・墓場鬼太郎 第6話「水神様」
(脚本/成田良美、演出/石黒 育、作画監督/清水昌之・曾我篤史)
今回は、Aパートは原作のとぼけた味わい、Bパートは水神様の「怖さ」がそれぞれ上手く描かれており、「一話で二度おいしい」感じだった。
まず、Aパート冒頭の「家賃二倍に値上げ」で異様にシリアスな顔をする水木からして面白すぎる。
そして、ずっと楽しみにしていた鬼太郎の「ぼろい!」もいい感じだった。借金取り立ての勘定をしている場面を観ていて、「そろそろ来るぞ」とワクワクしてまっていたが、野沢さんの演技は十分に期待に応えてくれた。
演技と言えば、本話でのねずみ男は、これまでと比べると「ゲゲゲ」第1作・第2作に近い感じの声になっていたように感じた。「ゲゲゲ」の方で好きだった「ンーフッフッフー」と言う特徴的な笑い声を再び聴けたのも、嬉しいところだ。
また、物の怪とのやりとりもテンポ良く進んでおり、原作準拠の会話は聴いていて心地よい。鬼太郎のハチマキの日の丸は「め し」に変えられていたが、これはこれでとぼけた味わいがよく出ている。
続くBパートは、水神様の襲来で一気に大スペクタクルとなった。
今のテレビアニメで水神様に人間が溶かされる場面を描けるのか心配していたのだが、大空ひばりも警視総監もしっかりと溶けており、満足した。個人的好みを言えば、「足跡の怪」並みにグロく溶かして欲しかったところだが、水神様の怖さは十分に描けていたから、まあいいだろう。
そして、Bパートで特に印象的だったのは、原作ではいつの間にかいなくなった水木に退場の場面が与えられていた事だ。それも、水神に捕らえられようとしている水木を、鬼太郎があっさり「じゃあ」と見捨ててしまうのだからインパクト満点だ。一応金蔓なのだから少しは助けようとするのかと思ったら、完全に自分の命重視なところが「墓場」の鬼太郎らしい。
また、水木の最期も実にあっさりと水神に溶かされており、序盤で命からがら地獄からかえってきた事を考えると非常に哀れだが、このような人命の軽さも原作の味が出ていたと思う。
ところで、個人的に「鬼太郎と水神」の話に初めて接したのは、アニメ「ゲゲゲ」第2作の「地獄の水」だった。
この話でも、容赦なく多くの人達が水神に溶かされて犠牲になっており、人死にの多い「ゲゲゲ」第2作の中でも怖い話として小さい頃から印象に残っていた。
「墓場」では、よりによって鬼太郎が水神様の被害を引き起こしてしまうところ、初めて原作を読んだ時に衝撃を受けた部分だった。アニメ「ゲゲゲ」の「地獄の水」と、今回の「水神様」で、まったく性格の異なる鬼太郎を両方とも野沢さんが演じているのだから、凄い事だ。
さて、このまま行くと次回はニセ鬼太郎も退場か。水木をあっさり殺したのだから、こちらも同様だろう。ニセ鬼太郎の最期が楽しみだ。
(脚本/成田良美、演出/石黒 育、作画監督/清水昌之・曾我篤史)
今回は、Aパートは原作のとぼけた味わい、Bパートは水神様の「怖さ」がそれぞれ上手く描かれており、「一話で二度おいしい」感じだった。
まず、Aパート冒頭の「家賃二倍に値上げ」で異様にシリアスな顔をする水木からして面白すぎる。
そして、ずっと楽しみにしていた鬼太郎の「ぼろい!」もいい感じだった。借金取り立ての勘定をしている場面を観ていて、「そろそろ来るぞ」とワクワクしてまっていたが、野沢さんの演技は十分に期待に応えてくれた。
演技と言えば、本話でのねずみ男は、これまでと比べると「ゲゲゲ」第1作・第2作に近い感じの声になっていたように感じた。「ゲゲゲ」の方で好きだった「ンーフッフッフー」と言う特徴的な笑い声を再び聴けたのも、嬉しいところだ。
また、物の怪とのやりとりもテンポ良く進んでおり、原作準拠の会話は聴いていて心地よい。鬼太郎のハチマキの日の丸は「め し」に変えられていたが、これはこれでとぼけた味わいがよく出ている。
続くBパートは、水神様の襲来で一気に大スペクタクルとなった。
今のテレビアニメで水神様に人間が溶かされる場面を描けるのか心配していたのだが、大空ひばりも警視総監もしっかりと溶けており、満足した。個人的好みを言えば、「足跡の怪」並みにグロく溶かして欲しかったところだが、水神様の怖さは十分に描けていたから、まあいいだろう。
そして、Bパートで特に印象的だったのは、原作ではいつの間にかいなくなった水木に退場の場面が与えられていた事だ。それも、水神に捕らえられようとしている水木を、鬼太郎があっさり「じゃあ」と見捨ててしまうのだからインパクト満点だ。一応金蔓なのだから少しは助けようとするのかと思ったら、完全に自分の命重視なところが「墓場」の鬼太郎らしい。
また、水木の最期も実にあっさりと水神に溶かされており、序盤で命からがら地獄からかえってきた事を考えると非常に哀れだが、このような人命の軽さも原作の味が出ていたと思う。
ところで、個人的に「鬼太郎と水神」の話に初めて接したのは、アニメ「ゲゲゲ」第2作の「地獄の水」だった。
この話でも、容赦なく多くの人達が水神に溶かされて犠牲になっており、人死にの多い「ゲゲゲ」第2作の中でも怖い話として小さい頃から印象に残っていた。
「墓場」では、よりによって鬼太郎が水神様の被害を引き起こしてしまうところ、初めて原作を読んだ時に衝撃を受けた部分だった。アニメ「ゲゲゲ」の「地獄の水」と、今回の「水神様」で、まったく性格の異なる鬼太郎を両方とも野沢さんが演じているのだから、凄い事だ。
さて、このまま行くと次回はニセ鬼太郎も退場か。水木をあっさり殺したのだから、こちらも同様だろう。ニセ鬼太郎の最期が楽しみだ。