A.himeのフォト日記

日常の思ったこと、感じたことを自由に気ままに・・・
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極彩色の昭和の寺

2008-05-11 | 写真と旅
因島撮影旅行・・・
2日目のこの日、夜明けの撮影のあとは西の日光と言われている瀬戸田の耕三寺と平山郁夫美術館へ行くことに。写真は撮れないかも知れませんがせっかく近くまで来たのだからと観光して帰ることにしました。

朝食の時、昨日お世話になった家族連れと一緒になりました。除虫菊撮影地から土生港へ車で移動中、思わぬアクシデントがあり、困っているところを助けていただいたのでした。本当に親切な方たちで・・・今回は人の温もりを感じた旅でもありました。ありがとうございました~。



瀬戸田の誇り…平山郁夫美術館

私の中の平山郁夫は…某デパートの美術展で見たリトグラフ「朝陽らくだ行」と「月明かりの砂漠」。シルクロードへの旅のロマンを感じさせる素適な絵でした。もちろん実物は購入できませんが、絵葉書を額に入れて楽しんでいます。

平山郁夫美術館はその故郷、瀬戸田町(生口島)にあります。一辺の長さ80メートルを超す日本瓦葺切妻屋根の平屋建の建物で、内部は木の造作を多用し、木造の雰囲気がありますが、実は鉄筋コンクリート造なのだそうです。ゆったりしたアプローチにはヒメウツギの白い花が清楚に咲いていました。
展示室には絵画製作のための取材地図や画伯の生い立ちから現在に至るまでの活動を写真等を使って分かりやすく展示してあり、特別展「平山郁夫 中国と西域を描く」では、「渺々たる長城終竟嘉峪関」など、大作7点を含む61点、1975年以来取材してきた中国各地と、西域と呼ばれた中央アジアを描いた作品を展示していました。

もちろん館内の撮影は禁止です。受付で荷物を預かってくれたので、身軽にゆっくりと観覧できました。ロビーからは大きなガラス越しに静かな日本庭園(瀬戸内の多島美をイメージした庭園。四季おりおりに花が咲く)が見渡せ、しばらくそこでゆったりとした時間をすごしました。

平山郁夫美術館公式HP




日光東照宮陽明門を模した孝養門



各部の装飾や彫刻も豪華で極彩色です。



孝養門を斜めから



平等院鳳凰堂を模した本堂


耕三寺は想像以上に色彩が賑やかでした。境内は日本各地の有名寺院の堂宇を模倣した極彩色の建物で構成されていて、別名「西の日光」とも呼ばれているそうです。

山門(京都御所紫宸殿の門)中門(法隆寺楼門)羅漢堂(法隆寺西院伽藍の回廊) 鼓楼(新薬師寺鐘楼)鐘楼(新薬師寺鐘楼)五重塔(室生寺五重塔)法宝蔵(四天王寺金堂)僧宝蔵(四天王寺金堂)孝養門(日光東照宮陽明門)至心殿(日野法界寺阿弥陀堂)信楽殿(日野法界寺阿弥陀堂)本堂(平等院鳳凰堂)多宝塔(石山寺多宝塔)八角円堂(法隆寺夢殿)銀龍閣(慈照寺銀閣)仏宝蔵(新薬師寺本堂)・・・

すべて日本の著名仏教建築などを模した建物ですが、実物よりはるかに華麗に飾り立て彩色しているのが特徴で、特に柱の表面の浮彫群はこの耕三寺の一番の特徴なのだそうです。

他にも千仏洞地獄峡(約350mに及ぶ地下霊場。仏教世界の地獄観・極楽観を描く)や救世観音像(コンクリート・漆喰併用の彫像で総高15m)礼拝堂、潮聲閣(金本耕三氏が母のために建てた旧邸宅。耕三寺の原点)などが所狭しと配置され、道路を隔てた南側にある金剛館にも仏教美術品が多数展示されているようでした。

境内での写真撮影はOKと言うことで、受付で重い荷物を預け、カメラ2台を持って中に入りましたが、あまりにも多くの極彩色の建物に圧倒され、シャッターを切れませんでした。寺院とは言え、こんなに並べられると落着きませんね。やはり私には素朴な侘びの建物のほうが性に合っているようです。^^;



白い大理石の庭園、未来心の丘


耕三寺の敷地内、境内北方にある未来心の丘にも行ってみました。
瀬戸田の町と瀬戸内海を見渡せる小高い丘にある広さ5000㎡にも及ぶ大理石の庭園で、広島県を拠点に活動する芸術家杭谷一東氏の設計・制作だそうです。
エレベーターを降りるとそこは白い別世界でした。この日はお天気が良すぎて白い石の反射が強く、目が開けられないくらいです。丘の上にはイタリアから運んだ大理石で創られた大小様々な形のモニュメントがあるそうなのですが・・・私たちは眩しすぎて、そこに長くはいられませんでした。曇り空だったらもう少し散策したかも知れません。たくさん植えられていたジャスミンの香りだけが記憶に残っています。


【耕三寺】

生口島は古来から立派な寺社が建てられてきた歴史をもつ島です。今でも向上寺三重塔や光明坊十三重塔などが有名ですが、その島に昭和になって新しく誕生した寺が耕三寺(こうさんじ)で、宗派は浄土真宗本願寺派。開山は耕三寺耕三和上。

耕三寺は耕三寺耕三和上の母親の菩提追悼のために三十年以上かけて作り上げたコピー建築群です。和上はもと、我が国における鋼管溶接技術の草分けとして、大阪で大口径特殊鋼管の製造会社を設立し成功を収めました。当時故郷瀬戸田に暮らしていた母親の安息の居となる別邸をここに建てたのがはじまりで、母の死去後は出家し、私財を投じてこの耕三寺の伽藍を完成させたそうです。

耕三寺博物館公式HP


耕三寺から瀬戸田の港までブラブラと商店街を散策しながら帰ってきました。途中で立寄った料理屋さんでの「特製アナゴどんぶり」も美味しかったし、立ち食いしたコロッケも美味しかった。このコロッケ屋さん、瀬戸田では有名らしく、芸能界の誰かさん(名前忘れた?)も立寄ったと書いてありました。
瀬戸田の港から尾道までは船が早いそうです。ネットでは調べられませんでしたが、地元の人が教えてくれました。こうして地元の人たちとふれあえるのも、旅の楽しみのひとつですね。^^ とっても楽しい、いい旅になりました。

ただ・・・荷物が重くって・・・2日目はあまり寄り道できませんでした。実は土生港のM氏の奥様にいただいた大きな安政柑を二つも、リュックに詰めての道行きでした~^^;


訪問ありがとうございます 
コメント
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