PART1はこちら。
ごぼ蔵たち3人は、ロボの愛車シトロエン2CV(ま、ルパン三世ですわね)で伊豆に向かう。パンと洗剤とさくら餅を買い、富士山に見下ろされながら(ドラマ的に富士山が絶対に必要だったので伊豆なのだ)。ごぼ蔵がどうしても会わなければならない“野口さん”が伊豆にいるから。
しかしようやくたどり着いた野口家の住人はごぼ蔵を知らない。ごぼ蔵も初対面の様子。いったいなぜ?
2億円の仏像との取り替え騒ぎがあったりするので前半はコミカルな感じが強調されていたが、ここから話はいきなりもの悲しい。
ごぼ蔵の妻は事故のために脳死状態になってしまい、臓器を誰かに提供する。妻はそのまま亡くなり、腎臓だけが誰かの身体のなかで生きていることがわかる。
もちろんその誰かが野口家の奥さんであり、ごぼ蔵はその腎臓(=妻のすずちゃん)に向かって謝りに来たのである。彼がいつも電話していたのは自宅であり、そこにはすずちゃんの「おかえり」という声が入っていたのだ。
野口さんのお腹の傷に向かって村上淳の謝罪芸がさく裂する。
「すずちゃん、いつも買い物ちゃんとできなくてごめん。頼まれたものと全然違うもの買ってきてごめん。話、いつも上の空でごめん。洗い物するするって全然しなくてごめん。誕生日忘れてごめん。ごめんは一杯あるけど今思い出せなくてごめん。」
彼はすずちゃんに謝らないことには次の一歩を踏み出せないでいたのである。うわー、ここは泣きました。
ごぼ蔵が持っている携帯(それはロボのものだが)に電話が。
「大丈夫。ちゃんとやれるよ。富士山みたいにちゃんとした人になれるよ」
すずちゃんの声だ。二湖の特技がここでいきる。
三人が去ったあと、野口夫婦は静かに語り合う。
「俺たち、長生きしような。いやってくらい長生きしような」
うううう。この夫婦にももちろんこれまで深いドラマがあったわけで。以下次号ぉ!