事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「踊る大捜査線THE FINAL 新たなる希望」(2012 フジテレビ=東宝)

2012-09-25 | 邦画

Anewhopeimg01 15年間日本のショービジネスをひっぱったシリーズの完結編。異論がおありですか?でもね……

・トレンディドラマと刑事ドラマの融合に成功

・ネットを番宣に活用して成功した最初の作品

・日本の官僚システムの欠陥をあからさまにすると同時に、その補完まで担い

大衆憎悪をこれだけ描きながらその大衆に支持され

・テレビ局が映画を作ることを“当然のこと”にして

・多くのコメディアンや新劇人に違うタイプの役を提供

・お台場というマイナーだった土地をフジテレビとともに観光地に押し上げ

・実写映画の到達点として170億の興収という目標を打ち立て

……えーともっとありますか。それほどに、「踊る大捜査線」という存在は大きかった。だからこそ、批判もされてきたし、わたしもいちゃもんつけてきました。

オープニングはまんま「なくもんか」。阿部サダヲのあの喜劇をそのまんまもってきたかと。あっちはハムカツ屋でこっちは唐揚げ屋だけどね。

「俊ちゃん」「すみれ」と呼び合う青島(織田裕二)と恩田(深津絵里)が、観客の『こうであってほしい二人』を体現していておかしい。

もちろん唐揚げ屋夫婦は捜査活動の一環。でも、逮捕のあとに「撤収!」と看板が取り外されるくだりは、おだやかな展開はこれで終わりですよという宣言。例によって寅さんパターンの幸福は血なまぐさい事件によって転調を余儀なくされる。

で、リズム&ポリスが派手に流れるタイトル。今までになくかっこいい。15年の歴史、そして今回の事件の背景にある場面を散りばめるので、この作品から「踊る」を見始める観客(いるはずです)への解説として見逃せない。

特に今回は音と編集にかなり凝っているし、最初の5分ぐらいは見逃しても……なんて考えちゃだめですよ。あああやっぱり一回で終わろうなんて考えたわたしが甘かった。以下次号

コメント (2)
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