はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

アニメ「ドラえもん」サブタイトル異変

2006-01-15 17:46:26 | アニメドラ感想
 13日のアニメ「ドラえもん」を観て、驚き、呆れて、がっかりした。
 放送をご覧になった方は既にご存知だろうが、これまで基本的に原作通りだったサブタイトルに、余計な煽り文句が付くようになったのだ。リニューアル後のアニメドラには、これまでも気になる点がいくつかあったが、わざわざ騒ぎ立てるような致命的な物とは思わなかった、今までは軽く触れる程度だった。しかし、今回の暴挙は、個人的には見過ごせないレベルに達している。
 本来ならば、昨年までと同じくアニメの感想を書くつもりだったのだが、予定を変更して、この件について書かせていただく。

 新聞のテレビ欄で長ったらしいサブタイトルが載る事自体は、「ドラえもん」以外のアニメでもすでに行われている。私が現在観ている作品では、「ブラック・ジャック」が、そのパターンだが、あくまでテレビ欄だけの事で、実際の放送ではシンプルなサブタイトルになっている。

 しかし、今回の「ドラえもん」の場合は、実際の放送でもはっきり画面に表示された上、ドラえもんによる読み上げまで行われており、完全に作品の一部となってしまっている。
 これでも、思わず唸らせられるような見事な文句が付いているのならまだしも救われるが、実際には「新年だ!アラビアンナイトだ! ランプのけむりオバケ」「ジャイアン新曲発表! かべ紙の中で新年会」と、はっきり言って私にはセンスが感じられなかった。来週放送分も、予告では「謎のはだかおとこ? このかぜうつします」「ドラえもんもお風呂に!? 温泉旅行」と、同様だ。テレビ番組だから、一人でも多くの視聴者を引きつけようと努力している事はわかるが、このサブタイトルで「面白そうだな、観てみよう」と思う人が、一体何人いるのだろう。逆に「ジャイアン新曲発表」に期待して観た人だったら、怒り出すかも知れない。

 なお、大晦日特番の視聴率は7.2%だった。これは、ここ数年の大晦日特番と比べても低い数字だ(詳しい数字は「パンポロリン!」参照)。一瞬、この視聴率のせいで、このようなテコ入れが行われたのかと思ってしまったが、考えてみたら大晦日特番の最後に流れた予告でも、すでに煽り文句は付いていた。この時は、まさか本編で正式なサブタイトルになるとまでは思っていなかったが。それに、一部テレビ情報誌でも煽り文句は掲載されていたので、遅くとも先月中旬くらいには決まっていた事なのだろう。

 あらためて言っておくが、私は昨年4月からのアニメリニューアルについては、基本的に賛成派だ。
 大山さん達の声は非常に好きだが、声優の高齢化は避けて通れない問題だったし、どうせ交代するのならば総入れ替えしてくれた方がすっきりすると思っていた。それに、リニューアル後、原作を尊重した作りとなった点も、藤子作品のファンとしては嬉しかった。ここで、大山時代のアニメオリジナル作品の出来をどうこう言うつもりはない。原作ファンとして、好きな話がテレビで動いているところを観るのが純粋に嬉しいのだ。
 もちろん、キャラクターの声や作品の雰囲気ががらっと変わってしまった事による違和感は私にもあるし、現在でも、一部の声優は更に演技力向上の余地があると思っている。それでも、9ヶ月間の放送を観る限り、スタッフ・キャストが、原作「ドラえもん」の面白さを見せようとしている事は画面から伝わってきたので、毎回楽しみに観て、このブログで感想を書いてきたのだ。

 このように、作品自体は面白く観ているのだが、今回のような変なテコ入れを目の当たりにすると、現場のアニメスタッフと、他の関係者との間に、考えのずれがあるような気がしてならない。この件に関しては昨年末に書いた主題歌の話題でも触れたが、アニメ「ドラえもん」が現在抱えている一番の問題点のような気がする。このような宣伝的な要素を決めているのは、おそらくプロデューサーなのだろう。
 考えてみれば、現場のスタッフは雑誌「ぼく、ドラえもん」「もっと!ドラえもん」で登場しているし、声優もメインの5人に留まらず、ママ・パパやジャイ子などサブキャラクター役のインタビューまで載っているのに、プロデューサーは登場していない。アニメ「ドラえもん」を作る上で重要な役割を担っているはずなのに、どのような考えで作品づくりをしているのか分からないとなると、非常に気になってしまう。ぜひ「もっと!ドラえもん」5号ではプロデューサーにインタビューして欲しいものだ。

 と言うわけで、今回はサブタイトルの件について、思うところを書いた。この件の衝撃が、あまりに大きかったので、今後アニメドラの感想を続けるかどうかは、現時点では未定とさせていただく。もちろん、毎週観続ける事には、変わりはないのだが。