事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「YMOのONGAKUその4」

2019-10-27 | 音楽

Yellow Magic Orchestra - Nice Age (live)

その3はこちら

以降YMOは、神経症的な「BGM」、生楽器やサンプリングを多用した「テクノデリック」、パロディ色満載の「浮気なぼくら」を出して全盛期の活動を終える。まあ、わたしはスネークマンショーとのコラボ「増殖」が大好きでしたけどね。

メンバーそれぞれが多才な人だったこともあって、YMOとしての活動がなくても三人はいつもフロントラインにいたイメージ。しかし実際には(あまりはっきりとは書かれていないが)坂本龍一は早くから脱けたがっていたようだし、みんなオトナだから反発し合う前に没交渉になったりしたのだろう。いまは三人でテレビ出演などもするようになっているし、特に細野晴臣の仙人っぷりはみがきがかかっています。

YMOがわたしの世代に与えた影響はやはり大きい。人民服を着て無表情に演奏する彼らのイメージが確かに強いけれど、「トリオ・ザ・テクノ」としてバラエティに出演するなど、後半はその音楽性とは真逆にユーモアを前面に出してきたのがうれしかった。

「増殖」はその結実だし、業界においても息がしやすくなったのではないか。で、わたしたちはそんな彼らの姿こそかっこいいと思っていたわけ。

音楽的には、特に坂本龍一のアレンジは独特で、彼と大貫妙子が組んだときは無敵だとすら思いました。彼は藤井にシンセサイザーについてこう語っている。

「藤井、シンセには背負ってる歴史がないんだよ。ピアノやヴァイオリンには、楽器そのものが関わってきた音楽の歴史があるだろう。例えばピアノを弾くと、同時にそのピアノを使った音楽の歴史も、これから自分が作る音楽の中に組み込んでしまうことになる。シンセはそういう仕組みから解放されるんだよね」

なるほど。まあ、いまはプロフェット5にはプロフェット5の歴史が刻み込まれているような気もしますが。そしてその歴史は、あのころにYMOが切り開いて、しかも爆発的に売れたという事実が否応なしに影響している。

あびるほど彼らの音楽を聴いたわたしたちの世代は、好き嫌いを超えてテクノの子、YMOの子なのだとしみじみと思える。そのことがうれしいです。


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2 コメント

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クラシック好きとしては (みこ)
2020-05-10 10:23:17
YMOの音は初めは苦痛だったのに,
どんどんはまってきてコード進行とかリズムに
魅了されていきましたよ,小~中の頃.
「ビハインド・ザ・マスク」にはもう中毒です.

特に「黒のクレール」でアレンジが坂本さんと
知った時の驚きったら!!
同曲や「風の道」「若き日の望楼」で感じる気持ちは,
大貫&坂本コンビでないと醸し出せない.
一曲で一本の映画のようです.
ター坊 (hori)
2020-05-10 17:47:13
と“彼ら”が呼ぶのと同時に、大貫妙子は
坂本くん、山下くんと呼ぶ。
日本の音楽シーンはすばらしいですね。
で、今日のサンデーソングブックでは
「たまに半音上げたり下げたりする意地悪な
ヤツもいたんですよ(笑)」
という爆笑ネタも。

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