先月末から今月頭にかけて、「ミス・ドラキュラ」第7巻(最終巻)と「バケルくん」4巻の2冊が発売された。藤子作品の単行本が同時期に2冊出るのは久しぶりだ。
3月の映画ドラ公開前後から、自分の中では藤子作品に対してテンションが下がり気味だったのだが、これらの新刊や図書館で未読作品を読んで、徐々にテンションが上がってきた。やはり「初めて読む作品」には、新鮮な驚きがある。もちろん、藤子作品は何度でも楽しめるが、それはまた別次元の話だ。
せっかくだから、当ブログでこの新刊2冊を取り上げておきたい。
・「ミス・ドラキュラ」第7巻(ブッキング)
隔月で出ていた本作も、いよいよ最終巻。
2ヶ月に一度の楽しみだったので寂しくもあるが、ようやく「ミス・ドラキュラ」が全話単行本された事は、非常に喜ばしい。もっとも、私は奇想天外社の旧版を持っておらず、作品自体は初読だったのだが。
5巻以降は、全話がマイクロフィルムの復刻となっているので、単行本未収録分は全て原稿が所在不明なのだろう。そのため線が粗くなってしまったのは残念だが、きちんと読める状態で全話収録してくれた事は最大限に評価したい。「状態が悪いから」と、4巻で終わりになってしまっていたら、それこそ中途半端で勿体ないと思っただろう。
本作は、4ページのショートギャグ作品なので、特に「これ」と強い印象のあるエピソードをあげにくいが、主役のミス・ドラキュラこと虎木さんよりも、むしろ佐木やフーコなどを中心とした一般庶民の人間模様が、7巻にわたるエピソードの中で積み重ねられていく様が楽しかった。
最終話の唐突さも、いかにもA作品らしい。何でアメリカなのかとか、突っ込んではいけないのだろう。これで、置き手紙があれば完璧だったのだが。
ところで、A先生は、あとがきで「海の王子」を最後の合作とされている。これまでA先生が合作について語った文章では、最後の合作は「オバQ」とされていたので、気になるところだ。
個人的には、最後の「合作」と言える作品は「仙べえ」だと考えている。案と絵の分担制だが、両先生の個性が上手く融合している作品だと思う。もっとも、これはA先生御自身が既に忘れているのかもしれないが。
・ぴっかぴかコミックス「バケルくん」第4巻(小学館)
正直言って、もうぴかコミではドラしか出ないかと思っていた。今頃になって続刊が出た点も驚きだ。そう言えば「パーマン」も4巻は結構遅れて出ていた。ともかく、アニメ化されていない作品を出版してくれるだけでもありがたい。
4巻で好きな話をあげると「ゴキブリラーメン」「かげの通りま」あたりか。後者は「パーマン」や「エスパー魔美」にも通じる読後感を持つエピソードだと思う。
この4巻では、「バケルくん、サンタになる」「楽しいお正月」の2本が単行本初収録。印刷状態からみると、おそらく雑誌からの復刻だろう。原稿所在不明のせいで、これまで未収録だったのかも知れない。
ともかく、これで「バケルくん」単行本未収録作品は残り1本となった。その1本も「ネオ・ユートピア」会誌38号(「バケルくん」特集号)に再録されているので、FFランド+ぴかコミ+NU38号で「バケルくん」は全て読む事が出来る。
ぴかコミだけで考えても、てんコミ2冊分に相当する分量が出ているのだから、1990年代後半~2000年代初頭のてんコミ品切れ時代よりははるかにいい状況だ。
さて、そろそろぴかコミの藤子作品にも新タイトルが欲しい。有名どころでは「新 オバケのQ太郎」低学年向けの単行本未収録作品にカラーが多いので、刊行を希望したい。「熱血コロコロ伝説」の付録に新オバQが付けられるのだから、ぴかコミでも出せない事はないだろう。ぜひ、お願いします。
3月の映画ドラ公開前後から、自分の中では藤子作品に対してテンションが下がり気味だったのだが、これらの新刊や図書館で未読作品を読んで、徐々にテンションが上がってきた。やはり「初めて読む作品」には、新鮮な驚きがある。もちろん、藤子作品は何度でも楽しめるが、それはまた別次元の話だ。
せっかくだから、当ブログでこの新刊2冊を取り上げておきたい。
・「ミス・ドラキュラ」第7巻(ブッキング)
隔月で出ていた本作も、いよいよ最終巻。
2ヶ月に一度の楽しみだったので寂しくもあるが、ようやく「ミス・ドラキュラ」が全話単行本された事は、非常に喜ばしい。もっとも、私は奇想天外社の旧版を持っておらず、作品自体は初読だったのだが。
5巻以降は、全話がマイクロフィルムの復刻となっているので、単行本未収録分は全て原稿が所在不明なのだろう。そのため線が粗くなってしまったのは残念だが、きちんと読める状態で全話収録してくれた事は最大限に評価したい。「状態が悪いから」と、4巻で終わりになってしまっていたら、それこそ中途半端で勿体ないと思っただろう。
本作は、4ページのショートギャグ作品なので、特に「これ」と強い印象のあるエピソードをあげにくいが、主役のミス・ドラキュラこと虎木さんよりも、むしろ佐木やフーコなどを中心とした一般庶民の人間模様が、7巻にわたるエピソードの中で積み重ねられていく様が楽しかった。
最終話の唐突さも、いかにもA作品らしい。何でアメリカなのかとか、突っ込んではいけないのだろう。これで、置き手紙があれば完璧だったのだが。
ところで、A先生は、あとがきで「海の王子」を最後の合作とされている。これまでA先生が合作について語った文章では、最後の合作は「オバQ」とされていたので、気になるところだ。
個人的には、最後の「合作」と言える作品は「仙べえ」だと考えている。案と絵の分担制だが、両先生の個性が上手く融合している作品だと思う。もっとも、これはA先生御自身が既に忘れているのかもしれないが。
・ぴっかぴかコミックス「バケルくん」第4巻(小学館)
正直言って、もうぴかコミではドラしか出ないかと思っていた。今頃になって続刊が出た点も驚きだ。そう言えば「パーマン」も4巻は結構遅れて出ていた。ともかく、アニメ化されていない作品を出版してくれるだけでもありがたい。
4巻で好きな話をあげると「ゴキブリラーメン」「かげの通りま」あたりか。後者は「パーマン」や「エスパー魔美」にも通じる読後感を持つエピソードだと思う。
この4巻では、「バケルくん、サンタになる」「楽しいお正月」の2本が単行本初収録。印刷状態からみると、おそらく雑誌からの復刻だろう。原稿所在不明のせいで、これまで未収録だったのかも知れない。
ともかく、これで「バケルくん」単行本未収録作品は残り1本となった。その1本も「ネオ・ユートピア」会誌38号(「バケルくん」特集号)に再録されているので、FFランド+ぴかコミ+NU38号で「バケルくん」は全て読む事が出来る。
ぴかコミだけで考えても、てんコミ2冊分に相当する分量が出ているのだから、1990年代後半~2000年代初頭のてんコミ品切れ時代よりははるかにいい状況だ。
さて、そろそろぴかコミの藤子作品にも新タイトルが欲しい。有名どころでは「新 オバケのQ太郎」低学年向けの単行本未収録作品にカラーが多いので、刊行を希望したい。「熱血コロコロ伝説」の付録に新オバQが付けられるのだから、ぴかコミでも出せない事はないだろう。ぜひ、お願いします。