ITを持った暴れん坊」だった私などは思います。
池田先生がしばしばおっしゃられるように、正社員と「それ以外」の雇用条件の差別を撤廃することが今後の日本にはぜひ必要と思います。
「負の累進課税」といい、今すぐにも適用したら良さそうな政策がそうされないのは、やはり政治が一皮向ける必要があるのでしょう。
しかし私は政権交代には賛成するものの、小沢一郎は実際は政局オンリーの非常に古いタイプの政治家なので期待しません。彼の言葉に惑わされないようにしたいと思っています。
今の制度ではアメリカでさえ会社の財務状況が悪くなったときにリストラという形で一気にやらなければなりません。つまり企業としても解雇にコストがかかるので歪がたまってからしょうがなくやるということです。
あと、今議論されているのは労働サービス分配の効率の問題であって、労働者が困るかどうかでは無いです。
>プロ野球選手にとって「自由契約」というのは、実質的には失業ではないでしょうか?
あえてこの例にのっとれば、トレードに似ていますね。プロ球団が不必要と思えばその選手との契約を他の球団や他の野球スキルを必要としている企業に自由に売ることができるようにするということでしょう。本人がそれを嫌うのであれば今と同様、契約を解除して個人で別の球団や企業に売り込めばよい。
労働市場全体の話をしているので、ある業界ならダメでも別の業界ならOKということが多いでしょう。その意味で狭い野球界は例としてあまりよくない気もします。
>直感的には、年収500万円以上の人々への税率はかなり高くしないと成り立たない気がするのですが?
そんなことはないですね。
あと「負の累進課税」は、平均所得以下の人も働けば働くほど収入が増える仕組みなので「生活保護を受けるために働かないようにする」ような歪を正し、社会全体として効率を上げるはずです。
負の所得税について、Friedmanは次のように書いています。
The system would fit directly into our current income tax system and could be administered along with it. The present tax system covers the bulk of income recipients and the necessity of covering all would have the by-product of improving the operation of the present income tax. More important, if enacted as a substitute for the present rag bag of measures directed at the same end, the total administrative burden would surely be reduced.
(引用元 p. 192, Milton Friedman, _Capitalism and Freedom, The University of Chicago Press).
これは現在いろいろ議論されているセーフティネット・社会福祉・医療・年金等々における課題を合理的に整理するために有効な視点でしょう。キーポイントは、一元化・徹底した効率化と行政機構の最小化でしょう。
これに、「競争的な労働市場」と「外部オプション」の創出と組み合わさることで、労働者にとっては大きな安心と働きがいが得られる可能性があります。おそらく、行政サイドでは漏れのない所得税の完全な徴収が必要となるでしょう。社会的には「外部オプション」創出の具体的な仕組みや仕掛けも必要かもしれません。必要な社会的コストと効率化による効果とのバランスは政治的に設定されることになるのでしょうが、いろいろ問題がでてくるかも。その点では、法人税の廃止と累進的な税の廃止を行うことで、労働者だけでなく資本家側の関心も引けるかもしれません。ただし、多くの既存の恣意的で非合理かつ複雑な政府による補助金や税の優遇措置は撤廃しなければ、意味ありません。個人の政府に対する依存を避けるには、寄付金控除もより拡大する必要があるでしょう。
この提案は、現状の制度の改善とか修正というものではなく、資本主義社会における労働のありかた、行政府のあり方に対する大きな変革でしょう。みんなmind setを切り替える必要があるのです。明治維新か先の敗戦と同じくらいに大きな変化となります。この提案に賛成します。
サービス残業という違法行為で残業代をカットする大企業がある
くらいですから。残業代が払えないなら、残業しないで仕事が
終わる仕組みを作るべきです。強い会社の社長はそういう経営
努力をしています。
労働者側も違法行為に対しては「冗談じゃない」と転職できる
くらいに自立しないとダメです。それでなくても弱い立場なん
ですから。
それは此の国に於いてすら、既に、ヘッドハンティングなどで取引の対象のなっています。
然し、スキルもキャリヤもない、単に消費されるだけの労働者にとって、そのシステムは、機能するでしょうか。
特に、今既に一部認められているような、海外からの労働者の流入が制限無く発生したときや、或いは、難民受け容れや、就労ビザの緩和などだけですら、状況は不可逆的に文字通り奴隷的環境が作り出されてしまうのではないでしょうか。
人手不足の状況下では、企業家は、手を変え、品を買えて、少しでも安い労働力を導入しようとするでしょうし、難民受け容れや、規制緩和圧力は、強まりこそすれ弱まることはないでしょうから。
>労働者が困るかどうかでは無いです。
私は、現在の政治談義から出発している池田さん原文の文脈から考えて、「労働者が困るかどうか」の問題かと思ってました。
もしこれが労働サービス分配の効率の問題であるならば、確かに制約条件が少なければ少ないほど効率的であることは、少なくとも(かつての)古典派的には自明ですね。(但し、現実的な諸条件を考えた場合、パレート最適の均衡点が存在するかどうか、仮に存在するとしてそこで均衡するかどうかは、また別の問題ですが。)
> あえてこの例にのっとれば、トレードに似ていますね。
>プロ球団が不必要と思えばその選手との契約を
>他の球団や他の野球スキルを必要としている企業に
>自由に売ることができるようにするということでしょう。
このレベルであれば、日本の労働市場ですら既に到達していませんか? 或る企業が経営不振であり且つ業界全体が不況でないならば、別にその企業が労働者を転売しなくても、労働者の方から自主的に転職するのが一般的になっていますよね。
問題は、業界全体が不況の場合、或いは時代遅れになってしまっている場合(「シリコンバレー」でなく「米自動車産業」の場合)に、どう軟着陸させるか(どう社会的コストを最小にして労働力を転換させるか)ということではないでしょうか?
また「故障のためどこも引き取り手が無い」という場合にどうするか(=福祉)、も考えなければならないポイントではないでしょうか? 怪我や病気で「故障者」になるリスクは誰もが抱えていますから。「市場原理の下、保険を発達させる」という解もありそうですが、CDS の失敗を考えたとき、ちょっとこれも幻想のような気もします。
>>直感的には、年収500万円以上の人々への税率はかなり高くしないと
>>成り立たない気がするのですが?
>
> そんなことはないですね。
何故でしょう? 私の250万/500万という前提がおかしいですか?
もし仮に(あくまで仮にですよ)250万/500万という前提で考えるならば、現在年収500万以下の人々が払っている所得税分を負担しなければならない以上、年収500万以上の人々の負担がかなり増えることは自明です。
勿論、「そもそも税金の無駄遣いが多過ぎる(現在の総所得税額が多過ぎる)」というお話でしたら別ですが。
>あと「負の累進課税」は、
>平均所得以下の人も働けば働くほど収入が増える仕組みなので
>「生活保護を受けるために働かないようにする」ような歪を正し、
>社会全体として効率を上げるはずです。
効用関数がどういうカーブになるかを考えてみる必要があります。
というのは、年収ゼロでも負の所得税250万貰ってロックバンドに賭けたいとか、年収500万でもこれ以上頑張って多少収入を高くするよりも家族と過ごす時間をきちんと確保したいとか、そういう人々が相当数いるからです。
>効用関数がどういうカーブになるかを考えてみる必要があります。
効用関数なんてもっともらしいことを言っても言わなくても……現在の生活保護制度ではまったく働かなくても多少働いても支給額に差が無く、むしろ基準以上に働いてしまうと保護対象から外れてしまうのに対し、「負の累進課税」の場合は、少しでも働けば収入が増えるんですから、どちらのほうが労働意欲を向上させるかは自明の理だと思うのですが。
>年収ゼロでも負の所得税250万貰ってロックバンドに賭けたいとか
これらは今の制度下でも同じですね。
それはどんな制度を適用しても例外はあるでしょうが、それを以って制度が無効ということはできません。池田先生風に言えば最低限の論理学から逸脱しています。
前提条件が同じであれば、少しでも働いたほうが収入は上がるというインセンティブが働くほうが、「集団として」労働意欲は上がるはずです。
>私の250万/500万という前提がおかしいですか?
どこに線をひくかというのが実際の政策にする上では大事だと思いますので、世界的に有名な学者のアイデアを否定する根拠として荒っぽすぎるのは間違いないですね。
「実際には増える税負担」が問題というなら、少なくとも実際のデータを調べてもう少し具体的な数字を出さなければ説得力がありません。
それと負の累進課税は現在の複雑な税制度だけではなく生活保護などの社会保障まで含めて分配を効率化するアイデアですので、そこでカットできる社会的コストも見逃さないようにお願いします。
以上!
>企業が労働者を解雇する代わりに転売できれば、失業は原理的になくなる。
すみません、ここがわかりません。
過剰在庫を抱え、製造ラインを止めた企業にとって、「給料がタダでも必要以上の人手は要らない」でしょうし、不況時には他の企業の多くが同じ状態になっているので、転売不可能ではないでしょうか?
一部の産業や一部の国だけが労働力過剰、一部が不足という場合には、労働市場が競争的なほど素早く調整されるでしょうが、失業ゼロになるのでしょうか?
そして、今のように全世界で労働力が余ってしまった場合は、どうしようもないような気がするのですが。。。
やはり置かれている状況からの視点からだな^^;と思いました。経済学は本来は人の学問と思っていましたが、昨今の経済学を学ぶ者にはそれが欠落している傾向が強いように感じます。人を幸せにするのはお金ではないと言うことを踏まえ、経済学を根底から考えてみてはいかがでしょう。例えばキューバなど参考にw良いとこ悪いとこ色々ですが、何か閃きがあるかもしれませんよ。
それにしても、チェの映画なんかタイミング良すぎてちょっと怖いです。9/11の前はパールハーバーでしたしね。偶然でしょうが、折角これだけの影響力をお持ちでしたら、幸せな社会を造る方法も是非考えませんか?
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